パンク寸前の関西空港と深圳航空の”あじわい”(南京#1)
渡航前夜
ビザ入手に骨を折る
COVID-19の流行に伴い、中国の日本に対するビザ免除政策が停止されてから4年が経過した。乗り継ぎ以外で中国を訪れる場合、短期間であってもビザ申請センターに出向き、ビザを入手しておく必要がある。今回も混雑したビザ申請センターで2時間待ちをクリアし、ビザをゲットした。
不人気な中国土産
中国のおみやげといえば、筆者の偏見交じりだが、鉄観音のような中国茶、茶器、麻辣味付けのナッツなどが定番である。同僚や家族にお土産は鉄観音で良いか聞いたところ、中国のお土産はいらないと無下に断られた。
パンク寸前の関西国際空港
具体的な日付は言及しないが、渡航はGWメーデー前の平日。かねてからインバウンド需要に対応しきれていないと指摘されていた関西国際空港にははち切れんばかり状態であった。特にメーデーを前に中国に里帰りする人が多い模様。
加えて、出国制限エリアに入ってすぐの免税土産店では龍のように長い待ち行列が形成されていた。購入のシステムが独特で、百貨店のように店員さんに声をかけて購入するのではなく、下記のシステムになっていた。
免税品購入プロセスの詳細説明は下記の動画に譲る。
注文登録・伝票を発行するにあたり、事前に係員による航空券のチェックが行われていた。係員に理由を伺ったところ、長時間並んでお土産を買ったものの、登場時刻に間に合わなくなることを防ぐためだといわれた。
解せない顔をしていると衝撃の事実を伝えられた。この日は、注文から受け取りまで30分待ちらしい。
お土産を買うために30分並ばなければならない、というのだから、SNSでよく見かける酷評記事にもうなずける。免税店でのお土産購入は断念し、搭乗口近くの商店で何とか手土産を購入した。
2時間前にチェックインカウンターに並びはじめ、手土産を少々買っただけなのに、ぎりぎりファイナルコールに間に合うという忙しない出国であった。
深圳航空の”あじわい”
skyscannerで中国行きの航空券を検索すると、厦門航空と並んで常時トップ表示されるのが深圳航空。どんなオンボロ機材を使っているのかと思いきや、機内は至って普通であった。ブルーの内装に赤い制服を着た乗務員。機材は古すぎず、無駄なモニターはなく、必要十分の設備が揃えられている様子だった。
筆者は飛行機ではからならず通路側の席で発券してもらうことにしている。窓側で隣に人が座っていると、すぐに通路に出れないし、圧迫感が苦手なのだ。
機体後方、通路側の席に腰掛けた。自分の隣に人はいない。新たに入り口のドアをくぐった乗客が通路をスタスタと歩いてくる。自分の前を通るとき「止まるな止まるな」と念じていた。最終的には2割ぐらいが空席になっており、隣の席に人が座ることはなかった。
深圳航空ではアライバルカードが配られた。他の航空会社ではくれないことも多い。機内で書いておくと到着後の手続きが圧倒的に楽なのでありがたい。
関西から南京へはおよそ2時間半のフライト。離陸後、ベルトサインが消えると同時に機内食のサービスが開始される。機内食は牛肉飯と鶏肉飯が用意されていたようだが、機体後方に座っていた私に選択権はなかった。(鶏肉飯確定)
ご飯の上の鶏肉と野菜に薄っすら出汁の効いた日本風のあんがかかっている。紅生姜もついていたので、おそらく日本積み込みだろう。さらに、パン、フルーツ、サラダも付いてきた。一昔前に比べると中国系航空会社の機内食は著しく改善したと筆者は思う。
食事と同時にドリンクも配られる。ホットコーヒーには相変わらず大量のミルクと砂糖がプレ投入されている。筆者はいつもブラックで出してほしいと思ってるが、これはこれで美味い。
隣国の雰囲気を楽しむには妥協の精神が大事なのだ。そう心に言いきかせながらコーヒーを飲み、眠気に任せて目を閉じた。
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