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冒険は、続くんだ。
冒険小説が好き。
娘が『エルマーの冒険』を図書館で選んで来た時、内心、嬉しくて嬉しくて。
子供の頃、私は冒険小説がとにかく大好きだった。
それはこんなに大人になっても、大きな声で宣言することは控えているけれど、変わることはない。
小さい頃に学校の図書館で好んで借りたのは、ほとんどが冒険小説。
『はてしない物語』に『ナルニア国物語』、『モモ』の世界観も好きだった。『オズの魔法使い』にも色んなシリーズがあって、胸がドキドキしっぱなしの冒険の世界が広がっていた。
『指輪物語』は言うまでもなく。映画(『ロード オブ ザ リング』)は今でも年に一度は鑑賞する時間を設けていて、その時は正座して観たい勢い。
魔法は出てこないけれど、植村直己のノンフィクションの冒険小説も大好きだった。
北極圏での極限の状況、犬ぞり、そして、オーロラ。
そこは、幼い私にとっては魔法のそれと同じくらい強烈な、遥か彼方にあるはずで、危険だけれども涙が出るくらい美しい、白銀の世界。
そして、今。
親になり、娘が『エルマーの冒険』が読みたいと手にとった時。
読み物の方向性を強要するつもりは全くないのだけど、「一緒に読もうね」と、少し前のめりになっていたのが、娘にはわかったかもしれない。
その小説の中では、ネコも、サルも、虎も同じように喋っていて、サイは自分のツノを歯ブラシで磨いたりする。ドラゴンの背中に乗るのは、冒険することを決して恐れない少年。あるはずのない世界なのに、ご丁寧に地図まで用意されている。
冒険は、続く。
私は冒険家ではないし、残念ながら冒険家になることができないけれど、密かにそう信じている。
それは本の中に広がる、果てしない夢の世界か。
それとも、その本を読んだ人の隣に寄り添うように、もしかして、もしかしたら存在するかもしれない、永遠の冒険の世界、だといいなぁ。