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『Emily in Paris』に登場するポロネギスープ。これを世に広めた仏人女性の美への信念

こんにちは。ショコラです。

書店を歩いていると、”フランス”がつく書籍の多さに驚かされます。フランス人は服を10着しか持たなかったりフランス人の子供は夜泣きをしなかったり。日本人はフランス好きが多いのね、なんて他人事のように思いながら、気になって手に取ってしまう私です。

その中で、インパクトの強いタイトルの一冊があります。2004年発行、世界的な大ベストセラーになった『フランス女性は太らない』(”French Women Don't Get Fat”)です。


■ 圧倒される、美への信念

著者は、フランス人女性のミレイユ・ジュリアーノ氏。この方、シャンパンの世界的ブランド、仏ヴーヴ・クリコのアメリカ法人の社長も務めたキャリアの持ち主。現在は作家業に専念し、アメリカ人の旦那さんとニューヨークに住んでいるようです。

著者のジュリアーノ氏 (Credit: Tim Knox) 

フランス関連の本というと、『フランス人は10着しか服を持たない』や『フランスの子供は夜泣きをしない*』など、タイトルだけ知っている方も多いのでは。これらの作者はいずれもアメリカ人女性。外国人の目線でフランス流のあれこれをリスペクトする内容は、共感しながら楽しく読み進むことができます。
(*こちらに記事を書いています↓)

一方、本書『フランス女性は太らない』は、フランス人が自分で、フランス女性はどうして美しいか、どうやって美しさを維持するかを綴っているのです。美しく生きることへの作者の強い信念に、少し圧倒されるかもしれません。


■ Magical Leek Soup(魔法のポロネギスープ)

さて、Netflixで配信されている『Emily in Paris』シーズン2の第4話に、本書で紹介されていた"magical leek soup"(魔法のポロネギスープ)が登場すると知り、試しにドラマを観ようと思いました。(こんな動機でこのドラマを見始めた人は、あまりいないでしょう。きらん。)

ポロネギとは、西洋の長ネギのようなもの。ドラマでは、アメリカ人の消費者にポロネギをもっと買ってもらうため、ポロネギを魅力的に見せるマーケティングプランを練るのですが、良いアイディアがなかなか浮かびません。すると、フランス女性のダイエットの秘密、ポロネギのスープをアメリカ人に広めれば良い、なんていう展開に。

美しく痩せるためのフランス女性の秘密とされるこのスープ、本書に度々出てきます。著者の若い頃の記憶とともに、思い入れが強いスープなのです。

材料(1人分の週末2日分)
・リーキ(ポロネギ)・・・1Kg
作り方
1 ポロネギは緑の部分をわずかに残しておく。
2 ポロネギを大鍋に入れて、かぶるぐらいの水を入れて蓋をし、火にかける。
  沸騰したら、蓋をとって20〜30分間煮る。

「フランス女性は太らない」より抜粋

見ての通り、ネギを味付けもせずに煮込んだだけのスープ。週末にこのスープと水だけを飲んで過ごすと、たちまち体質が改善するそう。今でいう、ファスティングダイエットの一種でしょうか。

さて、ポロネギ農家とフランス人の同僚は、ポロネギを使ったダイエットスープは妙案だと大喜び。それに対しエミリーは、一過性のダイエットは危険だし、今のアメリカはもっと健康志向だと訴えます。ダイエットをマーケティングツールにすることに反対のエミリーですが、その主張は結局聞き入れられず、、と、こんな展開でした。

魔法のポロネギスープ、ドラマではあまり好意的な描かれ方はされていないようです(汗)。


■ パンやチョコレート、ワインを味わい、人生を楽しむ

本書『フランス女性は太らない』は、単にダイエットを目的とした本ではありません。パンやチョコレート、ワインを味わいながら、美しく健康的に人生を楽しむことが、著者のモットーです。

私がちょっと痺れた一節があります。

理性の入り口には五感が存在する。五感を通して私たちは世界と触れ合う - 風味、舌触り、音、匂い。誰もが五感でちょっとしたヨガを演じているのだ。

五感でヨガを演じる・・・

何だかとても、美しく生きられそうな気がしませんか?(深く考えるものではありません。)


さて、ドラマでは微妙な描かれ方だったポロネギスープ。この本の著者もドラマへの不満があるかと、ご本人のtwitterをのぞいてみると、、

レシピを紹介してました(笑)。

これこそ、美しく生きる女性の自信というものでしょうか。


#フランス #書評 #emilyinparis   #Netflix #読書感想文

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