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64歳、パリで新たなスタートをきる 48 心に響く言葉6

異国の地での挑戦に立ちはだかる壁。そんな時、過去の経験から得た知識が心を支えてくれます。そんな「言葉たち」を皆さんに紹介します。

■稲盛和夫の実学 日経ビジネス人文庫

京セラ、KDDI、JALなどの経営に携わった人物です。
京セラ創業時からブレない軸を持たれていました。
その軸を、私がマネージャーになった時に、使わせていただきました。
今回は、私のマネージメントの軸になった言葉をご紹介します。

★心に響く言葉

「原理原則に則って、物事の本質を追求し、人として正しいかどうかで判断する」

人が集まると、好き嫌い、合う合わないが始まり、自分はどう思われているのか、ちゃんと評価されているのかなど、前向きな発想を阻む邪念が浮かんできます。
部下からは、上司に対する不信、不満なども生まれます。そうした邪念を少なくするためには、明快な判断基準が重要になります。誰から見ても、道理であり、好き嫌いレベルの判断ではないと受け取られる判断基準です。
それを、私は稲盛和夫さんの言葉から学び、使わせていただきました。

★どのように使ったか

私が初めて広島支社に配属になり、ある部を担当することになりました。
その時、全員を集めてこう言いました。
「私は自分に厳しく、他人にやさしい(関心が薄い)人間です。
なので、マネージャーには向いていません。しかし、そのことを誰より知っているからこそ、努力してみんなの成長のためにマネージメントをします。
しかし、本来、自分本位なところがあるので、対応が冷たく感じたり、評価されないのではと思ったりするかもしれません。
極力努力し、そうしたことにならないよう努めますが、それでも、そう感じたときは、「そうした人間だから」と思って許してください。
そんな私がみなさんと仕事をする上で、すべての判断のものさしになる言葉を共有します。
原理原則に則って、物事の本質を追求し、人として正しいかどうかで判断する」
問題や課題が出た時には、この考え方を基準にみなさんと解決して行きたいと思っています。私の判断がもしこの基準からそれてる時は指摘してください。一緒に考えましょう。よろしくお願いします。
【原理原則】 ⇒ 法律、会社の規定、一般常識、ルール、マニュアル
【物事の本質】 ⇒ 目の前で起きたことにとらわれず、その要因、原因、それにかかわるあらゆる状態などから、問題の発生はどこからきているのか、それを回避する手立てはあったのか、何を怠ってこの事態になったのか。今何を最優先にするべきか。
【人として正しいかどうか】 ⇒ ルールやマニュアルにかかれているのは仕事を滞りなくまわすためのものです。例えば人命にかかわる問題が発生した時に、何を優先するのか。それが「人として」の判断基準です。
これを共有することで、メンバー全員の判断基準が統一され、指示されなくても、判断ができる組織になると考えました。
もちろん権限という原理原則は大切ですが、緊急時、自分が判断すべき時に全員が動ける(機能する)組織になれると思ったからです。

★東京ディズニーランドの事例に学ぶ

2011年東日本大震災の時、千葉県にある東京ディズニーランドでも大きな揺れが発生しました。
恐怖におびえる来場者たちが、地面にしゃがんでいたそうです。
3月はまだ肌寒い時期です。
この時、shopで働くあるキャストが、店の裏にある段ボールを集め、地面に座っている人たちに配りました。
違うキャストは、防災頭巾の代わりにと、ぬいぐるみを配りました。
夜になって、おなかもすくので、クッキーなどを配るキャストもいました。
お店の商品を配るなんて事は、普段やってはならないルールだと思います。しかし、みんな誰からの指示を受けたわけでもなく、今、何が重要かを判断したのです。それは、防災訓練をしていた効果もあるでしょう。しかし何より、東京ディズニーランドが、人々に夢を届けるというミッションを社員だけではなくキャスト全員に理解させ、その夢を阻むものに対しては、何よりも優先して対処することを伝えていたからだと思います。
最も優先すべきは何かという判断基準をもっていたのでしょう。

■まとめ

工場にいくと、「安全はすべてに優先する」と書かれています。
経営理念やスローガン、創業精神は、暗記するためのものではなく、いざという時に全社員のよりどころになる重要な判断基準です。
みなさんの会社や組織にも、必ずあると思います。
普段、物事を判断するときに、その判断が経営理念や創業の精神に沿っているかを考えてみてください。そうすれば、上司の指示だからするのではなく、会社、組織の使命として実行するのだ。世のため人のためになるのだということに気づき、働きがいが生まれるのではないでしょうか。
もし、上司の指示が、基準に沿っていないものであれば、逆に指導しなければなりません。そうしたことができる組織であれば、不正などは起きないのですが、最近不正という言葉をよく聞くのは、指示待ち人間、無関心人間ばかりになったからなのではないでしょうか。

épisode1 動機・退社編
épisode2 準備・出国編
épisode3 到着・始動編
épisode4 支払・apple pay編
épisode5 スマホ・Wi-Fi編
épisode6 お買い物編
épisode7 Tver編
épisode8 公共交通機関編
épisode9 フランス語編
épisode10 育児について
épisode11 セーヌ川クルーズ体験
épisode12 ルーブル美術館
épisode13 AIに触れる
épisode14 AIを使う
épisode15 孫産まれる
épisode16 フランス語講座
épisode17 新たな家族
épisode18 フランス語講座2
épisode19 パリ アレコレ
épisode20 フランス語講座3
épisode21 自力フランス語
épisode22 ちょっとした出来事
épisode23 フランス語講座4
épisode24 フランス語講座5
épisode25 育児から学ぶ(前編)
épisode26 育児から学ぶ(後編)
épisode27 フランス語講座6
épisode28 テレビを観る
épisode29 パリを駆ける
épisode30 フランス語講座7
épisode31 フランス語講座8
épisode32 フランス語講座9
épisode33 ベルサイユ宮殿
épisode34 フランス語講座10
épisode35 SDGs講舎に参加
épisode36 フランス語講座11
épisode37 マルシェデビュー
épisode38 フランス語講座12
épisode39 自力フランス語2
épisode40 ファーマシー
épisode41 宅配の受取り
épisode42 心に響く言葉1
épisode43 心に響く言葉2
épisode44 メトロ・デビュー
épisode45 心に響く言葉3
épisode46 心に響く言葉4
épisode47 心に響く言葉5

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