事業立案時の中間チェック項目
背景
最近、事業立ち上げにメンバーとして入ったり、新規事業コンテストに参加したりすることが増えてきました。
経験が浅いながらも自分の考えはあるのですが、チームメンバーを説得できず、自分が思うのとは違う方向にプロジェクトが進んでしまうことがしばしばあります……。
(自分の周りのメンバーは、利益に無頓着で社会貢献性を過剰に重要視するクセがあります。従って、方向を見失うと「誰がお金を払ってまでこのサービスを使うのか…?え、また自治体向け?」と、必ずなってしまいます。)
打開策を考えました。メンバー内で、"ここだけは外してはいけない"というポイントを"わかりやすく"示し、共有しておくことです。恥ずかしながら、今までこれを明文化せずに曖昧なイメージで伝えていました。結果として、メンバーに伝えきることができなかったのだと思っています。
ゆえに、本記事では"新規事業立案時に外してはいけないポイント"を整理し、記載しています。
ほぼ個人的な勉強メモですが、誰かのためになれば幸いです。
重要な中間チェック項目
結局、売れないモノは悪。売れなければビジネスとして成立しない。我々のアイデアや技術の美しさに、顧客は興味がない。顧客の課題を解決するプロダクトを、顧客はお金・労力を使って導入する。
以下について、明確でシンプルな回答を用意できなければ事業は失敗する。
①顧客は誰か? どこの企業の何部の誰さんでいくら予算を持っているのか?
具体的な初期顧客がいて初めてプロダクトはローンチできる。
顧客の「欲しい」は信用してはならない。(「欲しい」→「そんなものがあったら無いよりは良いよね、買わないけど」の可能性が高い。)
予算を持っており、我々が解決する課題にお金を投資する根拠があるか?
②プロダクトの新規導入は誰にとっても面倒。 顧客には時間・労力をかけてでも我々のプロダクトを使ってくれる理由があるか?
顧客の悩み(ペインポイント)は何か?
それをこのプロダクトはどれくらい解決するのか?
③市場規模を見積もった時、その市場に我々が取り組む意味があるか?
"顧客単価×顧客数"で算数的に正しい市場規模を見積もった上で、その市場に参入する意味があるのかを考える。計算してみると、意外と市場が小さく取り組む価値が低いことに気づく場合が多々ある。
④我々のチームは最高か?このチームでプロダクトが市場に届く根拠はあるか?
最高のプロダクトを企画しても、一人ではそれを世に届けることはできない。営業・戦略・資金調達・技術等において、自分よりも優れた人とチームを組むことで、初めてプロダクトが世に出る根拠が生まれる。
⑤ビジネスプラン(目指すゴール、どういう順番でどうやって達成するのか)は簡単に示すことができるか?
我々の言っていることは1%も周りに伝わらない。なぜなら、我々はすでに多くの時間を使ってプロダクトを企画しており、このプロダクトについて知り過ぎているからだ。
ビジネスプランは、すごくシンプルにわかりやすく1スライドに落とし込まれたところで、やっと周りが理解し始める。
その他の気をつけるべきポイント
我々の"素晴らしい技術"に固執しないこと。結局、顧客の役に立つプロダクトしか成功しない。極論、我々のソリューションが真空管でできていようが、トランジスタでできていようが顧客は気にしていないので、技術ではなく顧客メリットを追求すべき。技術カットで考えると、顧客メリットを軽視してしまう。
(一方、初期のブレストでは技術カットで考えるなど、顧客メリットに固執しない思考法も有効である。イノベーションを産む上では重要な方法である。)
無駄にリスクをとっていないか?
取る必要のないリスクは最小化するべき。無駄な博打をしない、無駄にコストを払わない(早期の法人化など)、などなど
おわりに
一旦、自分と同レベルの人が基本に立ち返って注意すべきポイントをシンプルにまとめました。しかし、もっと基本的なフレームワークを知りたい人には物足りなかったかもしれないと感じています。
今後も、本記事への追記、または事業創出・イノベーション創出に関する新規記事の投稿を実施し、段々と体系的な情報にしていく所存です。またお会いしましょう。