シャボン玉と子ども
暖かくなり、家の前でシャボン玉を飛ばして遊ぶ子どもを見かけるようになったことだろう。
そんなときについ口ずさみたくなるのが、野口雨情(のぐち・うじょう)作詞の童謡『シャボン玉』である。
シャボン玉飛んだ
屋根まで飛んだ
屋根まで飛んで
こわれて消えた
風、風、吹くな
シャボン玉飛ばそ
この1番の歌詞は、歌っていてもそんなに気になる部分はないのだが、2番の歌詞は、何かを暗示する部分がある。(根拠はないが、そういう説がある)
シャボン玉消えた
飛ばずに消えた
生まれてすぐに
こわれて消えた
風、風、吹くな
シャボン玉飛ばそ
2番の歌詞は、「生まれてすぐに」シャボン玉が消えたという部分がある。
生まれるといえば、子どもが生まれることが連想される。
実際、野口雨情は妻との間にできた子どもを亡くしている。戦前の当時としては、子どもが就学する前に亡くなることは珍しいことではなかった。
また、屋根の高さは、人の家それぞれ違う。屋根まで飛んでこわれるシャボン玉もあれば、屋根より高く飛んでいくシャボン玉もある。
たかが童謡と思うべからず、見方を変えると、こんなにも奥が深いのである。