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井筒俊彦クロニクル

今手元に10年ぐらい前に手に入れた、井筒俊彦の『意識の形而上学ー「大乗起信論」の哲学』という中央文庫の本があります。井筒俊彦の最後の著作となった本(1993年出版)で、文庫本は2001年9月25日初版で、購入したのは2009年6月30日の3刷のものです。

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以前、丸の内の丸善にあった「松丸本舗」という本屋さんで買ったまま読んでいなかったらしく、
  2013年8月26日 11:59:59 STARBUCKS新橋駅前店
  2013年8月27日(火) 12:12 ドトールコーヒーショップ新橋銀座口店
  2013年9月1日(日) 15:47 ドトールコーヒーショップ銀座マロニエ通り店
のレシートが挟まっています。そして、たくさんのマーキングと書き込みがしてあります。

でも、内容が蘇ってこないのです。
わかったようなつもりで読んでいたかもしれないのですが、自分の血肉には、なっていなかったのでしょうね。

最近、立体視や心景や修験道や久高島や空海のことを思索しているうちに、この本のことを思い出し、再読しようと思い、井筒俊彦のことをWiKiで調べて、せっかくなので、情報を年代別に並べてみました。

クロニクルにしてみると、井筒俊彦が、アジアの東端の日本から広げた東洋哲学ではなく、アジアの西端のアラビアから分け入ったことがよくわかります。ロシアも押さえているし、東洋をとても大きな世界観で捉えることができた人なのですね。

そして、この本の表紙の裏に「壮大な構想による東洋哲学の思想的未来」とあるように、いきなりこの本に入るより、その10年前からの前段になっている 
  1983年『意味の深みへ: 東洋哲学の水位』 (岩波文庫)
  1985年『意識と本質―精神的東洋を索めて』 (岩波文庫)
  1989年『コスモスとアンチコスモス: 東洋哲学のために 』(岩波文庫)
の、3冊のタイトルから、これらが構想と未来図を押さえていそうなので、こっちから入る方がいいかもしれない。

あぁでも、39歳のときの1953年【著書】『ロシア的人間―近代ロシア文学史』も気になるぅ。

もうちょっと、悩んでからにします。

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* 井筒俊彦 クロニクル *
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0歳から19歳(1914-1933)

1914年(0歳)東京に生まれる
1931年(17歳)慶應義塾大学経済学部予科に入学

20歳から29歳(1934-1943)

1934年(20歳)慶應義塾大学文学部英文科に転じる
1937年(23歳)慶應義塾大学文学部英文学科卒業
1937年(23歳)慶應義塾大学文学部助手
1941年【著書】『アラビア思想史―回教神學と回教哲學』〈興亜全書〉博文館
1942年(28歳) 慶應義塾語学研究所研究員兼任。同助教授

30歳から39歳(1944-1953)

1949年(35歳)【賞歴】『神秘哲学』第一回福澤賞・義塾賞
1949年【著書】『神秘哲學―ギリシアの部』〈世界哲學講座〉哲学修道院
1950年【著書】『アラビア語入門』慶應出版社
1952年【著書】『マホメット』〈アテネ文庫〉弘文堂
1953年【著書】『ロシア的人間―近代ロシア文学史』弘文堂

40歳から49歳(1954-1963)

1954年(40歳)慶應義塾大学文学部教授
1957-58年【翻訳】『コーラン』(上中下)岩波文庫
1957年【翻訳】マルティン・C・ダーシー『愛のロゴスとパトス』三辺文子共訳、創文社
1959年(45歳)ロックフェラー財団研究員
1961年(47歳)カナダ・マギル大学客員教授
1962年(48歳)慶應義塾大学言語文化研究所教授

50歳から59歳(1964-1973)

1964年【翻訳】改版『コーラン』(上中下)(初出1957年)
1967年(53歳)スイス・エラノス会議会員
1969年(55歳)カナダ・マギル大学イスラーム研究所正教授
1972年【英文著作】『意味の構造―コーランにおける宗教道徳概念の分析』牧野信也訳、新泉社

60歳から69歳(1974-1983)

1975年-1979年(61-65歳)イラン王立研究所教授。パリ国際哲学研究院正会員
1978年【著書】『神秘哲学 第1部―自然神秘主義とギリシア』人文書院
1978年【著書】『神秘哲学 第2部―神秘主義のギリシア哲学的展開』人文書院
1978年【翻訳】ジャラール・ルーミー『ルーミー語録』イスラーム古典叢書、岩波書店
1978年【翻訳】モッラー・サドラー『存在認識の道 存在と本質について』イスラーム古典叢書、岩波書店
1978年【著書】『ロシア的人間―近代ロシア文学史』北洋社(初出1953年)
1979年【著書】『イスラーム生誕』人文書院
1980年【著書】『イスラーム哲学の原像』岩波新書
1981年(67歳)慶應義塾大学名誉教授
1981年【著書】『イスラーム文化―その根底にあるもの』岩波書店
1982年(68歳)【賞歴】毎日出版文化賞『イスラーム文化―その根底にあるもの』
1982年(68歳)【賞歴】朝日賞
1982年(68歳)日本学士院会員
1982年【著書】『イスラーム思想史―神学・神秘主義・哲学』岩波書店
1983年【著書】『コーランを読む』〈岩波セミナーブックス〉岩波書店
1983年【著書】『意識と本質―精神的東洋を索めて』岩波書店

70歳から79歳(1984-1993)

1984年(70歳)【賞歴】 読売文学賞『意識と本質――精神的東洋を索めて』(研究・翻訳部門)
1985年【著書】『意味の深みへ―東洋哲学の水位』岩波書店
1986年【対談・伝記・研究】『叡知の台座 井筒俊彦対談集』岩波書店
1989年【著書】『コスモスとアンチコスモス―東洋哲学のために』岩波書店
1989年【著書】『マホメット』講談社学術文庫 (初出1952年)
1989年【著書】『ロシア的人間―近代ロシア文学史』中公文庫(初出1953年)
1990年【著書】『イスラーム生誕』中公文庫(初出1979年)
1991年【著書】『イスラーム文化―その根底にあるもの』岩波文庫(初出1981年
1991年【著書】『イスラーム思想史―神学・神秘主義・哲学』中公文庫(初出1982年)
1991年【著書】『意識と本質―精神的東洋を索めて』岩波文庫(初出1983年)
1991年-1993年【全集】『井筒俊彦著作集』全11巻・別巻、中央公論社
   1巻 神秘哲学
   2巻 イスラーム文化
   3巻 ロシア的人間
   4巻 意味の構造 コーランにおける宗教道徳概念の分析(牧野信也訳)
   5巻 イスラーム哲学
   6巻 意識と本質 東洋的思惟の構造的整合性を索めて
   7巻 コーラン(翻訳)
   8巻 コーランを読む
   9巻 東洋哲学
   10巻 存在認識の道 存在と本質について(モッラー・サドラー、井筒訳・解説)
   11巻 ルーミー語録(ジャラール・ルーミー、井筒訳・解説)
   別巻 対談鼎談集・著作目録
1991年【著書】『超越のことば―イスラーム・ユダヤ哲学における神と人』岩波書店
1993年(79歳)就寝中の脳出血により急逝

没後0年から9年(1993-2002)

1993年【著書】『意識の形而上学―「大乗起信論」の哲学』中央公論社
1994年【著書】ワイド版『イスラーム文化―その根底にあるもの』岩波文庫(初出1981年)
1998年【英文記念論集】『Consciousness and Reality――Studies in Memory of Toshihiko Izutsu』松原秀一ほか編、岩波書店
1998年【著書】復刊『イスラーム哲学の原像』岩波新書(初出1980年)
2001年【著書】ワイド版『意識と本質―精神的東洋を索めて』岩波文庫(初出1983年)
2001年【著書】『意識の形而上学―「大乗起信論」の哲学』中公文庫(初出1993年)
2001年【英文著作】〈The Izutu library series on Oriental philosophy〉老子 Lao-Tzu The way and its virtue 慶應義塾大学出版会

没後10年から19年(2003-2012)

2003年【著書】改版『イスラーム生誕』中公文庫(初出1979年)
2004年【翻訳】ワイド版『コーラン』(上中下)岩波文庫(初出1957年)
2004年【著書】復刊『超越のことば―イスラーム・ユダヤ哲学における神と人』岩波書店(初出1991年)
2005年【著書】新版『イスラーム思想史―神学・神秘主義・哲学』中公文庫(初出1982年)
2005年【著書】復刊『コスモスとアンチコスモス―東洋哲学のために』岩波文庫(初出1989年)
2006年【著書】独訳版 『意識と本質―精神的東洋を索めて』Bewusstsein und Wesen, Hans Peter Liederbach, Iudicium Verlag, München,(初出1983年)
2008年【英文著作】〈The Izutu Library Series on Oriental Philosophy〉
The Structure of Oriental Philosophy Collected Papers of the Eranos Conference(全4巻)慶應義塾大学出版会
2009年【賞歴】ファーラービー国際賞(故人部門)
2009年【著書】『読むと書く 井筒俊彦エッセイ集』若松英輔編、慶應義塾大学出版会
2009年【翻訳】新版『コーラン』(上中下)岩波文庫(初出1957年)
2009年【著書】改版『イスラーム思想史―神学・神秘主義・哲学』中公文庫(初出1982年)
2010年【著書】『神秘哲学―ギリシアの部』若松英輔校訂・解説、慶應義塾大学出版会
2011年【対談・伝記・研究】若松英輔 『井筒俊彦 叡知の哲学』慶應義塾大学出版会
2011年【著書】『アラビア哲学―回教哲学』若松英輔校訂、慶應義塾大学出版会
2011年【著書】『露西亜文学』若松英輔校訂、亀山郁夫解説、慶應義塾大学出版会
2012年【対談・伝記・研究】『井筒俊彦とイスラーム 回想と書評』松原秀一・坂本勉編、慶應義塾大学出版会

没後20年から26年(2013-2019)

2013年【著書】復刊『イスラーム哲学の原像』岩波新書(初出1980年)
2013年【著書】『コーランを読む』若松英輔解説、岩波現代文庫(初出1983年)2013年【著書】復刊『意味の深みへ―東洋哲学の水位』岩波文庫(初出1985年)
2013年-2016年『井筒俊彦全集』全12巻・別巻、慶應義塾大学出版会
   1巻 アラビア哲学 1935年-1948年
   2巻 神秘哲学 1949年-1951年
   3巻 ロシア的人間 1951年-1953年
   4巻 イスラーム思想史 1954年-1975年
   5巻 存在顕現の形而上学 1978年-1980年
   6巻 意識と本質 1980年-1981年
   7巻 イスラーム文化 1981年-1983年
   8巻 意味の深みへ 1983年-1985年
   9巻 コスモスとアンチコスモス 1985年-1989年
   10巻 意識の形而上学 1988年-1993年
   11巻 意味の構造 1992年
   12巻 アラビア語入門(横組み)
   別巻 補遺・目録・年譜・索引(付・講演音声CD)
2014年【英文著作(訳書)】『禅仏教の哲学に向けて』ぷねうま舎
2014年【対談・伝記・研究】『井筒俊彦 言語の根源と哲学の発生』(KAWADE道の手帖)河出書房新社
2015年【英文著作】〈The Izutu Library Series on Oriental Philosophy〉
God and Man in the Koran Semantics of the Koranic Weltanschauung、慶應義塾大学出版会
2015年【対談・伝記・研究】若松英輔 『叡知の詩学 小林秀雄と井筒俊彦』慶應義塾大学出版会
2016年【英文著作】〈The Izutu Library Series on Oriental Philosophy〉
The Concept of Belief in Islamic Theology、慶應義塾大学出版会
2017年-2019年【英文著作(訳書)】『井筒俊彦英文著作翻訳コレクション』全7巻(全8冊)、慶應義塾大学出版会
    1巻『老子道徳経』(古勝隆一訳)
    2巻『クルアーンにおける神と人間―クルアーンの世界観の意味論』(鎌田繁監訳、仁子寿晴訳)
    3巻『存在の概念と実在性』(鎌田繁監訳、仁子寿晴訳)
    4巻『言語と呪術』(安藤礼二監訳、小野純一訳)
    5巻『イスラーム神学における信の構造 ― イーマーンとイスラームの意味論的分析』(鎌田繁監訳、仁子寿晴・橋爪烈訳)
    6巻『東洋哲学の構造―エラノス会議講演集』(澤井義次監訳、金子奈央・古勝隆一・西村玲訳)
    7巻『スーフィズムと老荘思想―比較哲学試論』上・下(仁子寿晴訳)
2017年【対談・伝記・研究】井筒豊子 『井筒俊彦の学問遍路 同行二人半』慶應義塾大学出版会
2017年【対談・伝記・研究】増補版『井筒俊彦 言語の根源と哲学の発生』(KAWADE道の手帖)河出書房新社(初出2014年)
2018年【対談・伝記・研究】『井筒俊彦の東洋哲学』澤井義次・鎌田繁編、慶應義塾大学出版会
2018年【対談・伝記・研究】斎藤慶典『「東洋」哲学の根本問題 あるいは井筒俊彦』講談社選書メチエ
2018年【映像】『シャルギー(東洋人)』 - イラン制作、井筒の生涯と思想を紹介するドキュメンタリー映画、監督マスウード・ターヘリー、日本語字幕
2019年【対談・伝記・研究】『井筒俊彦ざんまい』若松英輔編、慶應義塾大学出版会
2019年【対談・伝記・研究】バフマン・ザキプール『井筒俊彦の比較哲学』知泉書館
2019年【映像】NHK BS1スペシャル『イスラムに愛された日本人 知の巨人・井筒俊彦』 案内人サヘル・ローズ
2019年【著書】復刊『意味の深みへ―東洋哲学の水位』斎藤慶典解説、岩波文庫(初出1985年)
2019年【著書】復刊『コスモスとアンチコスモス―東洋哲学のために』河合俊雄解説、岩波文庫(初出1989年)
2019年【著書】『神秘哲学―ギリシアの部』竹下政孝・山内志朗校訂、納富信留解説、岩波文庫(初出2010年)
2019年【英文著作(訳書)】新版『禅仏教の哲学に向けて』野平宗弘訳注・頼住光子解説、ぷねうま舎(初出2014年)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
記載を元に、年代別に並び替えました。


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