読んだ小説を褒めながら紹介するnote ~『初恋を応援してくれる幼なじみとのラブコメ』篇~
本編とは関係ないかも知れないけど、表紙のアングルが最高ですね。
書影とか。
\どーん/
すでに書いたとおりですが、構図もたまらんスね。
イラスト担当は sage・ジョー先生です。
著者は神里大和先生。
デビューは第31回ファンタジア大賞銀賞受賞作の『甘えてくる年上教官に養ってもらうのはやり過ぎですか?』シリーズ。
ファンタジア文庫では3シリーズ目のご様子。
『初恋を応援してくれる幼なじみとのラブコメ』とは
主人公・織笠結斗には初恋の人がいる。
幼少期にとある事件(というか事故)めいたものがあって自宅療養が多かった彼はベッドの上で勉強をするしかなかったわけだが、そんな療養中に彼は初恋をします。
その初恋の君こそ、ひとつ年上の姉・織笠 京の同級生であり友人だった九条彩花。
自分の幼なじみである藤堂 澪といっしょに当時よく遊びに来てくれていた子なんですが、結斗が小学2年生のときに転校してしまいます。
でも、結斗はその恋を忘れられず今に至りました。
――拗らせてますねえ。
ちなみにその初恋相手の彩花が『元気に学校に行けるようになったらきっと学校一の秀才になれるんじゃないかな』と言ったことで、療養を終えたあともしっかりと学年1位を取れるように勉強を続けていたりします。
――やっぱり拗らせてますねえ。
拗らせすぎた結果かどうかは不明ながら、何となく『彩花があのまま大きくなったらこんな感じなんじゃないか?』という雰囲気の若手女優・十条アヤにお熱だったりはするのですが――。
――結斗のその直感は全くもって間違いじゃなかったので、さあ大変。
しかも、あの彩花がめちゃめちゃキレイになって、さらに自身の夢でもあった女優になると言う目標も達成して、自分や姉、そして澪も通う高校に編入してきたモンだからもっと大変。
だけど、彩花に会ったときに、まるで結斗が初対面だったかのように――いや、もはやそれ以下としか思えないくらいに冷たい態度を取られたモノだから、もう心底から大変。
姉から渡された連絡先にメッセージを送ったときには『近いうちに会いましょう』なんて優しい言葉を返してくれたのに。
俺なんてどうせそんなモンだよ、身分不相応だよ。
そんなことを思いながら沈み込んでいた結斗の尻を思いっきり叩いたのは、幼なじみの澪。
水泳でオリンピックを目指せるレベルながら頭脳の方はアレという『脳筋マーメイド』な澪は、よく結斗に勉強を見てもらうために織笠家にやってくるのだけれども。
そもそも憧れの人が女優になっていた段階ですでに「ああ、何て高嶺の花になっちゃったんだ」と傷ついていたところに塩を塗り込むような態度を取られ、完全に傷心ムードだった結斗に、澪は言います。
「あたしが、恋のキューピッドになってあげようか?」
「一緒にアヤ姉を攻略するとしますか!」
――ということで、幼なじみとの共同戦線が張られることになったわけですが。
その後、彩花とふたりきりで話すという機会を結斗は強引に作ったのですが、その時は昔と同じような雰囲気で話しかけてくれました。
聞けば(もちろん何となく結斗が察していたことでもあったけれど)彩花はお近づきになろうとしてくる男子をすべて避ける上で、結斗をその例外にしてしまうことで発生する弊害を無くしたくて、冷たい態度を取ったということ。――特別扱いをされる結斗を恨んでくる生徒がいないとも言えないし、逆に結斗に取り入って迫ってこようと考える生徒がいないとも言えないから、という話ですね。芸能人はツライよ。
そんなこんなで無事に疑念も晴れて、学校ではないところで結斗と彩花は離れていた時間を埋めるようにいっしょに過ごしたりするわけですが。
なぜか、恋のキューピッド役をしてくれるはずの澪が、やたらと距離を近付けてくるようになります。
――元からかなり近かったのに、もっとです。
いっしょにお風呂入ってみる? とか言ってきます。
ぎゅってさせてくれる? とかも言ってきます。
え、どういうこと?
――ということで。
何だか妙な形の三角関係……? になりそうな恋愛模様です。
推しポイント。
萌芽のタイミングを失いかけた恋心――って感じでしょうか。
応援するって言った手前、義理は果たそうとする澪が、徐々に心にモヤモヤを抱え始めるあたりで、もうね。
物語の最終盤では、
・彩花が再び結斗たちのところへ戻ってきた理由
・彩花が妙に倹約をしようとしていた理由
・結斗が幼少期に自宅療養を続けていた理由
・澪が水泳を始めた理由
などなど、いろいろなバックボーンが明らかにされていきます。
その辺も注目して下さい。
え。
御子柴は誰贔屓か、って?
……そんなん決められるかよ(涙
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