読んだ小説を褒めながら紹介するnote ~『フラれてから始まるラブコメ』篇~
端的なタイトル。
書影、著者情報など。
\どーん/
美少女3人……と、左下の割れている部分が気になるデザインですが。
素晴らしいですね。
この表紙、1枚絵でこの小説作品がしっかり説明されてます。
イラストはきのこ姫先生。
著者は金木 犀先生。
当然ながら、由来はキンモクセイですね。
道民の私にとってはまったくもって馴染がないモノですが、それはさておき。
本作はWeb公開作品の書籍化。
第5回カクヨムWeb小説コンテスト(2019.12-2020.02 開催)のラブコメ部門の特別賞受賞作品となっております。
だいぶ第5回の受賞作の出版も増えてきてますね。
第6回の受賞作も先頃発表されてますので、そちらからの出版も楽しみなところ。
『フラれてから始まるラブコメ』とは。
主人公・田崎春人は高2の春を迎える直前に、付き合っていた彼女・紺野千尋にフラれる。
薄々ふたりきりを避けられていることも察していたが、あっさりと別れを告げられ、結局春休みは物理的にもバーチャル的にも引きこもった挙げ句、仮面を1枚脱ぎ捨てることにした。
それは『無理矢理演じていた陽キャの仮面』。
陽キャの集団の、その頂点に君臨するような紺野の隣に立つ上で違和感がないように無理をしていた必要もなくなり、ある種の高校デビューの結果だった仮面を脱ぎ捨てた春人は、髪を適度に切って黒に染め直し、中学校の頃に使っていたメガネに戻した。
さて、春休みからはただただ空気のように周囲に自分を溶かし込んで生きていこうと、そう誓ったはずの春人だったわけだが。
――そうは問屋が卸さないわけです。
「放課後、屋上で待ってるから」
(『フラれてから始まるラブコメ』 p.14 より)
そう言ってきたのは、桐ヶ谷あかり。
昨年から引き続き同じクラス。学級委員。才色兼備。
要するに、高嶺の花タイプ。
屋上への呼び出しって、つまり『そういうこと』か。
でも、そんなまさか。
そもそも大した面識があるわけでもない、2年連続クラスメイトになるだけの関係だ――。
そう思っていたのはどうやら春人だけだったらしく、桐ヶ谷は春人に告白をする。
有名人である紺野千尋にフラれたばかりなのももちろん知っていた桐ヶ谷は、そのタイミングでアプローチをかけてきた、という話らしい。
ただ、フラれたばかりで恋をする気をあまり持てない春人は、その告白を保留し、「まずは友達から」を持ちかける。
桐ヶ谷はそれを(若干渋々ながらも)承諾しつつ、『何もしないわけでは無い』=アプローチ継続宣言をするわけだけれども。
その後、何故か(春人には訳がわからなかった、というだけの話だけど)自分を探している紺野を見かけ、そこからの『逃亡』を手助けしてくれた林 夢と、ほんのり親密になったり。
紺野から逃げ回っていることを咎め、『きちんと話をしろ』と伝えてきた紺野の親友である高坂朱理花との邂逅があったりとか。
要するに「何故だか、フラれてから、妙に女の子の影がちらつきはじめる」、そんなお話になっています。
推しポイント。
ラブコメ――と言いつつも。
いや、もちろんラブコメしい部分は当然ありますよ。
看板には偽りはない――――――はずです。
ただ、メインは『青春』です。
群像劇とも、また違うんですが。
とある高校生男子の恋をベースにおいた青春物語、と見てもらうのがいい気がします。
作者後書きにして、先生も「ラブコメ成分やや薄め」と書いていますのでね。
どうして似非陽キャを演じていたのかというと、中学時代をかなり後ろ暗い結末で終えてしまったという過去に原因があるのだ、とか。
結局のところ、春人が紺野にフラれた原因は何だったのか、とか。
どうしてそこまで桐ヶ谷は春人にご執心なのか、とか。
どうして林は春人と紺野を引き放すようなことをしたのか、とか。
どうしてそこまでして高坂は春人と紺野を引き合わせるようなことを言うのか、とか。
春人の周囲に渦巻く「Why」、これを探っていく面白さがあると思います。
いかにも青春です。謎だらけですよね、青春って。
美味しいです、青春。
最後に。
とりあえず、本作関係者の皆々様におかれましては。
今すぐ続篇をお願い致したく思うわけでございましてね。
こいつらがどういう青春を選ぶのか、見てみたいじゃないですか。
待ってますよ。
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