読んだ小説を褒めながら紹介するnote ~『クラスの大嫌いな女子と結婚することになった。』篇~
お若いのに大変ねえ。
そんなお話。
書影・著作者紹介。
\どーん/
婚姻届が出てくる表紙も珍しいですが、ツンデレ風味のある彼女の表情もまた良い。
イラスト担当は成海七海先生。
キャラクター原案はもすこんぶ先生です。
文章担当、というか原作者は天乃聖樹先生。
他作品には『ノラネコ彼女を餌付けしたい』シリーズや、『可愛い女の子に攻略されるのは好きですか?』シリーズがあります。
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『クラスの大嫌いな女子と結婚することになった。』 #とは
主人公は高校生の男の子・北条才人《ほうじょう・さいと》。
けっこうイイトコのボンボン。
才人の祖父はひとりで会社を立て直しそのまま一大勢力を作り上げた、経営の成功者ではあるものの、それ相応に破天荒な一面を見せるジイさま。自分の呼び出しから才人が逃亡しよう物なら、ヘリコプターを飛ばしてでも捕まえそうな勢いのあるお人らしい。
それに引き換え才人はというと、全く以てそういう性格ではなく、むしろ「怠惰」という言葉を具現化したようないい加減なヤツ。――やれやれ型主人公ですかね。
そういういい加減なナマケモノであるので、各クラスにひとりは何故か生息しているような典型的「学級委員長的性格の女子」には嫌われています。
才人のクラスにおける「そういう存在」であるのが、桜森朱音《さくらもり・あかね》。
才人と朱音は、本当にいつでも喧嘩してます。
朱音の親友である石倉陽鞠《いしくら・ひまり》や、才人の従妹である北条糸青《ほうじょう・しせい》にも軽く呆れられるほどで――
陽鞠が口元に指を添えて考える。
「でもさー、ここまでしょっちゅう絡むってことは、実は朱音って才人くんのこと気になってたり?」
朱音が頬を上気させる。
「は、はあ!? あり得ないわ! たとえ世界に才人以外の男がいなくなったとしても、コイツとだけは付き合わないわ!」
あまりにもはっきりと言われ、才人はカチンと来る。
「それはこっちの台詞だ! たとえ世界が引っ繰り返っても、お前とだけは付き合わない!」
朱音と才人は互いにそっぽを向いた。
※『クラスの大嫌いな女子と結婚することになった。』 p.19より
あるある。
こういう腐れ縁的な関係性。
それにしても、一切の怠惰を許さない女子って一定数居ますよね。
あれって本当に何なんでしょうか。
まぁ、この数時間後、このふたり、結婚する羽目になるんですけどね。
ページ数にして、たった10ページ後です。
人生、何が起きるか解りませんね。
しかし、ふたりは何故こんなことに?
実は、才人の祖父と朱音の祖母が旧知の仲。
――というか、かなり親密な、相思相愛の仲だったそうで。
結局いろいろあって(才人の祖父には許嫁もいたりして)ふたりは結ばれなかったものの、双方連れ合いが亡くなった現状、ふたりで『第2の青春』を謳歌しているそうだが……(才人&朱音曰く「そんなものは聞きたくなかった」。ごもっとも)。
そしてそんなふたりの共通認識として、『もし最初から結ばれていれば……』というのがあるらしい。
そして、それはきっと最高の人生になったはずだ、とも思うわけで。
で。
それを、孫に成就させたい、と。
これが、才人と朱音が結婚させられる理由です。
んー!
そういうのは要らないね!
典型的余計なお世話!
実は他にも理由があって、朱音の夢を達成するため、というのもあるのですが、しばらくの間才人には伏せられたままになります。
才人の方も、跡継ぎとして振る舞えないお前が今のような態度を続けるのなら、会社をその辺に居る野良犬にでも継がせる、などと祖父に言われ。
最終的には、この荒唐無稽な提案を呑むことになり、挙げ句の果てにはいきなり新居を与えられ同居をすることになります。
ここまで50ページです。
急展開にも程がある!
ということで本作は、そんな傍迷惑な結婚生活をさせられることになってしまった、犬猿の仲の高校生同士が織りなすラブコメディです。
推しポイント。
そりゃもう、ツンデレですよ。
お互いの。
お互いのツンデレです。
ええ、お互いですよ。
朱音だけじゃなくて、才人も、なかなか良い勝負の不器用さを持っていますのでね。
そりゃあ、傍目から見ればツンデレです。
立派なツンデレです。
……まぁ、デレ、なのか?
書いててちょっと自信なくなりましたが。
最初の内は本当に学校生活の延長線上にあるような喧嘩を家庭内でもしていましたが。
少し潮目が変わったのは、朱音がキッチンのあらゆる格納場所を見たときでしょうかね。
冷蔵庫の中は野菜ジュース。食器棚の奥にはカップ麺。
そしておもむろにプロテインをシェイカーで作って飲み始める才人。
いわば「ダメだコイツ、早く何とかしないと」状態になった朱音。
冷静に考えます。
――「コイツをこのまま放っておいたら死にかねない。死んだら結婚生活は水泡に帰す。つまり、『結婚の報酬』も無くなってしまう」
結果。
朱音は手料理を才人に食べさせる道を選ぶ。
もう。
何なの君たちは、と。
これを「新手のツンデレーション」と言わずに何と言おうか。
その後。
食わせた手料理に対する言葉がどうとか。
洗濯物の管理がどうとか。
ゲームの最中にどうとか。
まぁ、いろんなところで衝突を繰り返す物の、それぞれの祖父・祖母から提示された任務を熟すためという名目の元、互いの生活を摺り合わせていくんですが。
その中で、ふたりがそれぞれで、今まで見ようともしてこなかった「互いの良いところ」を見つけ始めちゃうんですよね。
あー、カワイイ。
続刊のお知らせ。
既刊は2巻です。
そして、本日(2021年8月25日)付けで3巻がリリースされます。
※当然ですが、北海道には未入荷です。コレホントいい加減にして。
ぜひ。
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