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読んだ小説を褒めながら紹介するnote ~『クラスのぼっちギャルをお持ち帰りして清楚系美人にしてやった話』篇~

 してやった、というか何というか。
 しかし、どこまでネタばらししてイイものか。
 さすがに裏表紙とかに書かれてない部分を書くのもどうかと思うけど、ぶっちゃけけっこう早いタイミングでネタばらしされているので、この辺のさじ加減がえらく難しいところ。


書影など。

\どーん/

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 おふっ(致命傷)。
 ビフォーもアフターも、どっちも好き(恒例の語彙力喪失)。
 ということで、イラスト担当は magako 先生
 ……あ、『経験済み彼女』も担当されてますね。

 著者は柚本ゆずもと悠斗はると先生
 GA文庫では5シリーズ目。

 キャラクター原案はあさぎ屋先生が担当しています。

 ここのアドレス的には、略称的なモノは『ぼっちギャル』でいいのかしらん。 


『クラスのぼっちギャルをお持ち帰りして清楚系美人にしてやった話』とは。


 申し訳ないです、さきに断っておきます。

 今回の紹介記事、いつもの記事と比べれば幾許かネタバレが多いかもしれません。
 推しポイントなどを書く上でも必要な項目が含まれている故、どうしても書いておかないと説明が繋がらないモノで……。
 それを含めての紹介になります。

 物語の主人公は高校生男子、明護あかもり あきら
 家庭の事情により一人暮らし。なお、家族構成は、いわゆる転勤族である父と母、そして中学3年生の妹——名前は日和ひより

 季節は紫陽花も見頃を迎えた6月上旬。
 学校帰りにスーパーへ立ち寄り食材やらを購入した、その帰り道にあった公園のベンチに、雨降りだというのに傘もささず座っている人影を、彼は見つける。
 その人影を、晃は知っていた。
 名前は、五月女そうとめ あおい

 見た目は、いわゆるギャル系。
 派手な金髪ロングで、学校もサボリ気味。
 ギャル同士で連むということもなく、孤高の一匹狼型。
 ゆえに、周辺に他人の姿は無いタイプ。

 しかし、雨に濡れそぼる少女を見捨てることはできなかった晃は、意を決して彼女に声をかける。
 その光景は、幼少期に自分が見たモノに似ていた気がしつつの、声かけだった。
 葵は一応晃が同級生であることを知っていて、それに対する返しが――

 ――「……私、家がないの」

 愕然としつつも、晃はこう告げる。

 ――「よかったらうちに来る?」


 そうして家に葵を連れ帰ってきた晃は、彼女から事の顛末を聞く。

 曰く、小さい頃に両親が離婚し母親といっしょに暮らしていた。
 曰く、高校に上がってからは家計を助けるために学校もあまり行かずにバイトをして生活費の足しにしようとしていた。
 そして曰く、数日前にバイトから帰ったら、母親は書き置きを残して交際中の男と消えた。

 がーっと熱くなりそうな自分の頭を何とか空冷でクールダウンさせながらも、晃は行く宛てがないのならウチで暮らせばいいと告げる。
 当然、申し訳なさからそれを固辞しようとする葵だったが、どうにか交渉は成功。晴れて明護家には久方ぶりにふたりがひとつ屋根の下に暮らすことになった。


 後日、葵の普段着を買いに行った際に、実は「ギャル系」ではなくいわゆる「清楚系」の方が好きだったり、あのキンキンの金髪はかの母親が染髪をするときに一緒にやろうと言われてやっただけであってそこまで派手になるとも思っていなかったということを知り――。

 ――あっという間に、清楚系美人・五月女葵が出来上がり

 その直後に遭遇してしまった親しい同級生カップルに、高2の春を迎えるまでに五月女葵をクラスに馴染ませたいことと、実は高2になったら今の高校を辞め他の学校へ編入――転校をする予定になっていることを告げる。 

 そんな辺りのネタバレも含めた上で、これが「タイムリミットを設けた、少年と少女のひとつ屋根の下な物語」のプロローグ的な部分になります。



推しポイント。

 最初は、何かしらの弱みを握って女の子を『作り替えた』のかと思ってたんですよねー。ラブコメ的な感じで。

 高2の春をタイムリミットにする件と、ぽろりと書かれた幼少期の記憶の件で、私の中で大きく印象が変わった話でした。
 本作はセツナ系ライト文芸寄りな恋愛ライトノベルです。
 ラブコメ好きな私ではありますが、こういうのも好きです。
 なにせ、読んだラノベを褒めながら紹介するシリーズの第1回目は、まさにその路線の話(『あなたのことを、嫌いになるから』)ですからね。

 ま、晃の妹・日和がなかなかに強烈なキャラだったりするし。
 件の同級生カップルもシロップかけすぎだし。
 ラノベらしさはもちろんあるんですけども。
 それはあくまでもアクセントのひとつ。
 塩キャラメルの塩みたいなモノです。
 ……あれ、喩えがあまり美味しく……じゃなかった、ウマくないですね。

 永劫の別れでは無いものの、実はこうしてリミットがあるラブストーリーって、背後にどこか哀しい色が漂っていて、好きなんですよ。
 私みたいな好みの人はとくに、ぜひお手に取っていただきたく。


続刊のおしらせ。

 2021年12月に第2巻が刊行予定です。
 ぜひ。

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