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読んだ小説を褒めながら紹介するnote ~『男女の友情は成立する? \いや、しないっ!!/』篇~


書影と、軽い紹介から。

\どーん/

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 あっらま、カワイイ。
 彼女が本作の……えーっと、どう言ったらいいものか。
 ……とりあえず、このイラストを担当したのは Parum 先生であることは記しておきます。

 著者は七菜なな《ななな・なな》先生。
 電撃の新文芸ではシリーズを出されていますが、電撃文庫には初進出となるのが本作です。

 ちなみに、第1巻となる本書にはサブタイトルがあります。

『Flag 1. じゃあ、30になっても独身だったらアタシにしときなよ?』

 お、おお?
 いったいどういう意味でしょうか?
 さっそく本シリーズの概要を読み取っていきましょう。

 ちなみに略称は『#だんじょる』です。
 だんじょるのー!(※イミフ


『男女の友情は成立する? \いや、しないっ!!/』の序章

 主人公は高校2年生男子、夏目悠宇《なつめ・ゆう》
 花をこよなく愛する子で、フラワーアクセサリーのクリエイターを目指していますが、これには理由が。

 中学のとき、悠宇は学校祭で所属していた科学部の活動のひとつとして、ある販売ノルマの下で自作のアクセサリーを売っていました。
 このノルマというのが、『100個』。
 フラワーアクセの店をやりたいから中学卒業とともに就職して貯蓄がしたいと親に言った悠宇がその両親から課された条件であり、つまりは『できやしないだろう』ということで設定されたライン。
 ところが、とある女子の暗躍によって達成されてしまったというのが、この物語の序章です。

 この女子というのが、この学校ではかなりの有名人である犬塚日葵《いぬづか・ひまり》。付いている二つ名は『魔性の女』
 何でも、あらゆる人間を手玉に取るとか。
 実家は古くから続く大地主だとか。
 祖父は元国会議員で、父は外交官だとか。
 ふたりの年が離れた兄も、それぞれ地方議員だとか、役場の出世頭とか。
 そして彼女自身も、芸能事務所からスカウトされるくらいにはカワイイ。 
 まぁ、つよい。

 そんな彼女が、何だか凄まじい人脈なんかも駆使しながらも、そして本人は一切その恩を着せるようなことも言わずに、そのノルマ達成を手伝ってくれたわけで。

 お礼として、そして打ち上げのようなモノとして入ったファストフード店で話をすると――。

「やろーよ。フラワーアクセの専門ショップ。アタシも手伝う」

(『男女の友情は成立する? \いや、しないっ!!/』 Flag 1. じゃあ、30になっても独身だったらアタシにしときなよ? p.26より)

 何を言ってるんだ?
 そう思っていると――。

「いや、俺の何を知ってんだよ……」
 キランッと目が光った。
 むしろ聞かれるのを待ってたましたとばかりに語り出す。
「園芸部がなくなってから放置されてる裏庭の花壇で、夏目くんが毎日お花の世話してるの知ってるよ。あのアクセって、素材からお手製なんだよねー」
 図星だった。
 さらに日葵は、俺の黒歴史を暴露していく。
「全部のお花に名前つけてるのも知ってる。文化祭の準備するとき、一本ずつ切り取りながら号泣してたなー」
「み、見てたの?」

(『男女の友情は成立する? \いや、しないっ!!/』 Flag 1. じゃあ、30になっても独身だったらアタシにしときなよ? p.26-27より)

 あれよあれよと晒されていく悠宇の「お花愛」。
 で、そういう姿と悠宇の現状を見て、お兄さんに対して『一生のお願い』と発動させた結果が『完売』だったという。
 そして、その『責任』を取ってほしいという日葵

 どうすればいいのかと悠宇が問えば、『瞳を頂戴』などと言い放つ日葵。
 さらにその真意を訊ねると、彼女はこう返した。

「お花アクセ作ってるときの、夏目くんの瞳が好き。アクセへの情熱でキラキラ輝くんだよ。まっすぐで、すごく綺麗」

~中略~

「だから、その情熱の瞳をアタシだけに見せて? 独占させて? そしたら、アタシはきみのアクセをいくらでも売ってあげる。……そういう運命共同体《しんゆう》になろ?」

(『男女の友情は成立する? \いや、しないっ!!/』 Flag 1. じゃあ、30になっても独身だったらアタシにしときなよ? p.29より)

 斯くして日葵と悠宇は『運命共同体』と書いて『しんゆう』という間柄になったわけですが――――――。


 ――これが、ある種の『呪いの言葉』となるのが、このお話なのです。


彼らのそれからと、推しポイント。

 実は、男女間の親友関係は、その間で日葵がそれなりに男の子と付き合ってすぐ別れを繰り返しながらも、この後2年間――つまりふたりが高2になるまで、意外にも平穏無事に続きます。

 ま、要するに、高2でそうも行かなくなってしまうわけです。

 事の発端は、ある意味そうなるのも必然だけど、悠宇が作ったアクセサリー。
 悠宇がアクセサリーを売っていたあの学校祭で買ったモノが壊れてしまい、それを直してほしいという話が舞い込んでくる。
 実はその依頼が来るちょっと前に、その持ち主さんとは既に出会っていて、――まぁ、あまり芳しい出逢いをしていなかったわけですが。
 どうもその依頼者である榎本凜音《えのもと・りおん》と名乗った彼女はおとなしめの性格で、悠宇に対して人見知りしてしまったという話なのだけども。そして、悠宇もまたビビリなわけだけども。
 とはいえ、悠宇の数少ない男友達の幼なじみでもあるという彼女の依頼を断る理由がないので悠宇は修理をしてあげるわけなのですが――――。

 ここで、物語が動き出すのです。
 もちろん、日葵が予想しなかった方向に。

 日葵とふたりになったときに、凜音がやたらと『悠宇と付き合っているわけじゃないのか?』と訊いてくるのが、ある意味スタートの合図だったのでしょう。

 その後、日葵は大きく分けてふたつの事実を知ることになります。

 一つ目として、凜音は、真剣なものづくりをする悠宇のことを、ひとりの男の子として気になっていること。 
 二つ目として、凜音は、悠宇にとっての初恋の人であるということもわかった。

 そうすると、親友としてこのふたりの恋――だと思われるモノを応援しに走るわけですが。
 ――何故だか、自分の心が軋み始めるんですよ。


 ――ということで。

 奥手な恋心と、負けヒロインになりかけの少女の奮闘が推しポイントになります。



ところで。

 実際のトコロ、男女間の友情って、どうなんですかね?


続刊のお知らせ。

 2021年9月現在、第3巻まで刊行済みです。
 もちろん買ってます。
 ……というか、この第3巻発売に合わせて第1巻から通しで購入した次第です。



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御子柴 流歌
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