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過去の日記転載シリーズ

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2006年ごろから2011年頃までの過去の日記をまとめています
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記事一覧

下手くそなギターのようにかき鳴らします新年の挨拶、あけまして、どうもおめでとうございます。

2023年も10日も経ってしまいましたが、ようやく学校その他が動き出したので私の正月は今あけた気分です。 好きな漫画をイチから読み直して、気に入ったドラマを何回も見て、娘に教えてもらった曲を歌って、大変ゴージャスな時間を過ごしたお正月。なんてったってこの1年ほど1.5倍速で聞くのが当たり前になっていたポッドキャストを一旦やめて、普通の倍速でカルチャーを摂取したのがどう考えてもゴージャス。 年末フィクションに囲まれて過ごしたからか、元旦の朝は自分の内面がふわふわした言葉にな

「音楽」にみる 2009年1月14日

三島由紀夫の「音楽」を読んだ。 今朝方まで椎名誠を読んでおり、昼に逢坂剛を読んだ私は、三島由紀夫を読む頃には 一日に天国から地獄に落ちたような、それぐらいの急激な変化を受けた。 椎名と逢坂は同時期に生まれているにもかかわらず、 それこそ天と地ほどの性質の違いがある。 が、どちらも私のこころにとてもひびくものがあり どちらかというと三島はそのどろどろとした文体で 真実のものをありのままに描いており 椎名誠の日記のように簡潔でさっぱりとした文体は、 実は私にとってはとても雲の

ドリンク 2007年12月12日

その瞬間、安堵が流れ込んだ。 安堵、とも、嬉しさ、ともとれないけれど、 ただその瞬間、涙が止まらなくなった。 自分が怒っているのか、嬉しいのか、安心したのか、 わけが分からなかったけれど とにかく、人はみんな一人一人、抱えているものがあって でもそれは全部、つながっているということを 体全体で感じた。 どんなに頭で割り切ろうとしても割り切れないものが あるんだ。きっと。 浮かんだイメージは、喉に流れ込む液体。 私はそれをごくごくと飲む。 これだ、欲して

見えないドラマチック 2009年3月20日

ドラマチックには、見えるものと見えないものがあると思う。 見えないドラマチックは、こころのどこかにふたをしてあって だけどどうしても時々、あふれ出す。 ドラマチックだから、あふれ出さずにはいられないときがある。 それは時々病的で、不健全で、もろくて危うい。 見えるドラマチックは、実にヘルシー。 好きなときに好きといえる、好きなものを好きといえる、 感動したときに叫べる、泣きたいときに泣ける。 健康的。                 * 天気がよくてあったかい日が続くと

特別な244049 2009年3月4日

24時40分49秒をさしたまま、時計が止まっている。 12時40分49秒でもいいんだろうけど、たぶん、 ほとんどたぶん、それは24時40分49秒だろうと思う。 とまったまま、時計が忘れられている。                    * 24時間の中のとある時間に、特別な感情をもつことがあります。 いや、特別な感情を持つ「時間」というものが 1日の中にいくつか、あるのです。 たとえば、6時50分。 小学校高学年のとき、その時間に家を出ないとバスに間に合わなかった。 だ

見当違いに愛を 2011年2月4日

今でも時々思い出してギュッと抱きしめたくなる 甘くて苦くて濃厚で それでいて とても見当違いな方向に向かっていた 愛の時代。 見当違いであることに気がついていなくて 盲目で でもだからこそとても愛おしい 甘い時間だった 一番私を甘えさせてくれた人たちのこと バランスをとりながら高いところを よろよろ歩いていると ちょっと手を貸してくれて それだけできゅんとなっていたけど きっと今では ムスコをだっこしながら歩いていて 少しバランスを崩したとしても 私よりムスコに誰もが手

ほんの少しの、水で 2009年02月24日

黄色いガーベラを買った。 ガーベラはピンクのイメージだったけど 今日はどうしても黄色いガーベラがよかった。 白い花瓶に刺すと、部屋は春の匂いになった。             * 春は、むこうがわから優しく包むようにやってくる 冬は、迫るようにやってくる 春は、雨が多くて、一雨ごとに暖かくなる 冬は、きんきんに晴れて澄んだ空気が突き刺すよう でもきっと、春も冬も、女の子だと思う。 季節はみんな、女の子だと思う。 私は9月生まれだけど、9月の通り雨のようだと、言われたこと

スラムドッグ 2009年5月9日

のどに詰まる片栗粉のように あたたかいベッドから キレイな部屋を見渡して 途切れるような息をして 声にならない叫びを押し殺し 空回る指先を泳がせる そうそれは片栗粉を食らうよう 野良猫と野良犬の違いは 野良猫はそれが自然体で 野良犬はそのまま狼になること スラムドッグ それは狼になりうる存在 だからミリオネアになれるのです スラムキャットか スラムドッグか どちらにもなりきれず 夜明けの青白い空の下で 腹いっぱいになったままくたばるのだけは ごめんだと そう思いながら ス

デイドリーム 2009年5月7日

あなたが悪いのよ あなたが悪いのよ ああ あなたが悪いのです どしゃぶりを食べてしまいたい ええ いっそのこと どしゃぶりなど食べてしまえばいいのです ぼくは ぼくの名前を知らない ただ春になったら顔を出し モンシロチョウとくすぐりあって そしてただ時がきたら 花を咲かせる ただそれだけ ああこれだから あなたは何も分かっちゃいない あなたが悪いのよ おいおい、おいおい ああ あなたが悪いのです どしゃぶりを食べて おひさまを抱きか

うつくしい人 2009年07月28日

汗をびっしょりかいて眠ったら お母さんが心配してくれた 心配してくれる人がいるのは嬉しくて ずっとずっと熱が出ていればいいと思った 自分の手足の感覚や動きがおとぎ話のようで まったくウソのような感覚 引っ越すなってことじゃないの、 と言いながら、とうとう寂しいことを認めたお母さんは ノースリーブのピンクのブラウスに 黒いネックレス、黒いパンプス 黒いネックレスなんて珍しいね? というと じいちゃんが昔買ってくれたのよ じいちゃん、とはてっきり自分の父親かと思ったら お父

空は空だけで 2009年4月30日

昨日言ったことはウソになり 今日言うことは戯言で 明日言わんとすることはきっとかなわぬ夢になる 「搾取する側とされる側、気味の悪い勝ち負けが明確にされた場所で、 自分の個性や判断力を埋没させている姿に貧しさは漂うのである。 必要以上になろうとして必要以下に映ってしまう、 そこにある東京の多くの姿が貧しく悲しいのである。」              (「東京タワー」リリー・フランキー) 必要以上になろうとして必要以下に映ってしまう。 それは醜く、悲しく、虚しいように 思ってし

約100年前の人が考えたこと 2006年2月8日

一冊の本を買いました。 倉田百三の「出家とその弟子」。 いつの時代も人間っていうのは同じものにとらわれて、 逃れられないようです。       ☆ ☆ ☆  人 間 「・・・(略)・・・無理に引っ張って崖のそばに行きました。  ・・・ああ危ない。・・・あっ」 顔覆いせる者 「わしをまっすぐに見ないものの陥る過ちじゃ。」  人 間   「私はあなたを認めています。あなたをまっすぐに見ています。  あなたの本体を知りたいと思っています。」 顔覆いせる者 「子猿の知識でな

流れ星 2009年1月4日

流れ星を見た。 たくさん、たくさん。 オリオン座の三つの星の一番上から ひゅんひゅんひゅんひゅん。 空がどこまでも、どこまでも広くって、 夜空には宝石をちりばめたように たくさんの星がきらきら。 そして、流れ星。 とめどなく流れる、流れ星。 あんなにたくさんの流れ星を見たのは、初めてだった。 何もかもが四角いお父さんと 小動物のようにくるくる動くお母さんと 酔っ払って絡んでくるおねいちゃんと 会うたびに泣き出してしまうおばあちゃんと お墓の中から静かに見守るおじいちゃ

一番泣いた日 2008年4月30日

涙はね。一生懸命生きてると、出るよね。 一生懸命生きてても辛いことがあるのってなんなんかな。 そういう人は不幸なんではなくて人生が豊かなんだと思うから。 収穫の多い人生なのですわ。 ----------------------------------------------------------------- <最近読んだ本> 「ポトスライムの船」 津村記久子 「悼む人」 天童荒太 「放課後のウォー・クライ」 上原小夜 「ガール」 奥田英朗 「100回泣くこと」 中村