「もののあわれ」
「もののあわれ」
ケン・リュウ著
「紙の動物園」がよかったので、もう一冊、ケン・リュウ作品を読んでみようと思い本書を手に取った。
中国人SF作品に興味をもつすべてのひとにお勧めの一冊ということになろうか?。
著者は、アメリカ合衆国の小説家、翻訳家である。SF作品を得意とし、数々の賞を受賞している。中国系アメリカ人。1976年、中華人民共和国の蘭州に生まれる。8歳(11歳という説あり[1])の時、両親とともにアメリカ合衆国に渡り、以後はカリフォルニア州のパロアルトで育つ。後、さらにコネチカット州のウォーターフォードに移る。ハーバード大学に入学し、法律を専門に学ぶ。ロースクールを出て、法務博士号を取得し、卒業後は弁護士、コンピュータープログラマー、中国語書籍の翻訳者として働きながら、文筆活動を行っていた。
短編小説が8編収録されているが、SFらしい作品が多く、おそらくメインテーマは生と死、永遠の命と有限の命、シンギュラリティとでもいおうか。。
「もののあわれ」:家族愛と犠牲
「潮汐」:家族
「どこかまったく別な場所でトナカイの大群が」:設定がなかなかぶっ飛んでいて面白いと思った。現代人は古代人扱い。。実態を持たない永遠の世界に住む子供たちと有限の命を全うする古代人である母、、、20次元に生きるお父さん。。けっこう気に入っている。。
「円弧(アーク)」:映画化された作品。。永遠の命がテーマ
「波」:なかなか、想像を超えたはなしなのだけど、、永遠の命を選択できる中、限りある命の意義みたいな。。考えさせられる内容だ。
「良い狩りを」:他の作品と若干趣が異なるが、、シンギュラリティと生身の人間をテーマにかかれている。。
肉体を持たなくても存在できるのかもしれない。。という気持ちにさせてくれる夢のある話に満足感というか、虚脱感というか、、そんなものが味わえる一冊。
参考書籍
「紙の動物園」
「生まれ変わり」
「あなたの人生の物語」
「息吹」
「三体」
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