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「フランス人は「老い」を愛する」
「60歳からを楽しむ生き方 フランス人は「老い」を愛する」
賀来弓月著
著者は、愛知県生まれ。1960年名古屋大学法学部在学中に外交官上級試験に合格。1961年外務省入省、オックスフォード大学修士課程に留学(国際関係論、国際法、EC法専攻)。在英国日本国大使館、在ジュネーブ政府代表部、在ブラジル日本国大使館、在ニューヨーク日本国総領事館勤務を経て、外務省経済局国際経済第一課長、在デンマーク日本国大使館参事官、防衛庁防衛研究所、在イタリア日本国大使館公使、国際農業開発基金(IFAD)日本政府代表理事、在ブラジル日本国大使館公使、在ウィニペグ総領事、在アメリカ合衆国日本国大使館公使、1992-1994年東西センター(米議会設置シンクタンク)客員上席研究員兼所長特別顧問、在マドラス総領事、ボンベイ総領事。
『フランス人は「老い」を愛する』とはどういうことなのだろうか?
老いたくないからアンチエイジングなのではないか?と思いながら、読んでみた。
私も50過ぎているが、想定される読者層は40代以上だろうか?新社会人にもよい勉強になるかもしれない。。
フランスはラテンの血が流れているから、明るい生き方がベースにあるのだと思う。それで、具体的なコツが書かれていて面白い。
カフカは「幸福は老いを忘れさせる」と言う
1.高齢期は自分の置かれた幸福を改めて実感するときなのだ。
「人間の本質的な幸せは、実は自分の足元にあるのかもしれません」
「死ぬまで誰かを愛し誰かに愛されているという心の充実感があれば、高齢期はもっと幸せなものになるに違いありません」
2.まだこんな歳なのだから、おしゃれに、新しいことにも興味を持ち、学び続ける姿勢がだいじなのだ。
「人生は美しい」こころの持ち方次第で、人は誰もが、その美しさを最後まで紡ぎだすことができる」
「人は学ぶ能力を失ったときに老いが始まる」
「無関心は挫折の始まりである」
「人生を思いっきり楽しもう」
3.印象に残ったことば
「第一に、「 La vie est belle」という言葉です。日本語に直訳すると「人生は美しい」ですが、フランスの高齢者たちは、「人生を美しいものにしよう」と自分たちを鼓舞する呼びかけにも使っています。 第二に、「一番よいスープができるのは古い鍋の中である」( C' est dans les vieux pots qu' on fait la meilleure soupe)という老いを賛美、自負するフランスの諺です。
第三に、「古いかまどは新しいかまどよりも温めやすい」( Un vieux four est plus aisé à chauffer qu' un neuf)という諺。これも古い鍋の諺と同様、老いを誇るものです。
第四に、「絹地を裁断するのに古いはさみに優るものはない」( Il n' est rien comme les vieux ciseaux pour couper la soie)という諺。高齢者の人生経験は、繊細さを要するあらゆる仕事をするときに、最も効果的な道具になるという意味です。高齢期を生きていく人たちの長い間の経験に基づく優れた感覚や才能を賞賛する諺です。」
著者は、定年退職後、フランスで老人ホームのボランティアを10年近くやっていたのだという。ボランティアを通して、明るく、前向きなフランス人の老人たちと関わって強く影響を受けたようだ。
「私はあるとき、リヨンの老人ホームに住んでいたある老神父に「高齢期を実りと収穫の秋にするためには、高齢者はどんな生き方をすればよいのか」と尋ねたことがあります。神父は静かに語りました。「人生の秋の実りと収穫は、定年後の高齢期に最終的に達成できる人間としての成熟度です。現役時代にはあったかもしれない権力欲、名誉欲、虚栄心などから自分を完全に解放する。そして、『人を愛し、人に愛される』淡白で、謙虚で、善意に満ちた、心穏やかな人間になるようにつとめる。職場での競争や上下関係から解放される定年後には、それができるようになります。」
いま、アンチエイジングを取り上げた書籍が数多く発行されている。外見や気力がサプリやゲノム編集で戻ってくるならそれはそれでよいのだが、こころが老いてしまったらどうにもならない。。60歳を過ぎても楽しめる生き方を学んでみたいとふと思った。
#フランス人 # Lavieestbelle#賀来弓月#外交官