【読書ノート】『星の隨に』(『夜に星を放つ』より)
『星の隨に』(『夜に星を放つ』より)
窪美澄著
主人公(僕)は、小学4年生。中学受験のために塾に通う。
弟・海が、生まれて、僕は楽しい気持ちでいた。実は2年前から僕には、新しい母親・渚がいる。本当の母親は離婚してしまったため、離れて暮らしている。
キーワードを挙げてみる。
①ベガ
希望、純粋さを象徴する。また、人間の探究心や知識欲を喚起する象徴としても捉えられる。
②デネブ
高貴さや輝き、力強さを象徴する星とされている。また、デネブは移ろいや変化の中で輝き続ける姿から、持続性や不屈の精神を象徴する。
③アルタイル
切ない出会いや別れ、遠い存在との繋がりを象徴し、人々に愛や絆の大切さを思い起こさせる。
④東京大空襲
戦争における人間の苦しみや犠牲、破壊の本質を象徴する。戦争は人間の欲望、利益、権力争いによって引き起こされるものであり、その過程で多くの命が奪われ、無辜の人々が犠牲になるということ。
⑤三四郎
夏目漱石の小説『三四郎』の主人公の名前。三四郎は、自己の存在意義や社会との関わり方に悩み、自己実現や人間関係の複雑さに向き合う。
⑥パキラの木
「幸運」と「繁栄」を象徴する。特に、パキラの葉が手のひらに似ていることから、「幸せの手」とも呼ばれる。また、パキラの木は「癒し」と「バランス」を象徴する。
⑦「星の随に」
1.星々の運行や配置に従い、宇宙の秩序や自然の法則に従って生きることを指す。
2. 星々が流れるように変化し、移り変わる世界の中で自己を捉えず、その流れに身を委ねることを指す。
3.星々がそれぞれ役割を果たしているように、人間も自分自身の役割や使命を見つけ、それに向かって行動することが重要であるということを示す。
キーワードから見えてくること。
幸せになる為にひと生まれて来るのだけど、どういう訳だか、人生には紆余曲折が必ずある。自分の幸せを求めることは、間違っているわけではないのだけど、自分だけが幸せな世界は結局は不幸でしかない。他のひとの幸せの上に自分の幸せはあるのだということなのだと思った。
物語の主題は何か?
子供にとって、親の離婚は、不幸そのものだ。そんな子供であっても、ただ、生き続けてさえいれば、必ず幸せが、訪れるというのが人生だということ。
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