【読書記録】『虎に噛まれて』(『すべての月、すべての年』より)
『虎に噛まれて』(『すべての月、すべての年』より)
ルシア・ベルリン著
著者の自伝的な物語を集めた短編集。
主人公(私)は、シングルマザー。二人目の子供を宿したとき、クリスマスに親戚一同が集まる実家に戻ってきた。
キーワードを挙げてみる。
①「虎に噛まれる」
1. **危険と挑戦**: 虎はその力強さや野生性から、危険や挑戦を象徴する。虎に噛まれることは、人生における危険な状況や予測不可能な出来事を意味する。リスクを取ることや未知の領域に足を踏み入れることが持つ意義を示唆する。
2. **本能と理性**: 虎は野生の象徴であり、動物的本能を表す存在。虎に噛まれることは、人間の理性や道徳が本能に対峙する瞬間を示唆する。この観点からは、感情や本能と理性のバランスを探ることがテーマとなり、人間の存在や行動の根源的な動機を考えさせられる。
3. **痛みと成長**: 虎に噛まれる経験は、痛みや苦しみを伴う。苦しみや試練が個人の成長や自己理解にどのように寄与するかを考えさせられる。痛みを通じて人は学び、自己を深く理解することができるということ。
4. **自然との関係**: 虎は自然界の一部であり、自然の力や美しさを象徴します。虎に噛まれることは、人間が自然とどのように関わるべきか、また自然の摂理に逆らった場合にどのような結果が待っているかを考えさせる。
5. **恐怖と勇気**: 虎に噛まれるという状況は、恐怖を伴うものであり、同時に勇気を要する瞬間でもある。
6. **運命と宿命**: 虎に噛まれるという出来事は、運命や宿命に関連する象徴。ます。人生における予期しない出来事や、避けられない運命の一部として捉えることができ、自由意志と運命の関係を思い起こさせる。
②「Toda Luna, Todo Año」(タイトル『すべての月、すべての年』)
スペイン語で意味としては、人生のすべての側面や時間の中で、喜びや悲しみ、愛や苦しみなど、さまざまな経験が存在するということ。
③「ヌエバ・ボブラナ」
1. **新たな始まりと創造性**: 「ヌエバ」という言葉は「新しい」を意味し、変化や革新を象徴する。
2. **文化の融合**: 異なる文化の融合や交流を象徴する。文化的アイデンティティや多様性の重要性、異なる背景を持つ人々がどのように共生し、相互に影響を与え合うかについて考えさせる。
3. **食とコミュニティ**:食事は、共同体や家族の絆を強め、文化的な伝承を行う手段として重要な役割を果たす。
物語の主題は何か?
人生で遭遇する危機的な状況に対してとってきた選択によって、ひとは、成長し変化していく。
生きていく中でで遭遇する様々な喜び、悲しみ、愛、苦しみのすべての出来事を通して、人生の意味を見出すことが出来るのだと理解した。