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【読書ノート】『睡眠導入術』(『笑う月』より)

『睡眠導入術』(『笑う月』より)
安部公房著


本書は、著者が見た夢をテーマにしたエッセイ風の短編集であり、睡眠について興味深い視点や夢の意味について探求している。

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①睡眠の意味
アリストテレスは睡眠を「感覚が静まる状態」と定義し、人間の活動と休息のバランスを整えるために必要な要素であると述べた。

デカルトは身体と精神を分けて考え、睡眠中の意識の変化が身体と心の関係を表していると考えた。また、ベルクソンは時間と意識の関係に注目し、睡眠を特別な時間の状態と捉えた。これらの視点から、睡眠は単なる休息だけでなく、意識や生命にとって重要な要素であることが分かる。

②夢
個人が独自に見る物語であり、現実とは異なる世界を描いている。そして、夢は一時的な幻であり、現実とは異なる創造的な視点や新しい世界を提示する。また、夢は個人の内面から生まれる経験であり、現実とは異なる法則に従う。夢は自己の意識や体験を深く知る手助けとなる。

物語の主題は何か?
夢に意識を向けることの重要性。夢の世界は創造性に満ちた解放された空間であり、同時に内面の謎や脆弱さ、成長への願望を象徴する。睡眠中に見た夢を意識し、その意味やメッセージに耳を傾けることで、自己理解や内面の成長を促進することができるのだと理解した。

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