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#エッセイ部門

April in Paris  モツ煮と灰色ワイン

April in Paris モツ煮と灰色ワイン

Charlie Parker with Strings (1949)

「4月のパリ」。ジャズのアルト・サックスのチャーリー・パーカーが、小編成のオーケストラの弦楽器の伴奏をバックにスタンダード曲のメロディを吹くだけの企画。当時ヒットして、その後もずっとジャズファンにも愛された演奏。

メロディだけなのに、パーカーの演奏はなんとも自由自在に、フェイクやらオブリガートやらクロマティックに音符をひらひ

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天才児?たちとのロシアンリバー下り   (1/2)

天才児?たちとのロシアンリバー下り (1/2)

遠い、遠い、十代の頃の想い出。

年がばれてしまうが、80年代に高校生の交換留学でアメリカの田舎町に1年お世話になったときに参加した、不思議な週末のキャンプと川下りの想い出。

日記でもつけてたら、もう少し詳細を再現できるのかもしれないが、残念ながらそれは存在しない。日本の実家にいけば、どこかの押入れの箱にはいったアルバムに当時の写真とかがあるはずだが、それもコロナで今はかなわず。記憶は断片化され

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カラカスの地下鉄 エンメトロノセコメ

カラカスの地下鉄 エンメトロノセコメ

僕にとって人生で一番うまかったイタリアンは、本国イタリアでもなく、イタリア料理屋がしのぎを削るNYでもなく、そして、かなり水準の高い東京、でもなかった。それは、ベネズエラの首都カラカスのレストランだった。



1994年頃に、ベネズエラに出張で行ったときに、ベネズエラの取引先のアレンジで、カラカス市内のイタリアン・レストランで会食があり、メインにはオッソブッコを頼んだのだが、これがあまりにも美

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【短編】指から逃げていくカーソル  ユナイテッド便の思い出

【短編】指から逃げていくカーソル  ユナイテッド便の思い出

1年ほど前に書いた文章。

日本の祝日の最終日、一人都内の喫茶店で仕事をしているのだが、先週FBで駄文をほめられたのをいいことに、前から書き残しておこうかと思っていた「ユナイテッド航空での出会い三部作?」、その1を。

90年代前半だったか、マイレージが導入されたころ、日本から米国や中南米に出張する仕事をしていたので、自然とANAでもJALでもなく、ユナイテッドのマイレージ一筋。2017年にそれを

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