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淡く短絡的な願望

どう考えても陶芸家になりたい。


ロクロを回して、茶碗とかを作るんだ。
そんで作業場に何処からかやってきた野良猫とかを招いちゃって、肩の上に乗せちゃったりする陶芸家になりたい。

作業場の隣に建てた小さな古民家には、長閑やかに作品を並べて、少し開けた木枠の窓からは緑が揺れる澄んだ風を通して、肌から都会の喧騒を一切抜き去るんだ。

流石にどう考えても陶芸家になりたい。
ロクロとか回してみたい。

きっと不器用な私の茶碗は少し歪で格好はつかないんだけど、それをアートと呼ぶんだ。

愛を込めて、想いを込めて丁寧に、だけどこの世に一つという価値にほんの少しかまけた茶碗を作るんだ。

あぁ、東京は怖い。
今日も満員電車に蔓延る巨大なリュックサックは私の頬を叩いた。


あぁ、陶芸家になりたい。
さすがになりたい。

まずは陶芸体験に行ってみたい。
ロクロとか回してみたい。
電車に乗るのやめたい。

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