情報発信プロデューサーのるうたん

情報発信プロデューサーのるうたんです。20数年多くのジャンルで文章を書き、多くの文章も読んできました。このnoteでは、自分が読んだ本、鑑賞した映画などの感想を中心に情報を発信しています。少しでも多くの人たちにその良さをシェアできれば幸いです。

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最近の記事

書評 MORE from LESS: 資本主義は脱物質化する アンドリュー・マカフィー

「経済が成長すれば資源の消費量が増えるに決まっている」 「資本主義と技術が進歩し、社会が豊かになれば、自然環境はダメージを受ける」 ――産業革命以降、人間が繁栄すればするほど、地球を壊してしまうという予想が無批判に信じられてきた 本の表紙のそでに書かれた説明の始まりは、こう書かれているが、同書を読み進めていくうちに、こうしたイメージは過去の物で、時代はどんどんと進んでいくことが思い知らされることになる。 著者がキーワードとして掲げるのが、「希望の四騎士」。四騎士とは、テク

    • 書評 御成敗式目 鎌倉武士の法と生活  佐藤雄基

      御成敗式目といえば、歴史の授業で耳にしたことはあるが、詳しいことはあまり知らなかった。それが気になるワードになったのは、以前から拝読している池田信夫氏のブログで取り上げられたのがきっかけだ。 池田氏は、丸山眞男の「古層」や山本七平の「空気」といった日本人論にふれながら、このブログが書かれた時期に問題なった原発再稼働が、法的な力ではなく、当時の政治の要請にとって停止された問題を引き合いにしつつ、「御成敗式目」のような「法」がありながら、英国でマグナカルタが作られた1232年に

      • 書評 人口大逆転 高齢化、インフレの再来、不平等の縮小 チャールズ・グッドハート, マノジ・プラダン

        日本では、長らくデフレ脱却が政治の主要スローガンに掲げられ、物価目標も導入されたが、コロナやウクライナ侵攻を経て、資源価格の上昇も相まって、インフレへと転じている。直近の自民党総裁選や立憲民主党の代表選でも、物価高騰への対策が候補者から語られている。同書はコロナの直前にまとめられた本だが、著者たちによれば、そのコロナがインフレの到来を速めているとの見方を示す。 「デフレ、低金利の時代がついに終わる。インフレと金利上昇の時代が到来する。グローバル化のスピードはゆっくりとなり、

        • 書評 世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法 斉藤淳

          著者は、経済や政治に関する情報をSNSで発信しているので知っていたが、英語塾を開き、同書を出していることは手に取るまで知らなかった。米国のイェール大学で実際に教員として教えていた経験などをベースに、英語学習について、教示している。語彙力を増やすには、「絵」や「動画」で、実際の状況、場面をイメージすることや、スピーキングでは、発音記号をしっかり抑えることなどを説く。リーディングでは、興味のある分野でも良いので、まずは1冊何かを読んで、文章の流れを体験することに意味があるとしてい

          書評 死ぬこと以外かすり傷 箕輪厚介

          著者のことは、さまざまなメディアに登場しているので知っていたが、同書は読んだことがなかった。この本が出て、タイトルを目にした時に、インパクトがあるなあとの印象だったが、死ぬことは怖いが、それまでは何をやっても構わないといった内容なのかな、という感じだった。実際に読んでみると、本人の高校時代の海外旅行でのトラブルの話から、出版社に広告営業で入るも、そこから編集者人生が始まり、与沢翼の本を出したときには周囲の反対にあったりと、結構、さまざまな事態に出くわしてきたことがつづられてい

          書評 死ぬこと以外かすり傷 箕輪厚介

          書評 脱炭素化は地球を救うか 池田信夫

          著者はブログやXでの積極的な情報発信で知られる経済学者。同書は地球温暖化は認めたうえで、その原因を考え、対策の費用対効果を考える「温暖化対策懐疑論」のコンセプトのもと、人類の破滅をもたらす悲観論や、人間が気候を変えられる楽観論とは一線を画している。地球温暖化問題に予備知識のない人にもわかりやすい内容となっており、ページ数も169ページとまとまっている。 ネガティブに捉えられがちな、地球温暖化が農業生産の増加や寒さの死者が、暑さの死者の9倍である点を挙げて、そのメリットを強調

          書評 脱炭素化は地球を救うか 池田信夫

          書評 伝え方が9割 佐々木圭一

          2013年初版の本で、100万部を突破したベストセラーで、その後も版を重ね、続編やコミックも出ている。それだけ、人々はコミュニケーションをどのように円滑にできるようにすれば良いかを考えていて、強いニーズがあるのだろう。自分もその1人で同書を手にしたわけだが。著者はコピーライターで、仕事に就くまでは文章を書くのは苦手だったとのこと。そのなかで、編み出してきた伝え方を説いている。 同書では、伝え方にはシンプルな技術があると強調する。具体的な内容として、『「ノー」を「イエス」に変

          書評 伝え方が9割 佐々木圭一

          書評 50代にとって大切な17のこと 本田健

          著者といえば、ユダヤ人大富豪の教えが有名で、その後も多くの自己啓発本を世に放ち、最近はユーチューブでの動画配信も行っている。 今回、出された本は、著者の完全書下ろしかつ、年代別(20代・30代・40代も別途出版)に書かれた本で、小生は50代に入ったので、読んだ次第である。同書は22年初版で、50代を現在進行形で過ごしていた著者が、50代の読者に何を伝えられるかのコンセプトの下に書いたという。人生は下り坂に入ったとする一方、長寿社会になったなかでは、今が一番若いときだととらえ

          書評 50代にとって大切な17のこと 本田健

          書評 スマホだけ×顔出しなし 隠れYouTuberで毎月3万円を稼ぐ 木村博史

          副業が認められる時代のなかで、その1つとして注目されているのが、ユーチューブによる動画配信。同書では、副業として、月3万円の収益を稼ぐとのコンセプトのもと、その方法を伝授している。副業とはいえ、本業との兼ね合いなどによるリスクもあるので、「顔出し」をしないことや、お金をあまりかけずにできるように、スマートフォンだけで行う方法をまとめているのが、同書の特徴である。 著者は広告動画制作などを手掛けており、そのなかで培ってきた独自の理論と実践で、登録者と再生時間を増やす、テクニッ

          書評 スマホだけ×顔出しなし 隠れYouTuberで毎月3万円を稼ぐ 木村博史

          書評 平均4.2カ月で1万フォロワーを実現する プロ目線のインスタ運用法 石川侑輝

          最近、SNSの活用策について、調べるなかで手にした1冊。インスタグラムといえば、「映え」に代表される「個人」のメディアとして、受け止めて利用していたのだが、同書ではビジネスシーンでの活用に焦点を当てて、運用についてのノウハウをまとめている。ノウハウは、著者の300を超えるアカウントの運用、400万以上のフォロワー分析から、得た分析に基づいて得たデータから作られている。そして、PECTサイクルに基づき、4つの施策を行うことで、フォロワーの増加につながるとしている。PECTとは、

          書評 平均4.2カ月で1万フォロワーを実現する プロ目線のインスタ運用法 石川侑輝

          書評 邪悪に堕ちたGAFA ラナ・フォルーハー

          グーグル(Google)、アップル(Apple)、Facebook(フェイスブック)、アマゾン(Amazon)の頭文字を取って、米国の大手IT企業を「GAFA」と呼び、4社が世間に与える影響について、語られるようになってから久しい。4社が事実上、市場を独占し、利便性が大幅に向上した一方、弊害が語られることも多くなった。2000年代の初めのころは、「ウェブが世界を変える」といった言説が梅田望夫氏あたりが、まき散らしていたが、前澤友作氏の広告をめぐるFacebook改めメタの対応

          書評 邪悪に堕ちたGAFA ラナ・フォルーハー

          書評 我々はどこから来て、今どこにいるのか?  エマニュエル・トッド

          ホモ・サピエンスの誕生から米国における2016年の選挙におけるトランプ大統領誕生まで、人類史の全貌がわかるというのが、同書のキャッチコピーだが、その視点の1つが「家族」というキーワードだ。著者はフランスの人類学者で、過去にソ連崩壊や英国のEU離脱についても、予言したことで知られており、数々の著作を世に放っている。 上巻では、新しいと思われてきた「核家族」が最も原始的で、この原始的な核家族こそが、近代国家との親和性を持つことを明らかにし、「アングロサンがなぜ世界の覇権を握った

          書評 我々はどこから来て、今どこにいるのか?  エマニュエル・トッド

          書評 わかりたいあなたのための現代思想・入門 (別冊宝島 44)

          もう、30年以上も前になるが、小生が今は亡き編集系の専門学校に通っていた際、とにかく講師や同級生が、現代思想やサブカルチャー、歴史とやたら詳しい人が多く、すごく焦っていた。そのときに、役立ったのがガイドブック的な本で、特に参考になり読んでいたのが、別冊宝島のシリーズ本だった。正直、これらの領域を知って何になるんだ?ということが前提にあって、興味を惹かれることはなかったのだが、とはいえ、これを知らないのはマズいという気持ちのほか、周囲に遅れてはならないという気持ちが強く、まずは

          書評 わかりたいあなたのための現代思想・入門 (別冊宝島 44)

          書評 会社で働きながら6カ月で起業する――1万人を教えてわかった成功の黄金ルール 新井一

          著者の本は、以前にも読んだことがあり、会社に勤務しながら起業するスタイルを紹介し、自らフォーラムも主宰している。すでにフォーラムを通じて、1万人に起業のノウハウなどを伝えてきたという。2019年初版の同書では、教えた人たちの成功・失敗例を織り交ぜながら、起業のゴールを6カ月に区切りながら、それまでに必要な事項をまとめているのが特徴。 ネタの探し方や、プロモーションの方法、税金の扱い方など、起業に際してバラバラになりがちな事項を1冊にまとめているのが大きな特徴。何かしなくては

          書評 会社で働きながら6カ月で起業する――1万人を教えてわかった成功の黄金ルール 新井一

          書評 ヒトは〈家畜化〉して進化した ブライアン・ヘア 、ヴァネッサ・ウッズ

          タイトルだけを見ると、一瞬驚いてしまうが、訳者の藤原多伽夫によると、著者たちは、人間が野生動物を選抜して交配し、飼いならしていく過程を「家畜化」と呼ぶという。家畜化された動物にさまざまな変化が生じるなかで、その変化が自然淘汰を通じて起きた場合には、「自己家畜化」と呼ぶ。著物たちの考えでは、他者に対して友好的な振る舞う友好性が、自己家畜化で進化した、としている。 ヒトには「集団内の見知らぬ人」という社会的なカテゴリーがあり、一度も会ったことがない人でも、自分の仲間かどうかを見

          書評 ヒトは〈家畜化〉して進化した ブライアン・ヘア 、ヴァネッサ・ウッズ

          書評 0円起業 有薗隼人

          同書は2019年初版なので、当時とやや状況は変化しているが、今後の稼ぎ方や働き方といった考え方などはいまでも有効的である。著者はもともとネット広告会社の営業を経て、現在はウェブマーケティング会社を起業し、事業を展開している。著者が強調するのは、本のタイトルの導入にもなっているが、「働きながら小さく始めて大きく稼ぐ」ことである。すでに終身雇用が崩れて、副業解禁の流れとなっているが、なかなか世の中的にはまだまだ「会社」本位の考え方が強いのが実情。著者もこうした点を踏まえ、無理に辞