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Vol.9各種ハラスメントをアップデートしておこう【②マタニティ(パタニティ)ハラスメント】(よしいけの労災申請体験記)
こんにちは。よしいけ@名ばかり管理職です。
ご訪問ありがとうございます。
最近ではマタハラ・パタハラに関する訴訟や労災も、しばしば耳にするようになりました。
ハラスメントについては、防災と同じで、普段からの備えがだいじではないかと思っています。そのときはあまり興味がなくとも、目にいれておくだけで初動のきっかけになり、大難を小難に変えられることもありそうです。
私自身も調べていて勉強になりましたので、マタハラ・パタハラについて、もし興味が出てきたらおつきあいくださいませ。
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■1|マタハラ・パタハラ
妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントは以下の法律が根拠となります。
・男女雇用機会均等法第11条の三 ~ 妊娠・出産等に関するハラスメント対策(平成29年1月1日施行)
・育児・介護休業法第25条(平成29年1月1日施行)
指針に定められている事業主が講ずべき措置は、そのほとんどがセクシュアルハラスメントとかぶっています。
さもありなん。だって妊娠・出産に関する無神経な言動って、セクハラでもありますから。
「この時期に妊娠? はあ~(ため息)、もっと計画的にできなかったの?」
………とか。
ええ~っ……??! まずは「おめでとうございます」じゃないですかね?
ヒトとして…。
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パンフレットでもセクシュアルハラスメントと同時並行でチェックできますので、下記のURLを参考にしてください。
(厚生労働省)
職場におけるセクシュアルハラスメントや妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントを防止するために事業主が雇用管理上講ずべき措置
男性の育児参加が急ピッチ
注目すべきは、男性の育児参加が急ピッチですすめられているということです。
(厚生労働省)
育児・介護休業法 改正ポイントのご案内(令和4年4月1日から3段階で施行)(令和4年4月1日・令和4年10月1日・令和5年4月1日の3段階)
改正ポイントは5つあります。
1 雇用環境整備、個別の周知・意向確認の措置の義務化(令和4年4月1日施行)
2 有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和(令和4年4月1日施行)
3 産後パパ育休(出生時育児休業)の創設(令和4年10月1日施行)
4 育児休業の分割取得(令和4年10月1日施行)
5 育児休業取得状況の公表の義務化(令和5年4月1日施行)
男女とも仕事と育児を両立できるように、雇用環境整備などが改正されています。
窓口の設置義務や、それを労働者に周知する事業主の措置義務などについてはセクハラとおなじです。「…ん?」と思ったら、マタハラ・パタハラもためらわず窓口に相談してだいじょうぶです。
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■2|個別の周知・意向確認
私が実効的だな、と思ったのは、上記1「個別の周知・意向確認の措置の義務化」です。
会社は、本人または配偶者の妊娠・出産等を申し出た労働者に対して、育児休業制度等に関する制度の説明と、休業の取得意向の確認を、個別に行わなければなりません。
個別の周知・意向確認というのは、わかりやすくいえばこういうことです。
\ 育児休業制度について、何にも知らないでぼーっとしているヤツが絶対いるはずだから、呼び出して個別で教えてやれ。 /
私のように、制度に無知で無関心で、ぼーっとしている労働者がいることを、国は百も承知なんですね。
少子化対策と労働人口をどうにかしようと国も躍起です!
この部分、ちょっと画像を貼っておきます。
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「まさか育休とるの?」(←✕)ポジティブな意向確認でないとダメ
ちなみに「意向確認」とは、育休取得を妨げるような強制力があってはいけません。だって、ありがちですよね。こういうの。( ↓ )
「育休とれる制度があるんだけどさー。まさかアンタ、この忙しい時期にとらないよね?」
ブッブー!(✕) です。
正しいのはこちら。(〇)↓
「育休を取得できる制度があります。それはこれこれ~こういう内容です。この制度を利用することはあなたの当然の権利です」
このように肯定的な「個別の周知・意向確認」がなされなければいけません。
■3|ペロッと改正!~育児休業取得状況の公表義務が1000人超 → 300人超に拡大
もうひとつついでに、こちらもご紹介しておきます。改正情報です。
「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内(令和4年12月改定)」パンフレット中で、
「令和5年4月1日からこれを実施するね ♪」
と記載されていた育休取得状況の公表義務が、
\ 令和6年にはもうペロッと改正されていますよ!/
油断もスキもありません。
(厚生労働省)
育児・介護休業法、次世代育成支援対策推進法 改正ポイントのご案内(公布日:令和6年5月31)
① 柔軟な働き方を実現するための措置等が事業主の義務になります
② 所定外労働の制限(残業免除)の対象が拡大されます
③ 育児のためのテレワークの導入が努力義務化されます
④ 子の看護休暇が見直されます
⑤ 仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮が事業主の義務になります
⑥ 育児休業取得状況の公表義務が300人超の企業に拡大されます
⑦ 介護離職防止のための個別の周知・意向確認、 雇用環境整備等の措置が事業主の義務になります
画像貼っておきます。
令和5年4月1日施行で1000人超の企業といっていたものが…
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
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↓ ↓ ↓ ↓ ↓
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令和7年4月1日施行では300人超の企業に拡大されてるぅ!
\ いや、よい改定なので大歓迎ですけどね!/
このように改正がめまぐるしいので、旬の情報を得るクセづけが必要になってきます。
パートナーと協力して育児、就業できる制度が整いつつあるのはうれしい限りです。 自分にとって必要な情報がわかりやすく載っている最新情報を、取捨選択して取り入れていきたいものです。
むかしの話~産休・育休後にストレスでパワハラをするようになった社員
出産・育児だけでもハードモードなのに、細かい制度を理解し取り入れながら、そのうえ仕事もこなして…って、ほんとうに大変。
周囲がサポートできることは、できる限り協力したいものです。
むかしの話ですが、会社ではじめて産休・育休を取り職場復帰した女性社員がいました。ストレスがひどかったのでしょうか。やがて後輩にひどい八つ当たり、パワハラをするようになりました。結局その女性は処分をうけ、後輩は退職しました。
もちろん八つ当たりをする加害者が悪いのですが、今になって、もうすこし周囲にもできることがあったのかと考えてしまいます。
たとえば「育休1号として参考までに話を聞かせてよ」と、ランチミーティングの場を設けたり、「家事分担どんなカンジ? 背負いすぎちゃダメよ~」とガス抜きできるような質問をしたり。
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周囲のはたらきかけやすこしの配慮で、孤立させないような体制がつくれたのかもしれません。
産休・育休取得者は、負い目やひけめを感じている場合があります。思うように働けないストレスも多いでしょう。それを払しょくするための職場の雰囲気づくりというのはたいせつだよなーと、今になって痛感しています。
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さいごまでお読みいただきありがとうございました。
みなさまも、ストレスはじょうずにガス抜きしてお過ごしくださいませ。