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Vol.5会社に味方はいないと思え~だからこそ録音したい3つの証拠【よしいけの労災申請体験記】

こんにちは。よしいけ@名ばかり管理職です。
ご訪問ありがとうございます。 

不穏なタイトルですみません。

なぜこのような記事を紹介するかというと、労災申請する場合、最悪のケースも想定しておいたほうがメンタルも削られずに済むし、事務処理もなにかとスムーズにすすむからです。

もちろんこれは最悪のケースですので、信頼できる方が社内にいたら、しっかり頼って、相談するなり証言をお願いするなり、ご自身に負担のかからない方法で申請されるとよいと思います。
 

しかし現実問題として、会社側の視点でみると、退職してハラスメント労災申請してくる元社員など、ただの「敵」なんですよね。面倒な部外者。チームを乱してくる無頼漢。ただでさえ忙しいのに余計な仕事をふやしてくれた恩知らず。労災ゴロ。カス…………。
とりあえず、やっかいに思われていることだけは確かです。


私のいたブラック企業にも、わずかに善良な上司や同僚はいました。 

じゃあ、そういう人たちの証言を期待できるのでは?

会社組織においてはむずかしいかもしれません。
その理由を説明していきます。 


 

■1|会社内の味方を期待できない理由
 

これは私よしいけのケースなので、あくまで一例としてとらえてください。
 順に考察していきます。 


1-1良識人はハラスメントの現場を見ていない
 

ハラッサーというのは、基本、権威ある善良な人たちの前ではハラスメントをしません。とがめられる危険性を回避しているんですね。

例にもれず、私の味方になってくれそうな善良な上司は、暴力や怒声などの決定的なハラスメントを目撃していませんでした。

「見ていれば証言するけれど、実際には見ていないから証言できない…」

というのが実態です。


「よしいけさんから、ハラスメントを相談されたことはあります」

このような証言をしてくれるのが精いっぱい。
しかしVol.3で説明した通り、そのような伝聞証拠は労災において「死に証拠」にされるのです。
 



1-2目撃していた人は証言してくれない(会社からの圧力)
 

ハラスメントを目撃していても、会社からの圧力で証言してくれない場合が多いです。

今にして思えば、自社だけでなく、商業施設からの圧もかかっていたかもしれません。複合商業施設というのは、このように、会社 対 会社のパワー事情も絡んでくるので、よけいにややこしいんですね。

 複合商業施設の職場環境については、こちらで紹介しています。

 


1-3同調圧力と社会的報酬
 

日本人は特に同調圧力に弱いといわれています。
迎合することでコミュニティから承認されたり、評価が向上したりするなどの社会的報酬を得られます。

一方、同調しないことで、批判や排除などのリスクを背負います。
その不安を恐れるあまり、言動を多数派によせようとしてしまうのです。

そもそもブラック企業というのは社風そのものがハラスメント体質になっている場合が多いですよね。「ブラック派」でいることが報酬になってしまっているような。

 ブラックが多数派になっている社風。もう、ほんと嫌すぎます。

 


1-4情報不足によるもの

何がよいのか悪いのか、個人で的確な判断がむずかしい場合もあります。
情報量が欠如していると判断力がにぶります。

たとえば、

・ハラスメントの定義や形態がわからない
・もやっとする言動があったが、それがハラスメントだと認識できない
・認識はできているが、どうすべきかわからない
・ハラスメント職場環境が違法だと確信できない
・証言すると不利益取り扱いをされる、チームワークを乱してしまうと考える

 このような「情報不足」や「認知の歪み」には注意が必要です。 

情報や知識の不足

周囲の意見や行動を基準にする

黙認することで保身、給与という報酬を得る

ブラック同調圧力に拍車がかかる

 このように、よくない流れができてしまっています。

 


 ■2|だからこそ録音証拠が重要~【録音したい3つの証拠】

 

さて、上記のように、いざ労災申請するとなったら、証人を確保するのはなかなかむずかしいものです。 

・ハラスメントを証言してくれそうな良識人は現場を見ていない。

・ハラスメントを日常的に見ている情報不足のワーカーは証言をしてくれない。

まさに負のスパイラルです。
この場合、証拠は自分でゲットする必要があります。

労災で使えるような、録音したい内容について、以下に3つほどレクチャーしておきます。 


 2-1ハラッサーのリアルタイムの罵声

 
ひとつめ。
リアルタイムの罵声や怒声。
これが撮れれば一番効果的です。文句なしの証拠ですね。

 ただ、
「〇時に会議室で二人ミーティングだからな」

などのシチュエーションがあれば録音準備もしやすいですが、日常業務のなかでいきなり罵声が始まったとき、撮れ高がよいかどうかは運次第といえます。 


 2-2後日のハラッサーとの会話 

ふたつめ。
ハラスメント被害を受けたら、後日、自分からそれを話題に出して会話を録音しましょう。 

「すみません、〇日に××さんがおっしゃっていたお話ですが…」
「ああいうふうに怒鳴られてしまうと、かえって委縮してミスしてしまいそうです」
「実際、あれ以来、頭痛や胃痛に悩まされていまして…」

 

このようにして、ハラスメントが行われた事実を引き出して会話して、それを録音するのです。そして自分は心理的負荷を受け、業務遂行に悪影響が出ていると伝えましょう。

相手がすっとぼけたら、より具体的な罵声の内容を伝えて、「あのとき」を言語化しましょう。ハラッサーに抗議することで、さらなる〝追い罵声〟も期待できます。 

そう、今だけは罵声が欲しくて欲しくてたまらないのです。

 


 2-3ブラック環境を共有している同僚との会話
 

みっつめ。
ハラッサーの録音がむずかしい場合、効果的なのが同僚との会話です。
 

・ブラックな職場環境を共有している

・なおかつ比較的話しやすい同僚

このような同僚とのおしゃべりを録音することは、わりとハードルが低いのではないでしょうか。

 

既述のように、たしかにこの程度の録音では「死に証拠」にされる可能性はあります。
しかし、何もないよりはマシです。いくつかのビミョウな証拠が集まったとき、補強材料になるかもしれません。

会話の端々に、なるべく具体的な名前や日付をいれて、証拠となるような会話を成立させてください。

同僚との会話を録音することで、以下を証明することができます。 

・とにもかくにも、ハラスメントの事実があった。
・それを第三者も認識していた

 

同僚との会話録音は、退職後も確保可能な証拠となります。

連絡をとれるようにしておけば、カフェなどに呼び出して録音できます。
ハラッサーの罵声を録音するのに比べれば、メンタルもさほど削られないはずです。

 

同僚にもいろいろなタイプがいます。
なかには「いい人だなー」と思う同僚もいるでしょう。

しかし今「いい人」と感じている多くの同僚は、労災がスタートして労働基準監督署の調査がはいると、わりと会社側に忖度して虚偽証言をします。
これは再審査請求までいって初めてわかることです。証言書類を閲覧することができるからです。

加害者の声など決定的な証拠があればいいのですが、それもない場合、いずれ同僚との会話といった間接証拠が必要になってくるかもしれません。

そのときには、といめんで、サシで、ブラック環境を語り合えるような機会をもつとよいでしょう。

  

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最後までお読みいただきありがとうございました。

 

「社会保障を使いこなしてひと休み」をコンセプトに、これからも誰かの力になるような記事を書いていきますので、もしよろしければスキ・フォローいただけるとありがたいです。


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