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Vol.3【労災申請の前に】証拠をしっかり確保しておく~ハラスメントを録音できない7つの心理
こんにちは。よしいけ@名ばかり管理職です。
本記事では、ブラック環境下でうつ病になって労災申請する場合、音声証拠の重要性について述べていきます。
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■1|録音の重要性
ハラスメントで病んで労災申請する人へ。私よしいけから、声を大にしてお伝えしたいことがあります。それは、
「一に録音、二に録音!」
ここ、だいじなのでもう一度いいます。
「一に録音、二に録音!!」
覚えられましたでしょうか。
そう、明確な証拠がだいじなのです。
民事裁判とちがい、労災では状況証拠や第三者の証言というのが、証拠能力としてはとても希薄です。 たとえば通常の民事訴訟であれば、証拠としてこのようなものが有効でしょう。
・自分の手帳記録
・窓口にハラスメント相談をしたメールや履歴
・日常的に仕事のなやみ相談を受けていたという友人の証言
・社外の第三者によるハラスメント目撃証言
しかし労災認定においては、これら証拠は、まるで存在しないかのような「死に証拠」にされてしまいます。
かりに時間外労働や長時間勤務による過労で労災申請するならば、タイムカードなどの物的証拠が生きてくるでしょう(改ざんされたりもしますが……)。
しかしハラスメントによるうつ病、メンタル疾患の労災は、
\ 生々しい証拠をださなければ絶対に認定しないぜ!/
というのがお上のスタンスです。
現在では、スマホがあれば、ハラスメント音声の録音はむずかしくないと思います。みなさんはぜひ、がんばってみてください。
ただ、以下のような問題点も出てきます。
あまりにブラックな環境下に置かれると、自己防衛本能がはたらき、思考停止してしまう。
⇩
録音というチャンスをスルー
ブラック環境下にいる自分を認めたくなくて、脳がフリーズして、現実逃避しようとするんです。
脳ってうまくできていますね。
それはDV被害者に似ています。逃げられる環境下にいながら、逃げ出さず加害者のもとにとどまり、言いなりになってしまう心理です。
余談ですが、北九州監禁殺人事件なども同様のパターンといえます。
ですから、まずはマインドコントロールされている自分の現状に気づきましょう。
■2|ハラスメント証拠を録音できない7つの心理
録音できない心理とはどのようなものでしょうか。
具体的に掘りさげてみます。
2-1本当は悪い人じゃないはず(性善説)
常識的な人や善良な人ほど、相手の良心に期待してしまいます。そう、「話せばいつかわかってくれる」という思い込みです。
しかし加害者は、無自覚にハラスメントをする、あるいは自覚しながらあえて他害している自己愛性人格者である場合も多いです。
現在の年齢まで変わらなかったのなら、残念ながら矯正は至難のわざといえるでしょう。
2-2こちらの出方次第で状況は改善するはず(楽観視)
これも性善説とおなじです。ハラスメント加害者が改心することに期待してしまいます。
\ なんせこっちは「常識人」ですから。/
ロスカットできず、伏線の回収をしようとしてしまうんですね。
私たち常識人は、手を変え品を変え、相手の反応が変わるように工夫してみます。ところが加害者ハラッサーは、気分次第でコロコロと態度を変えます。たまたま機嫌のよいときのハラッサーの優しいひと言が、ボロボロになった心にしみてしまって、
「あれ? この方法なら歩み寄っていけるんじゃ…」
なーんて、かん違いをしてしまうんです。
残念ながら………変わりません!!!
小池都知事の損切りの早さを見習いましょう。
2-3職場なんてどこもこんなもの。これが普通だ(認知のゆがみ、諦観)
もしかして、こんなふうに考えていませんか?
「給与を得るということは厳しいものだ」
「理不尽な思いをするのは一般的である」
このような考え方は、認知の歪みといえます。
たしかに給与を得ること、金を稼ぐというのは厳しいものです。
ですがそれは、適切な労働環境下での努力や勉強、工夫をかさねること、それらの精進が「厳しい」ということなのです。
職場での理不尽な人権侵害を、「厳しい」にまとめてはいけません。
不適切な労働環境はもはや違法です。
加えて、「〇〇に比べれば自分はマシ」と誰かを比較対象にしたり、「社会人というのは概してこういうものだろう」と諦めたりするのもNGです。
現状を誤った形で正当化してしまう。それこそが認知のゆがみだと、気づくことが大切です。
2-4自分がいなくなったら周囲が困る(責任感)
責任感の強い人ほど、自分を奮い立たせてしまう傾向にあります。
「自分が休んだらみんなが困るから」
「ここで弱音を吐いている場合ではない」
仕事に対してまじめな人、優秀な人ほどノルマをこなして結果を出すことに意識が向き、メンタル不調を後回しにしがちです。
「人間関係をうまく処理するのも能力のうち」などと考え、ハラッサー加害者との不和を自分の能力の責任であると受け止めます。
仕事への責任感から、無茶な軌道修正をしようとしていることに気づいてください。
2-5ハラスメントでうつ病なんて恥ずかしい(世間体)
「自分の弱さが恥ずかしい」
このようにかん違いしてしまう人もよくいます。
それ、逆ですよね。恥ずかしいのは加害者側です。なぜかって……。
セクハラ、パワハラ、マタハラ、パタハラ、カスハラ。
これだけ各種ハラスメントが人口に膾炙する世の中で、あえてそれをおこなう人というのは、あきらかに情報リテラシーが低い人です。あるいはリスクヘッジ能力が欠落しているかのどちらかでしょう。
時代遅れで、ちょっと恥ずかしいですよね。
ハラッサーというのは情報リテラシー弱者であると、認識を切り替えましょう。あなたが行動を起こしたら、加害者はようやく自らの不適切言動に気づき、令和の民になれるのかもしれません。
2-6きつい言い方も愛情の証、教育の一貫(自己承認力の低さ)
自分の能力を過小評価してしまう人も、ハラスメントの環境に甘んじる傾向があります。
加害者のことを「教育してくれているのかも」と謙虚に受け止めてしまうのです。
\ そんなはずないですって! 憂さ晴らしですよ! 目を覚まして!/
2-7ハラスメントを訴えたら、もっとひどい状況に陥る(不安、恐怖)
肉体的ダメージ、精神的ダメージの繰り返しによって、被害者側は「逆らったら今よりひどい状況になる」という恐怖心や不安感を加害者側に植え付けられます。
気づいて、断ち切ることがたいせつです。
■3|録音しにくい通り魔ハラスメント
いかがでしたでしょうか。
上記では、ハラスメント証拠を録音できない7つの心理について考察してみました。
これらの心理が邪魔をして、証拠獲得のアクションを起こせないケースは多いです。録音して証拠を取ろうと思う時点で、職場の異常性を認めることになってしまう。だからこそ、身動きがとれずにいるのです。
ですから、まずは気づくことがたいせつです。
そしてとりあえず「録音」という第一歩を踏み出してみてはいかがでしょう。使うか使わないかは、後で決めることもできますから。
ただ、私も経験あるのですが、「通り魔ハラスメント」って結構あるんですよね。忍者のようにすーっと近づいてきて、ぼそっと暴言を吐いて去っていく……みたいな。
\ そういうハラッサーはわざと怒らせて、罵声を録音するチャンスをねらいましょう!/
特に、退職してから労災申請する場合、このような現場の声といった証拠は確保しにくくなります。
録音できるときに録音しておく。これが労災申請のポイントです。
■4|スマホでいいの? ICレコーダーも実力派
スマホに録音機能があることは、今や周知の事実です。
しかしハラッサーが罵声を浴びせているとき、不自然な動きでスマホを操作していたら、録音していることがバレバレですよね。ブチ切れられて、取り上げられて、壁に叩きつけられて、あげくのはてに水没させられてしまうかもしれません。
かといって、背広やパンツのポケットにしのばせて、手探りノールックでスマホの録音機能を起動させるのは、なかなかに難易度が高いといえます。
その点、ICレコーダーは操作しやすいです。
「録音」という一点に機能が凝縮しているので、複雑な操作がないんですね。そして何より、突起物であるボタンは、ポケットに入れたまま手探りで扱いやすいのです。
私が持っているものも、10年も前に購入した、特に高価とはいえない普通のICレコーダーですが、軽量で使いやすさバツグンです。サイドの電源ボタンを親指で上げてオンにして、中央の録音ボタンを押すだけ。
簡単にパソコンに取り込むことができますし、音声もクリアで、136時間の長時間録音が可能です。何なら、丸一日オンにしておいて、何もなかったら消すという作業を繰り返してもよいかもしれません。
そのほかにも、今はキーホルダータイプやペンタイプ、あるいは高性能で操作性に優れた小型タイプのものが続々と販売されていますので、ぜひ「扱いやすさ」を切り口に検討してみてください。
長くなりましたが、最後にもう一度言っておきます。
「一に録音、二に録音!!」
ですよ!
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最後までお読みいただきありがとうございました。
ストレスとはなるべくじょうずに向き合いたいものです。みなさまもぜひ、自分なりの息抜き方法を見つけてください。
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