【ハードボイルド風書評】サラリーマンは『長い別れ』(レイモンド・チャンドラー)を読め
ロッシーだ。
レイモンド・チャンドラーの『長い別れ』(訳:田口 俊樹)を読了した。
※いつもと違い、ハードボイルドっぽい文体にしているのでご承知おきいだたきたい。
『長い別れ』は、村上春樹訳のものを昔に読んだ。
当時読んだときには、あまりピンとこなかった。
今回、改めて田口 俊樹訳を読んだ。
だが、やはりピンとこないのは同じだった。
残念だが仕方がない。
昔読んでから長い別れがあり、今回やっとの再会を果たしたのにもかかわらずだ。
まあ、なかなか相性の合わない小説というものはある。
村上春樹は、「長い別れ」を人生でベスト3に入る小説と言っているらしいが、人は人、ハルキはハルキ、私は私だ。
正直言って、小説のストーリーそのものがやや冗長で、あまり面白さを感じられなかったのが大きな要因だ。
ただ、主人公のマーロウの生き方は本当にいい。
どんな状況に追い込まれようが、自分の在り方、自分軸を変えることがない。その結果ひどい目にあうことが分かっていてもだ。
そんな奴にお目にかかることは、今の時代なかなか難しい。
特にサラリーマン社会で長く暮らしていると、そんな奴は皆無に近い。
むしろ、金や地位と引き換えに、失くしてはいけないものを失くしてしまった奴ばかりだ。牙を失ってしまったわけだ。
そんな環境にいると、それが当たりまえだと思ってしまう。
しかし、マーロウのような生き方を選択することだってできる。
金や地位よりも、もっと大事なものがあるんだということを彼は教えてくれる。
彼は、投資で一攫千金を果たし、fireして悠々自適に暮らそうなんて考えたことはないはずだ。
人を傷つけ、自分に嘘をついてまで出世しようなんて思わないはずだ。
ぜひ、今だからこそ、多くの人に読んでほしい。
そして、マーロウから影響を受けてほしい。
マーロウのような奴をカッコイイと思ってほしい。
そういう人間が増えれば、社会はもっと良くなると思う。
最後まで読んでくれてありがとう。
さよならは言わない。
To say Good bye is to die a little.
Thank you for reading!