トロイメライ
何気ない 午後の木漏れ日が
あの頃の風を 連れてくる
ピアノを弾いているのは きみだろう
だってほら いつも同じところで
間違えるんだ
心地よい旋律が 思い出のアルバムをめくる
これは夢かな たぶんそうだね
きみが ここにいるはずないから
夢でもいいから もう少しこのまま
きみの下手なピアノを 聴いていたい
もう何年も前に 優しい記憶は
見送ったはずなのに
この曲を聴くと きみを思い出すんだ
風が吹いて 木漏れ日が揺れる
いま ぼくの頬に触れたのは だれ
目を開けたら きみに会えるのかな
いや 夢から醒めるだけだ
いまは もう少しだけ
トロイメライの幻想に
浸っていたい