Rosemary

綺麗な言葉が好きです📕自由詩/ショート ショート/童話らしきものなど読みやすくユーモアのある文章を書いています✍️Xにも詩を書いています🐥よろしくお願いします💐

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    色んな者たちが語っています 聞いてやって下さい

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【ショート ショート】水が執着してくる日

確かあれは、水曜日だったはずだ。 とにかく水から逃れられない日でさ、参ったよ。 まあ、とりあえず聞いてくれ。 まず、水芭蕉がたくさん咲いてる池のほとりで、突然子供らに、水鉄砲で撃たれたんだ。 もちろんその場で倒れてあげたよ。大袈裟に。 僕は大人だからね。  その日は彼女(水恵ちゃん)とデートだったんだけど、全身ビショ濡れになっちゃったんだ。 でも子供っていいね、無邪気で。 そんなこと考えながら歩いてたら、水苔で滑ったあげくに、水道の蛇口で頭をぶつけたんだ。 一瞬、意識が吹

    • 【ショート ショート】 カエルカゲンショウ

      私は誰かと付き合っても、長く続いたためしがない。理由は…分かっているのです。 他でもない私が原因なのだから。 たいていは、私から好意を持って告白し付き合い始めるのですが、ある日の彼の、何気ない会話や所作に、突然興醒めしてしまうのです。 昨日までは、あんなに大好きだった彼のことを とたんに嫌いになるなんて。 それも、嫌悪のレベルですよ。 私だって最初はビックリしました。 でもそれは流石に、人としてどうなのかと思う ので、その感情の変化を悟られないように 努力はしたつもりです

      • 青の子ども

        青でできた世界を 見ている僕たちの瞳は 空と海 そして地球と同じ 透き通った青 地球生まれ 地球育ちの僕たちは それが誰にも真似のできない 青だと知っている 本当は無色透明で 奇跡的に美しい青だということも そして 奇跡的な確率で いま僕たちが 生きているということも 絶えることのない争いや哀しみで 濁ってしまった瞳は 偽の青色に毒された瞳は 真実の輝きを覆い隠す だけど僕たちは青の子ども 透明な涙はその証明 輝きを取り戻そう まだ 間に合うだろうか きっと 大丈

        • 【ショート ショート】 もと天使 

          親友のカイは、とにかく変わった奴だ。 いつも不思議な話ばかりをするし、わからないことは先人たち(あらゆる自然のこと)に聞けばいいといっている。天体や風や精霊、そして動物たち。 時々、誰かと話してるふうだけど、そういうことなのか? はたから見ればたぶん異様にうつるだろう。 あくまでも自己申告だから、真偽のほどは不明だが、 まんざら嘘って訳でもなさそうだし、カイの話には、納得させられることが多いのだ。 「何かを手に入れる時は、何かを捨てなければっていうだろう?だけど、便利さの代

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        【ショート ショート】水が執着してくる日

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          スノードーム

          その世界を選んだら もう そこから抜け出せない でも何故か君は 明るい光の中で笑っていたね 引き返せないことは わかっていたんだろ ぼくは知っていたよ 君は弱くないってこと 壊れてしまう前に 自分を守るために 心の一部を閉ざしたことを その世界を選んだことを あれは雪かな それとも天使の羽だろうか 違う 絶えず降っているのは 君に降り注いでいるのは 光だね 君と僕を隔てるのは 幻想的なガラスの球体 どんなに叫んでも もう 僕の声は君に届かない だけどそれでいい

          スノードーム

          オフィーリア

          悲しみのオフィーリア 恋人に冷酷な仕打ちを受け 粉々に壊れてしまった心 さらには愛する父を失う悲哀 手放した精神を幾多の花で飾り 狂気に侵されながら彷徨い歩く たくさん花輪をつくりましょう あら お花が足りないわね もっと摘まなくては いつもと違う風の囁きは まるで精霊たちのハミング ほら 私を呼んでいるわ 冷たい水に浮かぶオフィーリア 私を呼んだのはだれ 崩れた花輪の花が水面に散らばる その周りを飾る光のロンド あの空の彼方にいけば 綺麗なお花は咲いているかしら それ

          オフィーリア

          君のカケラ

          君のカケラをこっそりと 心の内ポケットに隠し持っている 時々取り出しては 君の笑顔を盗み見るんだ 好きになってはいけないとわかっていた 友だち以上になれないことも 頭では・・ね でも心はいうことを聞かない このまま君のカケラを 持っていてもいいですか 今はそれだけで生きていけるから 君への想いを知っているのは 僕と神さまだけだ この想いを汚されたくはないから 誰にもいうつもりはありません 神さまこれは懺悔の対象になりますか 人を好きになるのは罪ですか 時が経て

          君のカケラ

          【ショート ショート】 なんか妖怪

          あれっ?変だな、何か違和感があるなっていう グループを見かけても、ジッと凝視したり、 話かけたりしないで下さいね。 だってその人たちが、本当に人間かどうかなんてわからないのですから。 なぜ私がこんなことをいうのかというと、 かくいう私も、人間ではないのでして。 猫むすめ・・・いえ、間違えました。 年増の化け猫なので。 怪異は、夜だけとは限りませんよ。 マイナスの想念から生まれた者もいるけれど、 妖怪のほとんど大半が、もともとは人間だったりするのだ。 純粋が故に騙されたり

          【ショート ショート】 なんか妖怪

          【ショート ショート】 魚眼レンズと彼女

          ある日突然、彼女は魚になった。 確かにその片鱗はあったけれど、だがしかし よりによって魚って…。 百歩譲って、そこはせめて人魚だろ。 いや人魚であれ! 僕たちは、写真が好きだった。 休日になる度に、美しい景色を求めて遠出をするのが いつからか当たり前になっていた。 気に入ったフォトグラフを引き伸ばして部屋に飾ったりSNSに載せたりもした。 コンテストで入賞したこともある。 彼女の写真初心者とは思えない、芸術的センスは 本当に素晴らしかった。 二人で楽しかったじゃないか、何

          【ショート ショート】 魚眼レンズと彼女

          銀河鉄道に乗って

          満天の星の海で 僕は懐かしさに溺れる 支配できない感情の波は ある筈のないレールを映す 透き通った銀河の鉄道に 僕を乗せてくれないか 君はあの頃のままの笑顔で 僕に手を振るだろう 君に話したいことが沢山あるんだ 幻想的な世界に棲んでいる君は もう歳を取ることはないんだね あの時誓った南十字星まで 僕を乗せてくれないか 君のいない世界は 色褪せてしまったけれど 無情に見えた時間はゆっくり 哀しみを癒やしてくれた 僕はもう大人になったけれど 心はあの頃のまま 君を好きだった 少年

          銀河鉄道に乗って

          異人たちのソネット

          鋭い好奇の切っ先は容赦なく 目立つ僕たちの個性を突き刺していく いいさ 凍てついた羨望や嫉妬は 憧れの裏返しだと知っているから 変わり者と蔑まれ才能を足蹴に 嘘と不条理さに侵された傷口は まだ 癒えることはないけれど 僕たちは自分を信じて進んでいくしかない あの底なしの空へ消えていった異人たちは 閉ざされた世界から飛び立った異人たちは 自由を手に入れた 君よ どうか泣かないで そして俯かないで 他人の視線は他人のものだから 思うまま異人の人生を歩んでいけばいいさ

          異人たちのソネット

          ハイカラ婆さん (祖母のこと)

          毎週の安息日には包み隠さず 神さまにお話しするのがお決まり そのあとでお茶にしましょ チェリーパイも忘れずにね こっそりと私に耳打ちをして 少女の顔でウインクする 異国で生まれ育った祖母は 二つの祖国を愛していた モダンなハイカラ婆さん 激動の時代を生きてきたけれど 思い通りにいかないのが人生よ でも決して悲しみばかりではなかった 本当にたくさんの人に助けられたわ 昔話はまるで壮大な夢物語 いつも私たち姉妹の想像を掻き立てた アンティークに囲まれた部屋は 和洋折衷が織りなす不

          ハイカラ婆さん (祖母のこと)

          勝手に恋愛論

          恋をすると苦しくなる だからといって 恋をせずにはいられない あの胸が締めつけられるようなドキドキ感は フェニルエチルアミン(PEA)のなせる業 恋に落ちると心が半端ない高揚感と 快楽感に抗えなくなる 初めは美しく透明だけれど  相手に対する想いがつのるほど 恋は予告なしの暴走を始める 振り向いて欲しいという 自分本意な見返りを求める一方的な気持ち それが恋といえるのではないか また 愛は明確な答えがないけれど あえていうなら相手本意で 親子や兄弟や友人そして動物に至るまで

          勝手に恋愛論

          【ショート ショート】 謎の女 ダニエラ

          僕は小説家だ。 といっても賞をとったのは、かれこれもう10年も前の話で、それからは鳴かず飛ばずの単なる物書きだ。 雑誌のコラムやエッセイなどの微々たる収入で、 日々なんとか生活をしている。 この6畳一間のボロアパートに、同居しているのは、ライオンのような風貌の猫のライアンと、いつの間にか住み着いていた無国籍風の謎の女だ。 …… 誰だろう、全く記憶にない。 「あれは、一体誰だ?」 僕はこっそりとライアンに聞いてみた。 「知らないニャー 、オレは嫌いだニャー 」 ライアンは

          【ショート ショート】 謎の女 ダニエラ

          ホープダイヤモンド

          博物館で終わりのない夢をみていた 歪な運命の歯車は 私をここに閉じ込めて止まった あんなにも鮮明だった記憶の断片が まるで幻想のようにぼんやりと 霞がかかってゆく 希少なブルーダイヤモンドとしての 私の記憶が 輝きは見る者すべてに魔法をかけた 上流階級で私はすぐに 羨望と欲の標的になり 裏では莫大なお金と沢山の悲劇が渦巻いた 所有者が変わるたびに 非業の死をとげるたびに 何故か私と関連付けられて 私の呪いにされた 貴族たちを魅了したのは確かよ けれどその他は 何もし

          ホープダイヤモンド

          【ショート ショート】 猫耳おやじの随想

          俺には友人と呼べる奴は、一人もいない。 だからといって不幸かと問われたら、全くもってそんなことはない。 むしろ俺に関わらずにいてくれて『ありがとう』とお礼を言いたいぐらいだ。 俺の人生を誰にも邪魔されたくないし、もちろん俺も、誰かの人生を邪魔したりなどしない。 そもそも、他人に興味なんてないからね。 わかってるよ、自分が異質だってことくらい。 きっと、何かが欠落しているんだろう。 協調性?優しさ? それは、俺が一番苦手とする分野だ。 感情か愛情か、それは…無いに等しいな。

          【ショート ショート】 猫耳おやじの随想