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#小説

徒然諸々 『嫌われ松子の一生』文庫本上巻を読んで

徒然諸々 『嫌われ松子の一生』文庫本上巻を読んで

 山田宗樹さんの『嫌われ松子の一生』、文庫本上巻をいま読み終わりました。上巻までですが、読み終わるのに二ヶ月かかってしまった。わたしは所謂「嫌ミス」を呼ばれる小説が苦手なんです。幸、不幸は「禍福は糾える縄のごとし」と例えられるけども、先に主人公に不幸の連続があり、最期に幸せがある。この世に神様も仏さまもいらっしゃると思えるストーリーはなんとか読めるのだけども。先に主人公に幸せ、または平凡な日常があ

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『本日は、お日柄も良く』 レビュー

『本日は、お日柄も良く』 レビュー

 『本日は、お日柄も良く』作者は原田マハさんです。彼女は『楽園のカンバス』『ジヴェルニーの食卓』などの美術系、キュレーターの主人公の作品が有名です。しかし最近山田洋次監督で映画化された『キネマの神様』などそれ以外の作品も評価が高いです。
 『本日は、お日柄も良く』は"伝説のスピーチライター”久遠久美に弟子入りした、主人公二ノ宮こと葉の成長物語りです。
 こと葉はごくごく平凡な二十代の女の子。適当に

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『逆ソクラテス』 レビュー

『逆ソクラテス』 レビュー

 『逆ソクラテス』 作者は伊坂幸太郎さんです。
 全五編からなる短編小説集です。五つの物語り共に小学校五年六年生の男の子たちを主役に書かれています。実に読みやすい小説集です。リーディングが速い人なら1日で読めてしまうんではないでしょうか。

『逆ソクラテス』本のタイトルにもなっている最初の物語り。主役は加賀くんと安西くん。準主役の登場人物に草壁くんと佐久間さん。そして大事な登場人物として、安西くん

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