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繊細さんと鈍感さんのあいだ
最近よく耳にするようになった「繊細さん」。この言葉が出てきてから心が救われた人も多いんじゃないかなと思う。
かくいう私は繊細さんの要素を持ちつつ、鈍感さんも兼ね備えたバランス感覚の良い持ち主だと思ってる。
ときには嫌という程細かい部分に目がつく。周りが気にならない小さなことが気になって仕方ない。
仕事でメールを送るときなんか、もう大変だ。
この文章や言い回しって先方に失礼じゃないかな?
こう言ったほうが伝わりやすいかな?
相手に悪い印象を与えてしまわないだろうか。
せっかく考えた言葉だけどもう一回最初から作り直そう。
見えない相手の顔色を伺いながら文章を考える時間はとても苦痛だ。
ライターをやっているものの、言葉に対しては他のこと以上に、自分の中の繊細さんセンサーが敏感に反応する。
ときには30分、ひどいときには1〜2時間くらいかけてメールを返信することもある。
相手に不快感を与えてしまったらどうしよう。そんな考えが頭の中を駆け巡り、文章を考えるのがときには苦しくなる。
オンラインでのコミュニケーションが主流になってきたからこそ余計に言葉選びを大切にしないといけないと思ってしまう。
たった1通、数行の返信をするのにこんなに時間がかかる自分は仕事ができない人間なのかな、そんな自己嫌悪になってしまうことはしょっちゅうある。
打ち合わせのときなんてもうたまったもんじゃない。
オンラインでの打ち合わせが増えてきたからこそ、温度感が伝わらないと不安になる。自分が発した言葉で相手が黙ってしまったら、「何か失言をしてしまったのだろうか?」そんな不安が募る。
あのときはこの言葉を伝えたほうがよかったかな。
ストレートに言いすぎたからもう少し柔らかいニュアンスで伝えたらよかったかな。
そんなつもりで言ったんじゃなかったのに、悲しい気持ちにさせてしまったかな。
今日も1人反省会。そんな日々をしょっちゅう送っている。
周りが気づかない些細なことに目が向いてしまうから、必要以上に傷つきやすいことがある。それは仕事関係なくプライベートもそう。
相手を傷つけて悲しい思いをさせてしまうなら、自分が傷ついたほうが良いとさえ思うときがある。相手を責めて苦しめるなら自分を責めたほうが楽だと思うときもある。
そんな繊細さんの要素を持ってはいるものの、ときに鈍感さんの要素を発揮する私はちょうど良いバランスを保っていると思っている。
繊細さんは共感力が高いと言われているが、私は切り替えの早さを兼ね備えているみたいだ。
悲しいテレビ番組を見ても、人の愚痴話や重い話を聞いても割と引きずらない心の安定さがある。10分後にはケロっとして別の思考にもうすり替わっている。良くも悪くも引きずらない。
嫌なことがあれば大抵のことは寝たら忘れられる。落ち込んだときや辛いときは美味しいご飯を食べてたくさん寝ればなんとかなると思っている。
だからネガティブな話をしていても、自分の共感力のバロメーターは大きく動かない。うまい具合にバランスが良い私は繊細さんと鈍感さんのあいだを生きていると思う。
どこでも寝れるし、ときと場合によっては周りへの気遣いを怠っているときもあるし、マイナスな言葉に引きずられないという鈍感さは役に立つ。
たまに、全然悪気がなく相手を傷つけてしまう鈍感さもあるのでそこは本当に反省しないと。
鈍感すぎるのもよくはないが、適度な鈍感さは自分の身を守ることができると思っている。
繊細さんと鈍感さん、どちらも併せ持っているからこそ、どちらの気持ちもよくわかる。でもどちらにも偏っていなく、中立の立場を保てているからこそ、心の平衡感覚がうまく取れている気がする。
そして、繊細さんと鈍感さんのあいだを生きる人が周りにいると対立も少なくなっていくのかもしれない。そんなクッションのような可能性を私は持っているのではないかとひそかに思っている。
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文:RORO
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香川生まれ、三浦半島在住。ライター/動画編集/採用担当など、会社員でありながらマルチタスクをこなす、旅を愛する自由人。大学を卒業後、ピースボートで初海外、世界一周の旅に出て人生が変わる。訪れた国は29ヶ国、国内は45都道府県を制覇!ソトコトオンラインで記事執筆中。言葉の花束を届けるため、日々文章スキルを磨いています。今の夢は星空案内人の資格を取り世界中の星空を眺める旅をすること。
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