英語はどれくらいの時間で学べるか?|小学生&中学生の場合
あちらこちらで目にする英語の「○○ヶ月でペラペラ〜・最短・最速」など、そんなおいしい話あったらいいなの英語学習にかかる時間の話。一方で何千時間もかかるという説も。
世界の英語教育現場では、どれくらいの時間がかかるといわれているのだろう?と気になり、ちょいと調べてみたところ、ケンブリッジ大学出版のわかりやすいレポートを見つけました。
ケンブリッジ大学出版とその関連機関は、世界中で使われている英語教材・検定・英語教授法認定資格CELTAを手掛けていて、確かな情報源。少々長くなりますが、noteしておきたいと思います。
「英語を学ぶにはどれくらい時間がかかるのか?」については、ケンブリッジ大学出版さんも毎度たくさんの質問を受けるそうです。この質問への答えは、何よりも到達したいレベルによるので、まずはそこを考えましょうとのこと。そりゃそうだ。
かといって「英語がペラペラになるまで」といっても、「ペラペラ」の定義は人や状況によって大きな差があるので、語学力を測るために世界中で認識されている国際基準でレベルをつかむことが大切とのこと。ケンブリッジ大学出版は、ヨーロッパで広く使われているこのCEFRを使っています:
日本の中学生が目指すはA1〜A2
CEFRは日本でも浸透し始めていて、文科省の新学習指導要領によると、これからの中学生は、中学生のうちにまずA1に到達して、それからA2の英語力もつけ始めよう♪という目標を掲げているようです。
A1とA2は「Beginner/Basic (初心者・初級)」と区分されますが、これから英語力を広げて伸ばすために、とーっても大切な基礎段階です。A1とA2でしっかりとした土台をつくれば、後の英語力が育ちやすくなるので、中学生のみなさんには是非とも手に入れてもらいたい基礎英語力です。
中学で到達したいこの「A1」や「A2」がどのくらいのレベルかというと、日本では語彙数や相当する英検の級が取り上げられがちですが、CEFRの焦点はそこではありません。CEFRは、教室の外で実際に英語を使った時に、英語を聞いたり話したり読んだり書いたりして、どこまでコミュニケートできるか?の視点で判定します。正確さよりも「英語のやりくり力」が大事で、CEFRはレベル毎に「どんなことをコミュニケートできるか?」をはっきりと描いるのです。
では、日本の中学生が目指すA1とA2が「できること」とスピーキングテスト例を見てみましょう:
【A1】英語でできること
[ A1 ] 小中学生向けスピーキングテスト例:
【A2】英語でできること
[ A2 ] 小中学生向けスピーキングテスト例:
言葉に詰まったり、間違えたり、これはA1〜A2レベルではごく当たり前なことなので、特に問題ナッシング。それよりも、基本的なやりとりの中で、英語でどこまでコミュニケートできるか?の視点で評価されていることがわかります。
英語にかかる時間を左右するもの
そして、目標レベルに到達するために必要な学習時間は、英語を学ぶ環境、指導法、教材、生徒の年齢、性別、母語など、さまざまな要因によって左右さます。要因のひとつである「母語」については、「英語と日本語は違いすぎるから難しい。だから日本人は英語習得に数千時間かかるのだ。」という議論も耳にしまが、母語の他にもいろんな要素がからんでいるのです:
このような要素がからみあって必要な時間が変わってくるため、このレポートでは、年齢や学習環境が異なる3つのグループを例に挙げ、それぞれが必要な学習時間の目安をまとめています。その中のひとつのグループが、日本の小中学生の学習条件にあてはまりそうです:
このグループが必要な学習時間
やっと肝心な情報に辿りつきましたー。日本の小中学生にあてはまるこのグループが必要な学習時間です:
日本の英語の授業時間
ここで気になるのが、日本の小学校と中学校で英語に充てられる時間。文科省の標準授業数から計算してみたところ、小学3〜6年で計158時間。中学校で350時間。義務教育で合計508時間。
学校での学習時間に加えて、英語力につながる「効果的な」宿題を取り入れれば、A2終了に必要な540〜680時間の域に入る、入る、入ります。きっといける。たぶん大丈夫!
所感
このレポートから、日本の小中学生の英語の授業時間(508時間)で「A1到達→A2の学習も始める」ことは可能と読み取れます。が!!
不調続きの日本の英語教育を「これでいける!」と胸を張れるものに変えていくには、学習効果を左右する要因をひとつずつ改善していかなければなりません。そのためには、日本の英語教育の舵を取る文科省にもっともっともーっと素早く頑張ってもらわねばなりません。
英語専門の先生を増やして・・・
もっと少人数の指導にして・・・
より効果的な指導法を取り入れて・・・
授業でもっと英語を使う練習をして・・・
教科書も教材も和製にこだわらず・・・
世界で実績のある教材を取り入れ・・・
英語=暗記X点数X修行にならぬよう・・・
正解不正解の枠を超えた評価が増えて・・・
社会全体が英語にポジティブな意識を持ち・・・
ネイティブの先生にこだわるよりも、
高い英語力と指導力にこだわり・・・
英語の先生を目指す学生を育てて・・・
現場を支えよう・・・
そういうことに時間とお金を使おう文科省さん♡
と、文科省への注文が止まらないお母ちゃんでございます。
語学は、柔軟な脳を持つ中学時代にしっかりと習得できる教育を提供せねばです。きっとこの声は肝心なところには届きませんが、お母ちゃん、諦めませんわよー✌︎('ω')✌︎ 長い乱文となりました。ここまでお読みいただきまして、誠にありがとうございました♡
おまけの一枚:こちらの地中海系食材スーパーで発見。浜松市生まれなのでついつい買っちゃいましたが、浜松餃子好きな家族から不評。チーン。