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大島真寿美トークショー【文学×音のチカラ】

9/18大府市主催【文学と音のチカラ】。ゲストは名古屋出身の作家・大島真寿美さん。前半はセントラル愛知交響楽団のアンサンブルによるコンサート、曲目は著書にちなんでヴィヴァルディの作品や沖縄民謡など。
後半は元・東海テレビアナウンサーの稲葉寿美さんによる大島作品の朗読(映像とヴァイオリンの生BGMも交えた構成)と、大島さんと編集者の加古淑さん(大府市出身)、MCが稲葉さんという鼎談のような形でのトークショー。

 前半のセントラル愛知のアンサンブルのチェンバロ通奏低音にお声掛け頂き、後半は早着替えで客席でトークショーを拝聴。企画は人気でホールは満員御礼。多くの文学ファンが集まった雰囲気。

大島さんは飄々とした方で、直木賞受賞の際もどこ吹く風、翌日からは受賞者として取材受けやらで多忙を極めるのに、フツーに打ち合わせとか自分の予定を入れていて怒られた、という話や、直木賞受賞作「渦」では江戸の世界に入り込みすぎて、楽しすぎてもうこの江戸の世界から帰ってこれなくなるんじゃないかって不安になるほどだった、と仰った。なかなか取材が捗らず「習ったほうが早い」と浄瑠璃を習いに行ってしまった、とも。いや、ほんと作家という人種はそういうところあるよなぁ、入り込み方が尋常じゃないっていうか。子供のころから夥しく読書している大島さんは、書くことも「読むこと」と同じように毎日書いている、と。早書きでなく、一行一行丁寧に。「作家としての信念なんて別に無いです、まあ日々書き続けられればそれでいいかな」とさらり。野心とか地位とか何かに阿るとかそういうものがゼロで、ひたすら自分が書きたいから書く、楽しいから書くというところが本当にいい。自分に置き換えると、それほどまで音楽の世界にはいりこみすぎてないよなぁ、息をするように音楽を創ったりしてないなぁ、と自分の体たらくと才能の無さを思い知ったのだった。

作家という仕事は「旅」だと感じる。いろんな世界に時空を超えて旅する。旅好きな人にとってこんな愉しい仕事はないだろう。

会の後にはサイン会と、来場者全員にサイン入りブックカバーのお土産付き。私もミーハーぶりを発揮して愛書にサインも頂いた。「ピエタ」執筆中、名古屋のチェンバロ工房への取材時のこともお訊ねしたら「懐かしい!」とよく覚えていらした。


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