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成長する会社と退化する会社の違い

[要旨]

退化していく会社は、自己犠牲の精神、責任感、罪悪感、モヤモヤ、不安、恐怖、感情にフタをしてしまい、頑張ります。一方、成長する会社は、犠牲ではなく貢献の意義が根付いており、自分たちの従業員を大切にしています。さらに、自分たちの感情がクリアになっていて、お客様を引き寄せる会社です。そして、成長する会社になるためには、一朝一夕には実現できないので、きちんとした時間をとって土台作りをしなければなりません。

[本文]

今回も、中小企業診断士の渡辺信也先生のご著書、「おたく以外にも業者ならいくらでもいるんだよ。…と言われたら-社長が無理と我慢をやめて成功を引き寄せる法則22」を拝読し、私が気づいたことについてご紹介したいと思います。前回は、業歴の長い会社であっても、その会社の製造する製品の需要がなくなれば、会社も製造する製品を変えたり、業種転換したりするという対応が必要になるということについて説明しました。これに続いて、渡辺先生は、ご自身のコンサルティングのご経験から、退化する会社と成長する会社の違いについてご説明しておられます。

「退化していく会社は、自己犠牲の精神、責任感、罪悪感、モヤモヤ、不安、恐怖、感情にフタをしてしまい、頑張ります。頑張ることが悪循環を生みます。なぜなら、無理しているからです。お客様から主人と奴隷の関係を強いられて、不平・不満があっても、無理して笑顔を作ります。ストレスもたまります。安さ、差別化など、プレッシャーも受け続け、お客様の要求にこたえるために、努力や長時間労働で乗り切ります。かなり無理しています。(中略)

一方で、成長する会社は、自分軸がしっかりしています。『愛・喜び・感謝』がベースにあり、自己犠牲はありません。『犠牲ではなく貢献』の意義が根付いています。また、自分たちの従業員を大切にしています。まず、自分たちの感情がクリアになっていて、豊かさ、安心、楽しさを味わうことができているので、お客様を引き寄せます。成長する企業というのは、営業しない会社も多いということにも特徴を感じます。価値観を発信し、そこに引き寄せられる方がお客様になっているように感じます」(50ページ)

この渡辺先生の分析は、ほとんどの方が理解されると思います。ところが、その一方で、「自分軸がしっかりしていることの大切さはわかるけれど、それがなかなかできない」と感じる方も多いと思います。では、どうすれば、しっかりとした自分軸を持つことができるのでしょうか?私は、その要因のひとつは、しっかりとした準備だと思います。確かに、5年以上かけて準備するのは長すぎると思いますが、成功する会社は、しっかりとした準備をして起業したり、新しい事業を始めたりしていると思います。

その間に、経営者の方は、自分自身の人格を磨いたり、起業構想をブラッシュアップして、自分軸を確固たるものにしていきます。でも、失敗する会社は、そもそも、時間の余裕がありません。だから、行き当たりばったりの事業活動になり、お客様との関係は、主人と奴隷の関係になってしまいがちです。では、そのような会社は、準備する時間がないのはなぜなのでしょうか?それは、ぜひ、読者の方にお考えいただきたいと思います。

2023/4/3 No.2301

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