【パブロ・ピカソ】代表的版画シリーズ 「スイート・ヴォラール（Suite Vollard）」シリーズ など 査定 鑑定 買取 致します
◎パブロ・ピカソの「スイート・ヴォラール（Suite Vollard）」シリーズ
パブロ・ピカソの版画作品の中でも、「スイート・ヴォラール（Suite Vollard）」、「156シリーズ」、「347シリーズ」は特に重要な銅版画の連作として知られています。これらのシリーズは、それぞれ異なる時期に制作され、ピカソの芸術的探求と技法の発展を示すものです。
「スイート・ヴォラール（Suite Vollard）」は、1930年から1937年にかけて制作された全100点の銅版画のシリーズで、フランスのアートディーラーアンブロワーズ・ヴォラールの依頼により制作されました。主なテーマは彫刻家とモデル、ミノタウロス、闘牛、神話的要素などで、ピカソの関心の幅広さを示しています。特に、「彫刻家とモデル」の作品群は、彼が当時の恋人でありミューズだったマリー＝テレーズ・ワルテルに対して抱いていた情熱と、芸術家としての創造のプロセスを象徴しています。また、「ミノタウロス」は、ピカソの自己投影として頻繁に登場し、力強さや官能性、内面的な葛藤を表現しています。このシリーズには、ヴォラール自身の肖像も含まれており、彼へのオマージュともなっています。
「スイート・ヴォラール」は、エッチング、アクアチント、ドライポイントなどの技法を駆使して制作され、全310セットが印刷されました。ヴェラン・アルシュ紙にサイン入りで印刷されたものが50セット、サインなしのヴェラン紙版が250セット制作されています。現在、パリ国立ピカソ美術館やニューヨーク近代美術館（MoMA）などの美術館で所蔵され、ピカソの版画芸術を代表するシリーズとして高く評価されています。
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