良いものは受け継がれる。今再注目の棕櫚(しゅろ)アイテム。
アウトドアアイテムを得意とする会社が満を持して世に送り出したもの。
きっかけは「プチストレス」。
アウトドアを満喫した後の片付けはなるべくラクに簡単に。
ささっと片付くアイテムを厳選し、現地へ引っ提げて行くものの、なかなかどうして最後までまとわりつくのが「芝」。
簡易のほうきは静電気を帯びるため、この厄介な芝もむしろ寄せ付けてしまうのだ。
こうなってしまっては「大体こんなものか」と、自己の着地点で折り合いをつける他なく、毎度のようにわずかな芝を持ち帰らせていただいている。
そうでなくともキャンプ中のテント内は砂や葉っぱ、子供が食べこぼしたお菓子のカスなどで散らかりがち。
―このモヤモヤ、どうにかならないものか。持ち運びに便利な、片手サイズの掃除道具があればどうだろう。
今見直されている「エコなお掃除」
近頃家電に頼らず、ほうきやはたき・タワシなどを使った、エコで丁寧な暮らしを好む方が増えているという。
電源を使わないので節電対策の面でも効果があり、経済的ということから、近年見直され需要が高まっているエコなお掃除。
音が静かで早朝や夜間、赤ちゃんが寝ている間も気にせずお掃除できるということで、要するにメリットが多い。
専ら掃除や雑巾がけはお掃除ロボットに頼る筆者ですら、多様化する生活スタイルとともに増加傾向にあるこの状況は想像に難くない。
…そうか、アウトドアだけでなく時代はほうきやタワシを求めているのだ。
トンデモ素材、棕櫚(しゅろ)って何?
さてさて、ほうきとタワシに良い素材がないかと模索していたところ、棕櫚(しゅろ)を使ったほうきがあることを知る。
一言にほうきと言っても、使われる素材はホーキ草やヤシの葉脈・シダ、水に強い化学繊維など様々だ。
今回着目した棕櫚とは面白いもので、天然の油分を含むため、ほどよくしなやかで塵を舞い上げず、小さなごみや髪の毛もしっかり集める。
水に強く熱に強いという一面も、先述の油分によるものだという。
聞くところによると、棕櫚ほうきは「一生に3本あれば足りる」とも言われるらしい。あくまでも伝聞にすぎないが、とても興味深い言い伝えだと思わないだろうか。
…というわけで、この上ない理想な素材に出会ってしまった。
棕櫚文化が受け継がれる街
ここでは棕櫚文化が受け継がれる街、和歌山県海南市の歴史に触れたい。
海南市東部で栽培されていた良質な棕櫚を原材料に、タワシ、縄、刷毛などの棕櫚加工品の製造が始まった。
元々は農閑期に製造していたものの、時代と共に地場産業として盛んになり、家庭用品産業の有力産地にー。
今回はそんな和歌山県海南市に拠点を置く、創業70年以上の深海産業さんへ製作を依頼した。
深海産業のオリジナルブランドBroom Craftでは、歴史ある作り方を元にした独自の製法によって、職人が一つ一つ手作りで製造を行っている。
今ブームになっているエコな掃除は、見える場所にあってもおしゃれでいつでも傍に置いておける、いわゆる”魅せる”掃除道具。
Broom Craftの作る製品はどれもシンプルで温かみがありながら、丈夫で長く使えるものばかりだ。
「いいものが出来る予感しかないー。」
岡山言うたらデニムじゃろ。
一方わが街岡山は、ご存じの方も多いと思うが国産デニム発祥の地だ。
Made in Okayamaのデニムは世界中から注目され、県民であることに少々誇りを持っている。
そんな岡山の企業として、ほうきやタワシの一部にデニム生地を採用した。
製作に当たり、デニムフロア用の生地製造時に発生する端材があるということを知る。
通常廃棄されるそれをアップサイクルして活用できれば、それはそれは素晴らしいことではないだろうか。
アウトドアほうき「ShuroSnap(シュロスナップ)」・アウトドアタワシ「curb(カーブ)タワシ」
試作を経て、ついに出来上がったほうきとタワシはそれぞれ、「ShuroSnap(シュロスナップ)」、「curb(カーブ)タワシ」と名付けた。
タワシに関しては「カーブしていないが?」と思われるかもしれないが、ここでいう「curb」は「縁石・へり」の意味を持つ。つまり、隅や角が掃除しやすいということだ。
タワシの先はそれぞれの先の角度を変えており、油汚れは先端が斜めカット面、頑固な汚れは平カット面と使い分けが可能。
食器や調理具だけでなく、野菜の泥落としや衣類のシミ落としなど、様々なシーンでご活用いただきたい。
アウトドアほうき「ShuroSnap」は、穂端に向けて細くカットされた形状で360°どこでも掃くことができるため、本来掃きにくい隅の掃除や凹凸のある薪ストーブの灰を払うなど、細かい場所にも適している他、ほうきならではの「掃き癖」がつきにくい。
棕櫚の特性である天然の油分のおかげで、塵が舞い上がりにくく、また静電気を発生させにくいため、集めた塵や髪の毛を簡単に落とすことが可能だ。
しかもこの油分は木製品と相性が良く、繰り返し使うことで、棚やフローリング・畳などに自然なつやが生まれるという。
いずれも吊り下げ用の紐に端材のデニムを使用。
棕櫚のブラウンとデニムのコントラストは、互いを引き立て、見た目も美しく仕上げることができた。
ShuroSnapには同素材の専用カバーを付けることで、穂先を守り見た目も清潔。スッと挿すだけのスマートな収納カバーにした。
見た目以上に感じられる強さと美しさは、職人のモノ作りへの真摯な想いそのものだと考える。
こだわりを存分に詰めつつ、シンプルで飽きさせないこの2つの製品が、多くの方の日常の中に溶け込むアイテムで欲しいと願うばかりだ。
プロジェクト公開について
使い込むほど味が出る『育てる 道具』 【curbタワシ】【ShuroSnap】は2023年1月2023年1月28日(土)よりMakuakeにて限定先行販売スタート!
プラットフォーム :Makuake(マクアケ)
プロジェクトページ:https://www.makuake.com/project/rodgers-06/
期間 :2023年1月28日(土)9:00 ~ 3月29日(水)18:00
株式会社ロジャースについて
私たち株式会社ロジャースは岡山で生まれた企業です。
今までありそうでなかったもの、昔からあったけれど使い方や見せ方・コンセプトを工夫して新たな商品として世に送り出しているメーカーです。
日本国内の伝統ある技術とアイデアを形にして、時代にあった継承を今後も目指して行きます。