ちょっと変わった話 #1 白い狐の夢
まず話し始める前に断っておくと、私は怖い話が苦手なので、書いている今も思い出して鳥肌です。
では、そんなにたいした話ではないのですが、今回は白い狐の出てきた夢についてお話しします。
これは中学生ごろの話です。
私は、父母を幼少期に亡くしているので、祖父母に育てられてきたのですが、その夢の中では必ずその祖父母と自分がリビングにいるのです。
リビングといってもちょっと変わった家だったので真ん中にこたつのある少し細長い今のような場所です。
玄関側からの入り口のすぐ隣にテレビがあり、その向かいにソファがありました。
そしてこたつの横を通って襖を開けるとその先は台所になっています。
台所に向かう襖の横にはトイレやお風呂、化粧室?に向かう襖があります。
祖父はよくソファでテレビを見てぶつぶつ文句を言ったり祖母に怒鳴り散らしたりしていました。
祖母は台所で料理をして、それに反応したりしなかったり。
これが記憶によく残っているいつもの光景です。
夢の中ではこの光景が必ず浮かびます。
そして、祖父母のどちらかが必ず偽物なのです。
なぜ分かるかというと、話しかけたときに明らかに違う笑い方をするからです。ニヤニヤと。
この笑い方が明らかに人ではない何か。少なくとも自分の知っている祖父母ではない何か。
そして、そのことにもう1人は気付きません。祖父が狐なら祖母は気づかず、祖母が狐なら祖父は気付きません。
場合によっては本物と偽物が両方ある時もあります。
それでも自然なことのように2人は振る舞っています。
私はこの夢が怖いというよりも不思議でした。
もちろん夢の中では怖さもあるのですが、それ以上に
何かこう怒りのような、ふざけるな、絶対倒してやる、この家から出て行け、というような恨みというか気概を持ってそこにいるのです。
そしていつも何も解決できないまま朝を迎えます。
その転機が訪れたのは大学に入ってからでした。
まず、大学までずっとこの夢が続いていたこと自体が不思議なのですが。
大学3年ごろだったと思います。
本当に久しぶりに数年以上ぶりにその夢を見ました。
実はその時まで狐だとか白いとかそういったことは無意識かだけにあって、はっきりと意識はできていませんでした。
ただ、その日の夢では、狐は祖母に化けていたのですが、
なんと私は初めて狐を倒すことに成功したのです。
その倒したときに何故か白い狐は白い毛皮残して消えました。まるでゲームのモンスターの素材のようなドロップ感です。
そしてその白い毛皮を見て初めて、白狐だったのだと知覚したのです。
正直なところ、どうやって倒したのかも倒した後その素材をどうしたかも覚えていません。
ですが、少なくともその白い狐をやっつけたことだけははっきりと覚えています。そしてそれ以来その夢は見ていません。
期待外れかもしれませんが、白い狐の夢のお話はこれだけです。実は、他にも小さい頃からずーっと断続的に見ている夢があるのですが、書き留めているわけではないので、今は思い出せません。
まだ見続けているということはまだ何か自分の中で終わっていない、変わっていないものがあるということでしょう。
次回は夢のお話ではなく、私の人生を変えたとも言える白い犬のお話しです。
(金縛りにあった話もいずれ書きます)