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契り

儚くも淡いから
至福
鋭くも鈍いから
至福
行動を言葉が越える
言葉に命を吹き込み動き出す。
何処へ行くのか
心躍らせついて行く。
「何処へ行くのですか?」
なんて野暮だから
黙って跡を追う。
丁度150m進んだところで止まった。
というか泊まった。
朝になったらどうでも良くなって
「何処へ行くのですか?」
と聞いたら
「バリ高知」
と答えられた。
答えられたって言う感覚。
答えて頂いたというよりかは答えられちゃった。
そんな感じ。
もしもご家族の希望のような存在だとしたら
申し訳ない。
ちょっとだけ軽蔑してしまった。
歩道の真ん中で
給料泥棒の話をしているママさん二人と遭遇。
邪魔だなんて思ってはいけない
そんな道徳心が邪魔だと思いながら
右に避けようとすると
あちらは左に避けようとして
お見合いした。
何故こちらを向いている。
しかも二人とも。
「仲良しなんですね」
言わなくても良いそんな言わなきゃいけない言葉。
そんな言葉が飛び出て自分ながらにびっくりした。
「川で洗濯してた頃が懐かしいですね」
正直間違えた。
というかまちげーた。
みたいな感じ。
しばらく歩いて丁度300m進んだところで止まった。
というか泊まった。
2泊3日は確定だ。
朝になったらどうでも良くなって
「今日は何処まで行くのですか?」
と聞いたら
「バリ香川」
と答えられた。
答えられたっていう感覚。
「今日は結構進まれますね」
正直150mずつ増えていくものだと捉えていたから
呆気に取られた。
「へへへ」
なにが?
もう正直疲弊してる。
そして香川までの60,000分は、
僕の人生にとって最も薄い厚手のセーターのようで、
足が棒になるかと思ったが走れるくらいの温存感。
無賃で進んだこの距離に名前を付けるとするならば
「ヌオー」
水色のでっかい楕円形の個体について
僕は最も重要な経験を積んだ。
高知に着いた時にはもうカスも残っていなかった。
達成感はもう全消費。
税金を納めなければとかいう変な理由で
あいつは帰った。
電車とバスを乗り継いで
小さな2階建ての細長い剣に。
フェンシング部だったんだってさ。
僕は約束した。
「もうこれから先「一生のお願い」って言わないで」
約束とは双方の承諾があって初めて成り立つ。
しかしながら承諾を得られることはありませんでした。
つづかない。

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