![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/172589273/rectangle_large_type_2_7d5b190c802ed87dd750b9af3a725333.jpeg?width=1200)
形而上学的な欲望へ~「愛の狩人」
昔、吉田秋生のマンガ「海街diary」の主人公・すずの姉で、自らを「愛の狩人」と称していたキャラクターがいた。
その時はただの恋バナ好きかと思っていたのだが、実はこの「愛の狩人」というフレーズに元ネタがあったということを後年知った。
実際はそれとこれとはそんなに関係ないとは思うが、この邦題を付けた人はとても言葉選びが巧みなんだと思った。1971年公開「愛の狩人」
このtrailerを観ていると、なんだかお洒落でポップな印象を受けるのだが、まったくそんなことはないので、そこは注意が必要。。けっこうドロドロとした感じなので。なんてたって、ニコルソンだし(笑)
この頃のジャック・ニコルソンは、「イージー・ライダー」で頭角を現し、「ファイブ・イージー・ピーセス」で主演を張り、上り調子にあったころ。いわゆる”得意の”演技を見せてやろうとでも思っていたのかもしれない。こんな普通は嫌がるような役でも嬉々として演じている。
自分勝手で、欲を満たすことしか頭にない。女に当たり散らす様は、リアルでいてまったくリアリティからは遠いところにある。だって、普通の人は怒り心頭の時にこんなにペラペラと喋れないでしょう。
あと、この映画の相方として登場するのが、アート・ガーファンクル。サイモン&ガーファンクルの、ですよ。俳優をやっていたとは知らなかった。
曲のイメージもあって、チェリーな感じが出ていてハマっていた。
ニコルソンの(役の)女性遍歴を追っていく展開なのだが、肉欲から始まって最後はなんとも形而上学的な域に達してしまう。そんな馬鹿なと思いつつ、或る意味そういう形が健全なのかもね。昨今の騒ぎを見聞きするにつけ、そう思ったりもした。