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思っていたより本格的、だけど・・・「つばさ」

アカデミー賞の第一作って、いまやどれだけの人が観たことがあるだろうか。
映画が好きになってくると、過去の名作をさかのぼって観たくなるのだけれども、その行き着く先はこの作品になる。
1927年公開、記念すべきアカデミー賞作品賞の第一作目、「つばさ」。
なんとサイレントである。

サイレントとはいえ、馬鹿にしたものではない。かのチャップリンの名作の多くもサイレントである。

本作、1927年ということでいわゆる戦間期に作られた映画。もうあんな戦争は嫌だというムードである。好景気に賑わっていた頃でもあり、あと数年で世界恐慌が始まって殺伐としていくわけであるが、その直前の享楽の時代の最後の方である。

それもあってか、戦争ではあるのだが主人公のジャックがイマイチしまらない。なんというか若い・青い。でもこういう風に無邪気に戦争は嫌だとアピールできるというのは、いい時代だったのかもしれない。

映画全体の作りとしては、どことなくトップガンにも通じるものがあったり、空中戦やその他戦闘の場面なんかはけっこう本格的で、目を瞠るところも少なくない。力はいっているな、と思わせられるのだ。

とはいえ。
少々上映時間が長いと思わなくもないし、万人必見かというとどうだろう。
今となっては映画が好きな人向けの作品と言わざるを得ないかもしれないので、観てみようという方は心していただいたらよろしいかと。

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