少し深みを持たせてみました~「ザ・ロック」
ザ・ロックという題名を初めて聞いたとき思ったのは、「カギ?」
いえいえ。カギではなく岩だったのだ。
それも大きい難攻不落の岩、アルカトラズ島。
1996年公開「ザ・ロック」
ハリウッドは、脱獄映画が好きなのか。かなりの名作を生みだしている。
日本映画には脱獄ってないよなあ。
そもそも、文学でも「レ・ミゼラブル」からして脱獄モノである。
そしてアルカトラズである。これも実際に使われていたということから度々題材に使われている。
正確に言えば、本作は脱獄モノというより、脱獄した人をメインキャラクターに据えたということだが。
ニコラス・ケイジの映画はこれが初めて。
いまではアクション俳優のような(しかもB級!?)ポジションを確立しているが、本作がその先駆けあたりだっただろうか。
そのニコラスとバディを組むのがショーン・コネリー。老いても格好がいい。とはいえ、飛んだり跳ねたりとなかなか老体には大変な演技をさせているようで、少しハラハラする場面も見られた。
国に騙されたりぞんざいな扱いをされた海兵隊らが反乱を起こすところから始まるのだが、冷静に考えるとなかなかムリがあると思っていたら、案の定最後には仲間割れをしてしまう。
当初の大義を掲げていたハメル准将がその最中に殺されてしまうため、その国からの仕打ちの始末はうやむやなまま晴れやかなエンディングに進んでいくのだけれども、じゃあその伏線は??とも思わなくもなかった。
これが80年代映画であれば、単純に身代金目的という設定にしてしまっていたことだろう。少し捻り・深みを持たせたいというのが90年代映画の特徴だろうか。2000年代だともっと家族愛とかの感動要素が盛られることになるのだが、これくらいであれば何とか食傷せずに鑑賞できるかな。
マイケル・ベイ監督作品としてもこれが初めてだったが、余韻とか隙間とかがほとんどなく、これでもかと見せ場をつなげてくる手腕は、エンタメ映画としては素晴らしいと思う。受けるのも分かる気がした。
さて、次は「アルマゲドン」でも見てみようか。