言うほどにはお洒落過ぎなかった~「オーシャンズ」シリーズ
「ヘイル、シーザー!」のジョージ・クルーニーつながりで、この大ヒットシリーズをまだ観ていないことを思い出した。ということで今回は3本立てで。「オーシャンズ11」「オーシャンズ12」「オーシャンズ13」
クルーニーのオーシャンズの前に、オリジナルから。
フランク・シナトラの「オーシャンと十一人の仲間」である。1960年公開。
観ていけばわかるが、オーシャンズシリーズと共通しているのは、オーシャンと11人仲間がいるという設定だけ。ストーリーはほぼ無関係である。
かつ、少々キャラ設定が弱いため誰が誰だかわかりにくいのが難点。
終盤は盛り上がって来るけど、仲間集めが半分ほどかかるため、ドライブがかかるのが遅くてテンポがいまいちかな。
その40年後に公開されたのがクルーニーの「オーシャンズ11」。
こちらも仲間集めから始まるのだが、今見ると2000年であっても多様性が進んでいるなあと感じる。キャラがたっていて誰が誰か見分けやすい。それだけでも面白い。
敵役のアンディ・ガルシアってこういうキャラだったかなと。どうもアンタッチャブルやゴッドファーザーのイメージがあり、もっと若くて血気はやるイメージがあったのだけど、いつの間にか貫禄が付いちゃって。
お洒落ではあるけど、思っていたほどクールではなかった。
ミッションインポッシブルにお笑いの要素をあわせたような仕上がりか。
さて、ジュリアロバーツがいたとはいえ男臭かった11に対し、華を添えられた感があるのが12(3作の中で一番というか唯一華がある)。オーシャンだけでなくブラッドピット演じるナンバー2のラスティも彼女が出てくる。当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったキャサリン・ゼタ・ジョーンズ。
二人の痴話げんか?も絡まり、3作の中で一番厚みのある展開のように感じた。
一方で「そういうこともあろうかと思って」的なトリックも入れ出した点、エンタメに割り切った節も感じられた作品でもあった。
こう見ると一番バランスがいい作品かもしれない。
そして今のところ最終作品である13。こちらはジュリアロバーツもキャサリンも出ておらず、少々残念。
多分本作で締めようと思っていたのか、トリックはもう「そういうこともあろうかと思って」に振り切っている気がした。
11人の仲間には兄弟がいるのだが、彼らは11では単なる運転手や雑用ばかりだったおが、13では大車輪の活躍を見せてくれる。力仕事もメカも潜入も何でもこなす。
アルパチーノが出てくるのだが、いささか小物感が否めない。11の敵役のアンディ・ガルシアに比べるとその点物足りないか。うーん、ちょっともったいない使い方だなあ。
総じてハラハラどきどきは抑え目で、見やすい展開なのが人気の秘密なんだろうな。