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コスミック・スロップ/ファンカデリック Cosmic Slop / Funkadelic

80年代からMJ、プリンスは聴いていたけど、MJはポップに近い感じだし、プリンスもどちらかいうとエレクトロとかロックの延長のような感じで聴いていた。
UKのニューウェーヴ勢がソウル/ファンクに接近していったのも聴いていた。シンプリー・レッドとかファイン・ヤング・カニバルズとか。
でもやっぱりUKのブリット・ファンクなのであって、本格的なファンクを聴き始めたのはHR商会でO城さんにご教授頂いてからだった。
まず手始めに基本中の基本、JB、スライ、カーティス・メイフィールド、オハイオ・プレイヤーズ、初期のEW&Fあたりの正統派から始まって、セカンドラインのミーターズ/ネヴィル・ブラザーズ、トークボックスのロジャー/ザップ、変態のP-ファンク系まで、未知のファンク/ブラックミュージックをどんどん吸収していった。

そんなある日、HR商会のお客さんたちでバスを借り切ってコンサートに行くという。

「俺君も一緒にどう?」
「え?何を観に行くんですか?」
「P-FUNK ALL STARSだよ」
「うおおおおおおおおおおお、行きます行きます!連れてってください!」

ちょうどその頃P-FUNK再評価の機運が高まっていて、CDでオリジナルアルバムがぞろぞろと発売になったり、P-Vineレコードからオムニバスの未発表曲集が何枚かリリースされたりと自分の周りではなかなかの盛り上がりを見せていた。

会場に着く前のバスの中でHR商会の店員R太君が他の公演も観ていたようで、
会場が近づいた時に興奮して「オープニングはCosmic Slopです!」と叫んでしまった。
「何で言っちゃうんだよ!」とみんなから罵声を浴びた。
当時はよほど熱心なファン以外はセットリストを知らず、もちろんネットも無くて、ある意味オープニング曲が何なのかは行ってみてのお楽しみ、みたいなところがあった。

「おおおおおおおおお、この曲かー」みたいな。
オープニングで総毛立つ感じ。
ゾゾゾゾっと鳥肌が立つ感じ。
もう失ったじゃないか、どうしてくれんだよ!

実際オープニングはCosmic Slopだったけど。

とにかく今まで観たことない雰囲気のライブで、ダラダラと大人数がステージに出てきたと思ったら、思い思いに音を出し始めて、アイドリングして徐々にギアが上がっていく感じ。
歌が始まる頃には音がひと塊りになって強烈なグルーヴを放っていた。
一番驚いたのはホーンセクションの音の迫力で、それまでギターバンドしか観たことなかったので、その鋭く切れ込む音とファンキーなフレーズにやられた。

「すげーーーーーカッコいいーーーーー!」

肉体的というのかイカつい黒人がグイグイ来るトゥーマッチな感じというか。同じフレーズをこれでもかと繰り返す呪術的なトランス感というか。
1曲がとにかく長いし、ギターは何人もいて結構ソロも弾きまくって音がグルグル回るし。
ドロドロした粘り気のあるファンクネスが凄かった。
ライブが終わってどっと疲れたが出た。
肉体的な音楽を聴くには体力が必要だとわかった。
帰りのバスでは熟睡した。







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