RNRLL / ロックンロール・ラブレター

ロックンロールおじさん、ロックンロールおばさんに捧ぐ。自分が経験してきた田舎の音楽事情…

RNRLL / ロックンロール・ラブレター

ロックンロールおじさん、ロックンロールおばさんに捧ぐ。自分が経験してきた田舎の音楽事情をつらつらと書き連ねます。難しいことは書けません。うろ覚えの部分もあるのでご容赦を。こんなものに何の価値があるのかわかりませんが、自分の音楽遍歴確認と妻へのラブレター、家族への遺書も兼ねてます。

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はじめに

ロックンロールおじさん、ロックンロールおばさんに捧ぐ。 S県の田舎町で育った。町には1軒だけレコード店があり、川を渡った隣町にも1軒レコード店があったがこのレコード店は半分が時計店だった。 そんな田舎町だったので入ってくる音楽情報も2~3年ぐらい遅れていた。 電車に乗って一番近い「K市」に行くと、大きなレコード店が3軒ほどあり、そこでは音楽情報の遅れは1〜2年だった。 昭和の50〜60年代はこういう地方の田舎町が日本中至る所にあって、見てきた物、聴いてきた物、経験してきた事

    • 【最終回】 ウーマン/ジョン・レノン Woman / John Lennon

      妻へ 高校1年生で初めて出会って、バンドに誘った時からずっとあなたのことが大好きだ。 その気持ちは今でもまったく変わらない。 常に俺の横にはあなたがいてくれた。 10代の頃は付き合っていて楽しく、気楽に毎日を過ごした。 若者の特権で無責任に無秩序に無反省に毎日を謳歌した。 20代になり東京から戻り、就職し、社会人として多少の責任も生じてきた。そして紆余曲折あったが、長い付き合いのあなたと結婚した。 30代にかけて3人の子供たちが生まれ、子育てに右往左往するあなたを横

      • 次回最終回

        何年かかけて書き溜めてあった文章はここまで。 あと少し簡単な下書き程度のものがあるけど、形になりそうもないので一度ここでキリにします。 また何かの機会に書き足して番外編のような形で掲載するかもしれないけど。 こうやって改めて書いた文章を見てみると、有名どころの音楽しか聴いてないし、マニアックで専門的なこともわからない。 表題曲の解説だと思って読んだ方は肩透かしを食らって怒り嘆き悲しんだかもしれない。 この場をお借りしてお詫びします。 田舎だから仕方ないとはいえ 我ながらや

        • ストリート・ファイティング・マン/ザ・ローリング・ストーンズ Street Fighting Man / The Rolling Stones

          東京に住んでいた頃、ゲームの会を結成した。 80年代当時、同郷の友人のK崎くんはT大学駅、俺はY天寺駅、I原くんはN目黒駅に住んでいた。 仕事が終わった人から順にK崎くんのアパートに帰宅?し、当時爆発的人気を誇ったファミコンソフト「ポートピア連続殺人事件」を3人で解いた。 あーでもないこーでもないと面白がって解いていった。 夕方7時ぐらいから夜中の2~3時ぐらいまで没頭した。 そして次の日の仕事があるからと3人とも寝てK崎くんのアパートから仕事に行った。 そして仕事が終わる

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        • 00年代以降(会社員~現在)
          6本
        • 1980年代(高校生以降)
          44本
        • 雑感
          4本
        • 1990年代(会社員)
          11本
        • 1960年代(幼少期)
          2本
        • 1970年代(小学生~中学生~高校生)
          24本

        記事

          タイムマシンにお願い/サディスティック・ミカ・バンド Time Machine Ni Onegai / Sadistic Mika Band

          妻が短大時代の友人たちと組んでいたバンドを再結成してサークル主催のコンサートに出演するという事態になった。 東京に何度か出向き、練習に励んで、無事コンサートを成功させていた。 これを羨ましく見ていた俺は一念発起し、30年間封印していたバンド活動をまた始めたいと思うようになった。 なったのはいいがさて、どうしよう、どこから始めよう。 メンバーはどうしようか。 そこで俺はずっと思い描いていたことを思い出した。 「そうだ、家族でやればいいんだ」 しかし、自分が得意な(といって

          タイムマシンにお願い/サディスティック・ミカ・バンド Time Machine Ni Onegai / Sadistic Mika Band

          夏なんです/はっぴいえんど Natsu Nandesu / Happy End

          その夏はとにかく異常に暑かった。 S玉県のある市では毎日最高気温が更新されていた。 四国の四万十市では41.0℃というとんでもない気温が記録された。 太平洋高気圧とチベット高気圧が強まったとかなんとか。 とにかくとんでもなく暑い夏だった。 その年の夏、初めて富士山に行った。 丁度S県が申請していた世界遺産に登録されたからだ。 今年は富士山に多くの人が殺到することが予想された。 仕事の上でパートナーとなっていたS木君と二人で麓の駐車場に車を止め、バスに乗って五合目まで下見に

          夏なんです/はっぴいえんど Natsu Nandesu / Happy End

          プリティ・ウィングス/マックスウェル Pretty Wings / Maxwell

          90年代後半から00年代にかけて俺の音楽体験は暗黒時代を迎えていたが、それにはいくつか理由があった。 1.仕事が忙しかった。転勤もあったし。 2.子育てが忙しかった。子供はすぐ大きくなってしまうので、なるべく時間を共有したかった。 3.会社を辞めて起業した。 これは大きかった。 とても音楽を聴いている暇は無かった。 自分が上手に世の中を渡っていけるタイプの人間でないことは起業して3か月で理解できた。 毎日死ぬ思いで仕事をした。 とても苦しい時期だった。 自分で会社を興

          プリティ・ウィングス/マックスウェル Pretty Wings / Maxwell

          ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ/ザ・ビートルズ With A Little Help From My Friends / The Beatles

          仕事で付き合いのあったデザイナーのM内君が「iPod」とやらを買ったと電話してきた。 「面白いから見においで」 「おー行く行く」 初めて見るiPodとやらは、まっ白くて厚めのケースの真ん中に丸いスイッチ(スクロールホイール)が付いていて、いかにもアップルというデザインの製品だった。 M内君の作業デスクに誇らしげに鎮座ましましていた。 当時からデザイナーと医療関係者はMacintoshのPCを使っていた。 初期のiPodはMacintoshにしか接続できなかったのだ。 とこ

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          ディヴァイン・インターヴェンション/マシュー・スイート Divine Intervention / Matthew Sweet

          90年代以降の洋楽にはあまり詳しくない。 グランジやミクスチャーなどのオルタナティヴ系やブリットポップの有名どころはなんとなく聴こえてきたし、嫌いじゃないけどのめり込んで聴くまではいかなかった。 この時期は子供達のCD作ったり、仕事でグッタリしていたり、家を建てるためにいろいろ奔走したりと、音楽以外の部分に力を出さなければならなかったからしかたない。もう洋楽に対する情熱的なものも少し冷めて来ていたのもある。 そんな俺がある時あるCDに出会った。 とても美しい女性が毛皮

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          誘惑について/ピチカート・ファイヴ Temptation Talk / Pizzicato Five

          バブル華やかかりし頃、エムザ有明でライブを見た。 ウオーターフロントとか言って湾岸開発で賑やかになってなんだかみんな浮かれていたころだ。 誰のライブかは忘れてしまったが、特に興味を持つようなアーティストではなかったのだろうか。 ブラックのファンキーな演奏だった記憶だけ残っている。 当時はもう帰郷して、結婚して、子供もいたので東京に来ることが久しぶりだった。 その日は知り合いのF子さんの結婚式だった。 目黒のこじんまりした教会で式を挙げた。 夫婦ともども招待されたので上の子供を

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          ロビンソン/スピッツ Robinson / Spitz

          90~00年代前半にかけては俺にとって音楽の暗黒時代だ。 とても音楽どころではない。 仕事と子育てに追われていた。 平日は朝早く会社に出かけて帰ってくるのは夜遅く。 近所の奥さんからは母子家庭だと思われていたらしい。 その代わりと言っては何だが休日は思い切り子供たちと遊んで過ごした。 自宅周辺の公園は全て網羅したし、子供たちが勉強などしていると 「ねえねえ、勉強なんかしてないで遊ぼうよ」 と俺の方から遊びに連れ出したりした。 夏の暑い日は公園や川で水浸しになって遊んだし、冬の

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          ロケットマン/ザ・コレクターズ Rocketman / The Collectors

          K崎君がマッキントッシュ+(プラス)というコンピュータを買ってから何年か経っていた。 いつか自分も欲しいと思っていたが、家の経済事情が許さず、なかなか手が出ない状態が続いた。 なにせ扶養家族の妻、長男、長女、二男を食べさせないといけないからね。 妻は子育てに専念したいということでこの時期仕事をしていなかった。 薄給の俺は自分のことは後回しで家族の生活を最優先していた。 本当はK崎君が買った後すぐに買いたかったが、お小遣いの中から少しづつ貯めていって買えるまでに何年かかかってし

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          グリーン・オニオン/ブッカー・ティー・アンド・エム・ジーズ Green Onion / Booker T & MG's

          HR商会でソウルのレコードを物色していたらO城さんが 「俺君、俺君。今度すごいレコードが出るよ」と耳打ちしてきた。 「何ですか?」 この頃にはもうO城さんの「しもべ」と化していた俺は、薦められるレコードを全買いしていたのだった。 「これなんだけどさ」 O城さんがよこしたリリースには「THE COMPLETE STAX/VOLT SINGLES VOL.1」と書いてあった。 「アナログとCDとあるけどどっちにする?」 ええええええええええええ? 買う前提の質問だな。 もうこ

          グリーン・オニオン/ブッカー・ティー・アンド・エム・ジーズ Green Onion / Booker T & MG's

          コスミック・スロップ/ファンカデリック Cosmic Slop / Funkadelic

          80年代からMJ、プリンスは聴いていたけど、MJはポップに近い感じだし、プリンスもどちらかいうとエレクトロとかロックの延長のような感じで聴いていた。 UKのニューウェーヴ勢がソウル/ファンクに接近していったのも聴いていた。シンプリー・レッドとかファイン・ヤング・カニバルズとか。 でもやっぱりUKのブリット・ファンクなのであって、本格的なファンクを聴き始めたのはHR商会でO城さんにご教授頂いてからだった。 まず手始めに基本中の基本、JB、スライ、カーティス・メイフィールド、オハ

          コスミック・スロップ/ファンカデリック Cosmic Slop / Funkadelic

          アルファベット・ストリート/プリンス Alphabet Street / Prince

          1990年に東京ドームでプリンスを観た。 S野さんという地元の幼馴染と観に行こうと約束していたが、彼女は当日を迎える前に引っ越してしまった。 S野さんとはたまたま仕事帰りの電車でバッタリ会って、中学卒業以来何年振りかで話をした。 化粧品の美容部員をしていたので周りにオシャレな女の子が何人かいて、俺の仕事がらみの男どもから紹介してくれと言われていたので何回か会をセッティングしたりしていた。 当時はF原さんとは一時お別れしていて、フリーの時期だったので心置きなくその会にも出席

          アルファベット・ストリート/プリンス Alphabet Street / Prince

          アイ・ジャスト・ウオント・トゥ・メイク・ラヴ・トゥ・ユー/マディ・ウオーターズ I Just Want To Make Love To You / Muddy Waters

          ある日、H市の営業回りの最中にHR商会というレコード屋さんに寄りこんだ。 ここのお兄さんが、ブラックミュージックに精通していて、東京の俺が通っていた駅前のレコード店にも行ったことがあるという。 共通の話題が見つかった。 正直帰郷してからは音楽の趣味が合う人と出会うことはあまりなかった。 少し欲求不満が募っていたときだったので余計嬉しかったのかもしれない。 このお店を切り盛りしていたO城さんにはソウル、ファンク、ブルース、ジャズなどのブラックでファンキーな音楽をご教授いただいた

          アイ・ジャスト・ウオント・トゥ・メイク・ラヴ・トゥ・ユー/マディ・ウオーターズ I Just Want To Make Love To You / Muddy Waters