【情報サービス業】の与信管理とコンプライアンスチェック
本日は、情報サービス業の与信管理とコンプライアンス チェックについてお話しします。4月16日の投稿「意外と知らない!?情報サービス業」の続編になります。
こんにちは、佐々木正人です❗️
是非、最後まで読んで持って帰ってください❗️❗️
前回の投稿では、情報サービス業は新設企業との取引が多く、素性が良くわからないので、コンプライアンス チェックが重要である事を話しました。
まず、情報サービス業の業界構造についてお話させていただきます。
情報サービス業の業界構造とは!?
情報サービス業の業界構造は、多重下請け構造となってます。
<上流工程>元請けのSIer
※富士通、NEC、日立製作所など
↓
<中流工程>下請けのベンダー・ソフト開発企業
※富士通エフサス、日立ソリューションズなど
↓
<下流工程>孫請けのソフト開発企業
また、業界企業は、以下3つに大別されます。
(1) コンピューターメーカー系列会社である「メーカー系」
※富士通、NEC、日立製作所など
(2) ユーザー企業の情報システム子会社である「ユーザー系」
※NTTデータ、SCSK、日鉄ソリューションズなど
(3) 独立資本会社である「独立系」
※TIS、大塚商会、日本ユニシスなど
メーカー系、ユーザー系では、親会社からの受注が多く、独立系においては、大口顧客からの受注に依存していることが多いようです。
資本規模が大きくなるほど元請けの割合が増加し、逆に下請けの割合は減少します。下請けの底辺では、単価が元請けの3分の1以下になっていることも珍しくないため、下請け構造の頂点に近いほど収益力が向上するみたいですね。
出典:リスクモンスター(株)
それでは、このような業界構造をとっている情報サービス業に対して、与信管理の観点ではどのようなところに注視していくべきでしょうか。
情報サービス業の与信管理の注視ポイント
前回お話させていただいてように情報サービス業は、新規参入の障壁が低い業界のため、競争が激しくなりやすいです。また、技術の進歩が速い業界であるため、以下の点を注視すると良いと思います。
・提供しているサービスに独自性があるか
・技術力を有しているか
・ニーズを満たし続ける開発力や人材を有してるか
また、ゼネコン型の多重下請け構造を形成していることから、取引先が元請け、下請けのどちらに該当するかを把握し、下請けの中小企業においては、元請けからのコスト削減圧力や下請け選別の影響を受けやすいので注意が必要です。
取引先によって資金需要の発生度合が異なる点にも注意が必要だと思います。
取引先が SIer (企業や公官庁のITシステムを構築・運用・サポートする仕事や企業)等の場合は多額の資金需要は発生しづらいですが、エンドユーザーを取引先とする場合には入金がシステム完成時となるため、開発人件費用途の資金需要が発生します。
情報サービス業においては、固定資産を有していることが少ないため、資金需要を借入で補う場合には、無担保借入となることが多く、信用力の低い企業では資金調達力が乏しくなりやすいため、ある程度資金を予め持っていないと資金ショートを起こしてしまうリスクがあります。
労働集約的な業種特性から、人件費および外注費の売上高に占める割合が高く、売上高の低下が収益悪化に直結するため、一度取引を開始した後も売上高や人件費、外注費の増減に注意するようにしましょう。
続いて、コンプライアンス チェックでは、どのようなところに注視すべきでしょうか。
情報サービス業のコンプライアンス チェック
コンプライアンス チェックという観点では、提供する商品・サービスが無形であるため、他業種と比べ書類の上で取引を操作することが容易であり、架空取引等の不正が発生しやすいです。
特に新興企業においては、自社の成長性をアピールするために売上高を水増しする誘因が働くため、危険な取引をしていないか注意しましょう。
コンプライアンス チェックという観点では、代表者、会社に対してWEB検索、記事検索をするということに加えてどのような点に注意すべきでしょうか。
調べてみますと、情報サービス業(IT業)では、暴力団のフロント企業として風俗広告、アダルトサーバー屋を裏稼業としてやっていることが多いようです。また、フロント企業として痕跡が残らないように、何度も移転登記したり、役員変更登記をしたりすることもあります。
商業登記などの確認より、頻繁に事務所移転、役員変更登記をしている場合は注意が必要です。
本日の内容は、以上となります!
次回もお楽しみに!では!
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