変形性膝関節症のモーメントを攻略
こんにちは!
noteとExthera-Schoolを運営している小林です。
今回のテーマは「変形性膝関節症のモーメントを攻略する」になります。
こちらの記事を最後まで読むと
今回の記事は『膝OAとKAM』についてです。
変形性膝関節症を理解するには必ず出会うKAMですが、膝に加わるモーメントになります。KAM自体は防いでいきたいモーメントであり、このモーメントを攻略しないと変形が進んでしまいますし、疼痛も強くなることが予想できます。
と言うことでKAMについて理解を深めていきましょう。
では始めていきます!
オススメは杖を使う
先に結論から話していくと、杖を使用した方がKAMを減少させることができ、膝へのストレスを少なくすることができます。
実際の臨床では、杖の使用を喜ばしくない患者も多く、「恥ずかしい」「自分が高齢者に見える」と言ったように使わない・使いたくないと思ってしまう方がほとんどです。
しかし、この先の5年の生活や今現在の膝の症状を軽減させていくには、膝へのメカニカルストレスを減少させることが必須です。
最近ではおしゃれな杖も増えてきていますし、折りたたみの杖もありますので、患者やクライアントに適した杖を選択してあげるようにしていきましょう。
とは言ってもここで記事を終わるわけにはいかないので、KAMについてと他の対応方法について解説していきます。
KAMってなに?
KAMというのは外部膝関節内反モーメント(Knee Adduction Moment)と言います。
膝関節への過剰なメカニカルストレスは、モーメントの大きさによって決まります。ストレスが加わるということはモーメントが大きく、関節軟骨への破壊や損傷につながります。
KAMの大きさ
KAMの大きさは前額面レバーアームと床反力の大きさで決定します。
前額面レバーアームは、膝関節の中心から床反力の作用線までの水平距離です。レバーアームが長いほど、膝関節にかかるモーメントは大きくなります。つまり、歩行や立位時に足が体の中心線から外側に位置するほど、膝関節にかかる内反モーメントは大きくなります。
足の位置や歩幅を変えることで、レバーアームの長さを調整し、KAMを減少させることが可能です。
床反力は、地面から足にかかる反作用力です。体重が増えると床反力も増加し、それに伴いKAMも増加します。したがって、体重管理はKAMの管理において重要です。
だからこそ体重管理するだけでも膝へのストレスを減らせます。
外部と内部モーメントの違い
モーメントを外部と内部モーメントに分けていきます。
これが外部モーメントと内部モーメントとの違いになります。例えばモーメントという言葉だけでも外部なのか・内部なのかで変わってきます。
KAMが加える膝への影響
このように変形と関与していることが大いにわかります。と言うことはなおさら、膝OAの負担を減らしていくことが進行予防であり、治療アプローチになります。
基本的にKAMはラテラルスラストをイメージしてください。ラテラルスラストは、歩行時の立脚中期に特徴的に観察することができる膝関節の横ぶれになり、変形性膝関節症の症例であれば、よく観察することができる所見になります。
内反変形のメカニズム
立脚初期の膝関節不安定性や膝関節伸展制限により、膝関節外側動揺性が生じます。ラテラルスラストが生じて、内反ストレスが加わり、結果的に疼痛や内反変形につながります。
特徴的な姿勢
変形性膝関節症の特徴的な姿勢は、骨盤後傾位かつ膝関節伸展制限です。
骨盤が後傾してしまうことで膝関節は屈曲してしまいますし、膝後面のタイトネスなどがあることで膝関節伸展制限が生じます。
膝関節伸展制限は側副靱帯の機能が低下するため、外側内側の動揺性が生じやすくなります。膝関節屈曲位で接地すればラテラルスラストが生じ、外側支持機構の脆弱性が生じてしまいます。
歩行の結果
膝OA患者のアライメントを評価することが多くて、脛骨のアライメントや膝蓋骨の位置を病態把握のために見ておきます。このアライメントはラテラルスラストが生じた結果であり、大腿骨・脛骨近位外旋が起きます。膝関節を内反させる力が複数回・長時間加わることで位置関係も変化します。
そうすると、回旋要素が加わることで膝関節伸展制限もなかなか改善しにくくなります。
膝OA患者の歩行の特徴
膝OA患者の歩行の特徴を把握する前に大腿四頭筋について解説します。変形性膝関節症患者は腫脹が生じて、反射性筋萎縮により内側広筋の萎縮が生じます。
大腿直筋や中間広筋の萎縮もありますが、内側広筋が最も萎縮するとされています。
膝関節完全伸展ができなくなることの他にも歩行に影響してきます。
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