(読書感想文)「数値化の鬼」
安藤広大著「数値化の鬼」読了。
数字の話となると、一見、シビアな見方にも聞こえるが、数字は客観的な視点を与えてくれる「モノサシ」である。
いかなるときも、「感情」を脇に置き、「数字」で考えられるようにすることこそ、「客観的に自分を見る」ことにもなる。
KPI に向き合う今の実務に非常に参考になる内容だった。
私はどちらかというと共感性が高く、数字に苦手意識もあったが、業務経験を積むにつれ、数字の説得力や分析する際のツールとしても強力さを無視できなくなってきた。
「事件は会議室で起きているんじゃない!現場で起きてるんだ!!」というフレーズがつい脳内をよぎる「踊る大捜査線」世代でもあるが、会議室と現場の分断を憂いても仕方なく、数字やマネジメント思考をベースにしたうえでの熱さを常に意識していきたい。
「冷静と情熱のあいだ」だ。
まさに変数の多さに「あれもこれも」となって、優先度の取捨選択ができずにいた。
全部の変数に一度にアプローチしたくなるが、それだと全部が中途半端になったり、結果が出なかった時にどれが効果があってどれが効果がなかったのかの効果測定ができなくなってしまう。
どのくらい試行錯誤の期間が与えられているのかの擦り合わせは前提として、アクションに取り組む時に期間を決めて後追いをし、振り返りを行うという PDCA アクションをセットで行う意識を持ちたい。
成功体験があると、それをトレースすればというアイディアも浮かびがちだが、人一人一人が異なる個性を持ち、実施する環境や情勢も異なる以上、同じことをやってうまくいくほど単純なものではない。
常に変数を見つけ続けるのは骨が折れる作業でもあるが、だからこその AI には代替できない仕事としての面白みがあるのではないか。
私は前職の安定 JTC で残業時間の縛りが強く、20 代で仕事を制限されることに長期的キャリアの不安を覚え、チャレンジングな外資系企業に飛び込んだ。
30 歳前後はアクセルを踏み込んで働き、その貯金を持って今のワークライフバランスを試行錯誤できているとも言える。
茹でガエルになりたくなかったのだ。
人生はいつだって決断とそれに伴う結果を自ら背負うことの繰り返しだ。
時代や環境のせいにせず、今ある自分の持ちリソース(体力気力含め) を踏まえて、先を見据えたチャレンジをし、ユーモアをもって短期的にも長期的にも楽しく生きていきたい。
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