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読書|Burn. -バーン-
天才子役が脚本家に転じた。幼きレイジは、誰と出会い何を感じて、人生の方向性を転換させたのだろう。
大人が求める演技を難なくこなしてしまうレイジ。周囲は褒め称え涙するけれど、彼は自分の心を動かしていないからこそ、役者でいられるのでした。
「右向け右」と機械のように演じていた日々に、変化が訪れます。それは、ホームレスの徳さんとオカマのローズとの出会いでした。
「あぁ。魂ってのは燃料なのよ。長い人生の中でちょっとずつ燃やして、使い切った最後の燃えかすが二十一グラム。だから魂あんまり燃やせてないやつは、死に際ももっと重いんじゃねぇんかな」
徳さんのマジックに驚いたり、ローズと部下の感動的な別れを目の当たりにしたり、レイジは少しずつ本物の感情に触れています。
一方、心が揺れ動く体験をしたことにより、自分の心の中にない演技ができなくなっていきました。
監督やマネージャーから言われた通りやればいいと指示があっても、偽りで固めた昔のレイジには戻れません。本物の心を手に入れたレイジは、子役から退くことを選びます。
徳さん・ローズとの出会いと別れは一瞬でした。日にちにしたら1ヶ月程度の出来事だったかもしれないけれど、少年にとってその1ヶ月は大きく、失われた心を取り戻す大切な期間となったのです。
大人になったレイジは、たまたまローズと再開する機会に恵まれました。ポッカリ記憶が抜け落ちていた当時の記憶が、舞い戻ってきます。
もう徳さんに会えることはないけれど、徳さんの燃え尽きた魂はレイジのそばにい続ける。
「お前も魂、燃やせよ」
熱い気持ちを感じながら、レイジは大人になった今日も生きていくのでした。
魂の燃やし方。私は魂を燃やせているのでしょうか。体力がなく疲れやすいので、節約気味で魂を燃やしている気がします。
けれど、noteを書いているときは、心が動いている自分の経験を惜しみなく綴っているので、以前に比べて燃え度合いが少し上がっているような。
常に全力で燃え続ける必要はないと思いますが、わずかな灯火も大切にし、心豊かに生きていきたいです。
私が死ぬとき、魂は何グラムになるだろう。
前回の読書記録です。