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日曜日の夜が落ち着かないぼくの理由

会社から帰宅する金曜日の夜。

休日を迎える前日の夜。

開放感にひたすら浸る

その次の土曜日の夜。

まだ二連休の半分が過ぎただけだ。

まだまだ開放感は続く。

しかし、日曜日の夜はなぜか落ち着かない。

原因は明らかに翌日から仕事が始まるから。

世の中の労働者の方々は、どんな気持ちで日曜日の夜を過ごされているのだろうか。

翌日から仕事が始まると分かっていても、そんなことを気にすることもなく、リラックスされているのだろうか。

仕事のことは仕事が始まる月曜日の朝に考えればいいじゃないかと、皆さんはおっしゃるかもしれない。

ぼくだってそうしているつもりなのだが・・・。

でも、どうしても日曜日の夜は落ち着かない。


ぼくは20年前に単身赴任をしていた。

家族と別れて遠い地で一人暮らし。

子供達はまだ幼かった。

家に帰ることができるのは一ヶ月に一回だけ。

金曜日の夜遅くに家に帰ってきて、翌々日の日曜日の夜遅くにまた単身赴任先に戻る。

月曜日から始まる仕事のために、後ろ髪を引かれながら、日曜日の暗闇の中を誰もいないアパートへと急ぎ戻る。

その頃はまだ親父が生きていて、日曜日の夜は自宅から自家用車でぼくを最寄り駅まで送ってくれた。

長男はまだ小学生だった。

いつもいっしょに見送りについて来てくれた。

ぼくを最寄駅で降ろして、親父の車が去っていく。

息子は後部座席から後ろ向きに座って、車の後ろの窓ガラス越しに、ぼくが見えなくなるまで手を振ってくれた。

あの光景は今も忘れられない。

嬉しくて悲しい光景・・・。

日曜日の夜が落ち着かない理由、それはトラウマってやつだな。

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鈴々堂/rinrin_dou@昭真
小説を読んでいただきありがとうございます。鈴々堂プロジェクトに興味を持ってサポートいただけましたらうれしいです。夫婦で夢をかなえる一歩にしたいです。よろしくお願いします。