【読書感想_1】キレる!脳科学から見た「メカニズム」「対処法」「活用術」

キレる!脳科学から見た「メカニズム」「対処法」「活用術」
中野信子/2019年/小学館新書 を読んだので感想です。

■なぜ読んだか

元々、私は人に怒りを表すことがとても苦手だった。
ずっと事無かれ至上主義のまま怒りを出さずに生きていたら、だんだんと怒りを感じること自体無くなっていた(心が麻痺してた)

でも、この状態って問題だよね?
生きていく上で、怒りをちゃんと表すことって絶対必要。
…と痛烈に感じたので、ここ数年で怒りや自己主張について考えたり勉強している。

この本では「上手くキレて抵抗することは大切」みたいなことが書かれているらしいと知り購入。
今まさにそれが知りたい…!と一気に読んだ。

■ざっくり内容

「怒り」は悪いものでは無い、人が感じる自然な感情である。
それを上手く出さないと、いいように相手に搾取されてしまう。
上手くキレることは、自分を大切に生きる上でとても重要なスキルである。

それを踏まえ、以下が書かれている。
・キレる人の脳内では何が起こっているのか
・ケース別「キレる人との付き合い方」
・ケース別「キレる自分との付き合い方」
・戦略的にキレるには

■感想、ぐっときた部分など

上手に怒る方法だけでなく、
・怒っている時に脳はどうなっているか
・「怒る側の人」についても様々な事例を上げて紹介している
→「怒り」そのものを色んな角度から知ることが出来たのが良かった。

また、読んでいて強く感じたのは、

・上手くキレることは、メンタルの問題では無くスキルの問題
・練習、準備、自覚、意識が絶対的に必要

ということ。
怒ることの大切さを知り、
「じゃあこんな時、どう言い返す?表情は?間は?」
など、しっかり自分なりに考えて準備しておくことがとても有効だと感じた。
とっさの一言や表情を秘かに用意していれば、適切な対応がとれる。

上手く言い返せない、いつも我慢してやり過ごしてしまう。
それって、元々の性格やメンタルはもちろん影響している。
けれど、練習次第でいくらだって改善可能だと知り、私はとても勇気づけられた。

勉強やスポーツと同じだなあと。
練習や準備した分だけ、ちゃんと返ってくる。
怒り方や自己主張、自己表現だってそれ相応の準備が必要なのだ。
ナチュラルボーンで出来るほど、容易い類のことではない。

そしてもう一点、重要なこと。

新しい環境や新しい人と出会った時は、初動が大事である

新し場所や人って緊張するし、正直おっかない。
必要以上に腰低く愛想よく対応しがちだけど、これは良くない。

(ん?この人ちょっと…?)
と相手に違和感を感じたら、早い段階でしっかり線引きを態度で表すことが大切。
冗談のつもりでセクハラかましてくる人とか。
納期やレスの感覚がルーズな人とか。
最初に許すと、大丈夫なんだと思われてしまう。

その言い方は不愉快です。
その態度は私は嫌です。

きっぱり言う以外にも、表情や間合いや軽い反論でそれを示すことは可能だ。

「この人はちょっと軽く扱えないかも」
「下手にいじりすぎるとダメかも」

と感じさせることが、自分の心を守ることになる。
これは本っっ当にそう思う。
めちゃくちゃ深く頷きまくってしまう。

最初ニコニコ対応してて、後から「あ、こいつ超失礼なパワハラ人間じゃん…」て気付いても、いきなり能面対応に切り替えるのは気力体力要るんだよな…!

初動で気を抜かない。
違和感を感じたら、すぐにきっぱりと境界を示す。

心に思い切り深く刻み付けた。
本の中では、それぞれの対策例はそこまで細かに書かれているわけでは無い。
超具体的ハウツー本ではなく、意識への呼びかけ的な部分が多い印象。

そこから先は、自分で考えて、自分にあった「切り返し」を準備することが必要だろうと思う。
周りの人を観察して真似してもいいし、色んな本で知識を得るのもいい。

一番大切なのは、
「自分はこうだから、こんな対応がいいかな?これはどうかな?」
とあれこれ日々練習して、「怒り」スキルを磨くことだ。

メンタルじゃなくて、スキル。
この本で、それを知ることが出来て良かった。


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