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エッセイ「感覚」1.触れる
字を書くときのペン先がノートに触れる、あの感覚。サッサッという音と同時に、ジワッと腕にまで伝わるノートとの触れ合い。これが何とも言えない幸福感を与えてくれる。
実際、今この原稿を書いているのはスマホのメモ帳アプリであって、ノートではないのだが、本当であれば何でもかんでもノートに書きたい。兎にも角にも「ペンで字を書く」ということに勝るものはないのだ。でもここで一つ困ったことが起きる。私は新品が
エッセイ「感覚」 2.食べる
「好きな食べ物は?」「何食べたい?」
これらの類の質問は、非常に苦手である。と言うとあまり理解されないかもしれないが、とにかく苦手なのだ。
普段から特別「食」というものにあまり興味を持たない私。だから、急に質問されても困ってしまう、というわけだ。好きな食べ物が無いわけでもないし、食べたいものが無いわけでもない。ただ特別それを相手に伝えるほどのものではない気がしてしまう。なんだか、畏れ多いのだ。
エッセイ「感覚」 5.飲む
ウイスキーが飲めると、大人になったなあと感じる。家族と、友達と、恋人とともにお酒を嗜む時間は、より近しい距離感を楽しめる素敵なひととき。二十歳になって最初に飲んだお酒はモスコミュールだったが、いま一番好きなお酒は断トツでウイスキーとなった。
のどに流れてくるときの、アルコールの独特な香りとピリリとした感覚が、大人になったことを強く突きつけてくる。お酒を楽しむことは、ちょっとした憧れが叶ったよう
エッセイ「感覚」6.眺める
つい最近、水族館へ出かけた。わたしにとって水族館は癒やしの存在であり、日々のストレスを発散し、リフレッシュするのにもってこいの場所なのだ。それは、仕事終わりに夜間営業をしている水族館へ、一人で足を運んでしまうほど。いつか全国の水族館を見て回りたい。そして近場の水族館は年パスも買いたい。
私の水族館の一番古い記憶は、北海道にある「おたる水族館」でのイルカショー。と言っても、ショーそのものの記憶