短編小説「約束の紙飛行機」
静寂と夕焼けの光に包まれた放課後の教室で、僕は黙々と紙飛行機を折っていた。
「またやってるの?」
そこには同じクラスの夏美が立っていた。気だるそうにこちらを見ている。
「うん。これが落ち着くんだよね」僕は出来上がった紙飛行機を彼女に渡した。
「紙飛行機って意外と奥が深いんだ。ほら、折り方一つで飛び方も変わるし」
夏美は紙飛行機に目をやり、静かに放った。それは一瞬宙を舞い、そして、力無く落ちた。
「イマイチね」肩をすくめてそう言った彼女は、僕の机に近づき作りかけの紙飛行機を眺