短篇小説「小さな村のバクのおはなし」
その女の子は大きなベッドの上で、小さい体をうんうんと震わせておりました。
「ああ、かわいそうなお嬢さん。ぼくが助けだして あげましょう」
そうして小さなバクは、長い鼻を女の子のおでこにそっと乗せました。
するとたちまち女の子はスーッと静かな寝息を立て始めました。
「よかった、よかった。ぐっすりお眠りなさい」
そう言うとバクは、窓から静かに外へと抜け出していきました。
この村では、バクは大変重宝されていました。なんと言っても、悪夢を食べてくれるというのですから。
けれど、最近